1歳の子どもが叩いてくる理由は?体と心の発達と叱り方のポイント
子どもが叩く行動をとることに悩んでいるママは少なくありません。「なぜうちの子は叩くのだろう?」と悲しくなることもあるでしょう。今回はママが知りたい、1歳の子どもが叩いてくる意外な理由、発達と叩く行動の関係、そして対処法として、叩いてしまったときの効果的な叱り方もご紹介します。
1歳の子どもの体と心の発達を知ろう
運動能力が発達し行動範囲が広がる
脚力やバランス感覚を身につけ始める1歳前後の赤ちゃんは、手先の動かし方も随分と上達してきて、小さなものをつまんだり、そのまま引っ張ったりできるようになり、ボールやおもちゃも軽いものであれば数分間持ったままでいられるようにもなります。
このように、生まれてからの1年間で、赤ちゃんの脚力や腕力、指先の動きや力も、ぐんぐんと発達してきます。成長に比例して、遊び方も上手になって色々なものに興味を持ち始めるころですね。
イヤイヤが始まりだし自己主張が強くなる
個人差はありますが、早い子ではイヤイヤ期が始まって、今までよりもハッキリと意思表示をするようになります。例えば、ハッキリと言葉になっていなくても、「イヤ」ということを伝えるときには毎回同じ発音で声を出すこともあります。
イヤイヤ期が始まりだすと、一生懸命に自己主張をするようになり、離乳食の好き嫌いが激しくなったり、抱っこをして欲しいと長時間泣いたりと、かんしゃくを起こすことも多くなります。
ちなみに1歳ごろの赤ちゃんは、好奇心や独占欲、自立心も芽生え始めています。周りのお友だちに興味を示し始めるとか、自分でおもちゃを選ぶといった行動も好奇心や自立心の表れです。
親の言う言葉を理解し始めるようになる
赤ちゃんは、話す言葉が増えると同時に、ママやパパの言う言葉を理解し始めるようになります。「おいで」という言葉に反応して、ちゃんと寄ってくるのも親の言葉を理解し始めている証拠ですね。
1歳半ごろからは「ブーブーきた」「ワンワンいた」などの二語を話せるようになり、言葉の発達とともに親の言葉の理解度もさらに高まっていきます。
言語能力が発達すると、ママやパパの指示も理解するようになり、「ちょっと待っててね」とか「少しだけ」というような簡単な意味は通じるので、ママも少し「やり取りがスムーズになったな」と感じることもあるでしょう。
1歳の子どもが叩いてくる理由って何?
力の加減が分からず触っているだけ
公園や子育て広場などの子どもが集まる場所では、周りのお友だちに興味を示し、一緒に遊ぼうとして近寄っていくなどの行動も目立ち始めるのですが、この時期に多いのが「お友だちをペチンと叩いてしまった!」という行動です。
ママやパパは我が子がほかの子を叩いてしまったことに焦ってしまうこともあるでしょう。けれども、この時期の赤ちゃんには比較的多くみられることで、本人としては力の加減が分からないだけのことがほとんどで、ママやパパが自分を触ってくれるように、お友だちにも触れてみた、または撫でているつもりということも多いのです。
思いどおりにならず気持ちがもやもや
ママやパパ、またはお友だちを叩いてしまう理由として、まれにではありますが「機嫌が悪かった」というケースもあります。例えば、気に入っているおもちゃが使えなかったことによって気持ちがもやもやしているなど、かんしゃくの一部としてペチンと叩いてしまうケースもあります。
眠いのに寝つけないときに赤ちゃんがぐずって自分の髪の毛を掴んで引っ張るとか、のけぞって泣くことがありますよね。叩くことも同じような感覚で、感情表現を知らないために動作で発散しているのです。
好きだからこその気持ちの裏返し
「なぜママだけ?」と疑問に感じることや「私のことが嫌なの?」と不安になってしまうママもいますが、ママだけを叩くのは、大好きだからなのです。大好きすぎてちょっと気持ちが高まり過ぎてしまっているとか、大好きと伝える感情表現が強く出てしまったということもありますよ。
幼稚園や小学生の子が、気になる子や大好きな相手へ意地悪をしてしまうのと似たような感覚ですね。もちろん1歳前後の赤ちゃんには悪気はなく、純粋に愛情表現として叩いているだけです。
言語が発達して感情表現の仕方を覚えていくと同時に、叩くという行動も消えていくことがほとんどです。
1歳の子どもが叩いてきたときの叱り方
感情的に頭ごなしに叱らない
子どもがとっさに叩く行為をしてしまったとき、一番大切なのは「感情的に頭ごなしに叱らない」ことです。ママやパパが教えたいのは「叩いてはいけない」ということであって、威圧的に恐怖心を与えることではありませんよね。
なぜ叩いてはいけないのかを子どもに伝えることが最優先です。ゆっくりとした口調で、子どもの目を見て「ペチンはしないよ。ペチンしたら痛いよ。」などと冷静に伝えましょう。