海外での子育てが気になる!知っておきたい日本と海外の教育の違い
パパの海外赴任が決まったとき、気になるのは子どもの教育のことです。せっかくだから英語をしっかり身につけさせたいという気持ちにもなります。英語圏の国はよいとして、それ以外の国ではどうなのでしょうか。英語教育の違いを中心に、海外と日本の子育てについて考えてみましょう。
日本と海外では圧倒的な英語力の差がつく?
子どもに英語力をつけてもらいたい理由
英語は進学や就職で重要な要素の一つです。また、外国の方と仕事をするママやパパなら、必要性をより切実に感じているかもしれません。
世間では2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて英語への関心が高まっています。教育制度の見直しも行われますので、今後の日本社会では英語力がさらに重要になっていくことでしょう。
子どもが苦労しないためにも英語力をつけさせてあげたい。海外駐在のチャンスをいかして子どもには生きた英語教育を望みたいというのが親心です。
英語圏以外の海外の英語教育の現状
インドとシンガポールは多言語の国民が暮らす国なので英語が公用語の一つで、小学校から学んでいます。インド人同士、中国人同士であっても出身地が違うと言葉が通じないため、英語が日常的に使われています。
また、フランスは6歳から、オランダは10歳から英語教育を行っています。オランダは、国語力の強化を同時に図るバイリンガル教育を行い成果をあげています。
韓国、中国、台湾などのアジア諸国では2000年前後に英語教育を導入しました。子どもたちは小学校3年生から週に2~3コマの英語授業を受けています。
日本の英語教育の現状
諸外国に比べると英語教育の開始年齢が遅く、また授業の時間数も少ないことがわかります。英語教育に関しては、日本はまだまだ遅れているといえるのではないでしょうか。
外国語指導助手(ALT)を任用する小学校は増えてきましたが、小学校全体の6割程度にとどまっているのが現状です。また、すべての授業をALTが担うほどではなく、多くの授業は担任が行っています。
2020年以降は小学校3年生から英語の授業を受けられることになりました。ALTの増加も検討されています。
子育てを海外でする教育上のメリット
ネイティブの発音に慣れることができる
人間の耳は幼い頃にはさまざまな音を聞くことができますが、成長とともに不要な音を聞く力を失うそうです。けれど、子どものうちに海外生活を経験すると、ネイティブの英語を耳にする機会に恵まれます。
そしてネイティブの英語には日本語にない音が含まれています。子どもの耳は、その音を聞き取る力があるので、英語のすべての音を必要な音と判断して「英語耳」といわれる耳になるのです。
英語耳を持つと、正しい発音ができるようになります。つまり、海外生活は英語のヒアリング力と発音力を同時に身につけることができるといえるのです。
英語以外の言語にも同時に触れることも可能
英語と文法的に近い言語はたくさんあるため、英語を使って勉強する外国語の習得は比較的簡単だといわれています。子ども時代を海外で過ごした方に3カ国語以上話せる人が多いのはそういった理由です。
非英語圏ならば日常生活で英語以外の言葉に触れることができます。子どもは耳から現地語を覚えますから、3カ国語の習得は自然の流れになります。
さまざまな言語の発音を聞くことで子どもの聞く力は維持されます。外国語の発音を聞き取る力を持って成長した人は、生涯にわたって新しい言語の習得がしやすくなるそうです。
日本との文化の違いを身を持って体験できる
インドでは左手は不浄の手とされています。イスラム圏では人差し指で指し示すことはタブーとされているので、書類の重要ポイントを示す場合は親指を使います。
欧米諸国では空いているトイレの扉は閉めません。イタリアでは古代ローマ帝国の石畳の道路が現役で活躍しています。
欧米のレディーファーストも有名です。ジェスチャーの意味が国によって違うことも最近知られるようになってきました。
違う文化の中での体験は人間の幅を広げます。海外生活で培った人間力は、日本社会でも役立つでしょう。
子育てを海外でするときに解決すべきこと
金銭的な負担をクリアすること
欧米では就学前の教育費の高騰が続いています。イギリスでは無料保育年齢が設けられるなど、諸国政府の対策は進んでいるようですが、問題は山積している様子です。
また、アジア諸国の現地校ならほどほどの月謝ですむ場合もあります。しかし、インターナショナル系の幼稚園は高額になるでしょう。
海外赴任の場合は教育費を会社が負担してくれる場合があります。ただし、義務教育年齢に限る場合、現地校に限る場合など会社により違いがあります。
事前に調査をしてから現地入りするようにしましょう。