幼児に必要な睡眠時間はどれくらい?ママが気をつけるポイントとは
「うちの子、あまり寝ないのが悩み」というママもいることでしょう。しかし幼児の成長にとって適度な睡眠は欠かせません。そこで今回は、幼児に必要な睡眠時間と睡眠不足が幼児に与える影響、幼児にとってよりよい睡眠習慣や環境などについてお話しします。ぜひ参考にしてみてくださいね。
幼児に必要な睡眠時間はどれくらいだろう
理想の平均睡眠時間は10~13時間
夜更かしをしてしまいがちな子どもの場合、たとえ夜中0時に寝ても朝10時まで眠れば十分なのかと思いがちですが、実際には何時に寝てもよいというわけではありません。
夜中0時前後の睡眠が子どもの成長には大切だとされているので、その時間にはぐっすりと眠っていることが重要です。少しでも長く眠ることができるよう、夜は早めに寝かせるように心がけたいですね。
たとえば幼稚園や保育園へ行くために朝7時に起きなければならない場合は、遅くとも夜9時には寝かせるようにしましょう。
メカニズムの違いで大人より長い睡眠が必要
しかし子どもと大人の睡眠のメカニズムには違いがあるので注意しましょう。たとえば大人は、約90分の間にレム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返し、そのサイクルを4~5回ぐらい繰り返すと自然と目が覚めます。
一方、新生児の場合は睡眠時間の半分以上が浅い眠りであるレム睡眠であるため、比較的容易に目が覚めてしまいます。ただし、レム睡眠の割合は生後6カ月で約30%、3歳ごろに約20%と次第に減っていくので、年齢とともに深い眠りであるノンレム睡眠の割合が増えていき、大人と同じような睡眠時間になってきます。
必要な睡眠時間を基本に生活リズムを整える
たとえば、毎晩20時半に子どもを寝かせるようにし、それに合わせて子どものお風呂や夕食の時間を決めていくようにしたいですね。毎日同じ時間に食事をする、布団に入るといった生活リズムを意識すると、自然と子どもの体内サイクルもそれに合ったものになっていきます。
夜22時に寝ていた子どもを20時半に寝るようにするのは、慣れるまでは大変かもしれませんが、慣れれば自然と20時半には眠たくなるようになりますよ。子どもの生活リズムが整えば、ママも1日の予定が組みやすくなることでしょう。
睡眠時間の不足が幼児に与える影響とは
成長ホルモンの減少が「体」の成長に影響
成長ホルモンの分泌により、骨が成長したり筋肉を増やしたりすることができます。
成長ホルモンは睡眠開始後2~3時間の間に分泌され、幼児期からその量は次第に増えていきます。思春期を迎えるころに、成長ホルモンの分泌量は最大値となるといわれています。
成長ホルモンは深く眠っているときに分泌されるので、子どもの成長のためには十分な時間、熟睡することが大切なのです。
睡眠不足は「脳」の成長にも影響する
たとえば、ママが子どもの夜泣きなどで睡眠不足になると、イライラすることが多くなりますよね。これは、脳の中でも人の感情をつかさどる前頭前野という部位が、睡眠不足の影響を受けやすいことによって起こります。
これと同じように、子どもが睡眠不足になると、イライラしやすい子どもになってしまいますよ。もし、子どもが怒りやすい性格だと感じたら、今一度睡眠時間について見直してみる必要があるかもしれません。
また、睡眠不足になると記憶力が低下するとされているので、小学校入学前に生活リズムを整え、子どもの睡眠不足を解消するようにしたいですね。
睡眠不足のサインに気をつけよう
まず、睡眠不足になると、先ほどもお話ししたようにイライラとして怒りっぽくなります。さらに自己肯定感の低い言葉を発することもあります。「どうせできないよ」というような、投げやりな言葉や態度が見られたら要注意ですよ。
また、昼間にうとうとすることが多く、夜は遅くまでなかなか寝ないという状態も危険信号です。生活リズムが乱れている可能性があります。ママが「もう寝ようね」と声を掛けても、いつまでもぐずぐず寝ないようでは、朝きちんと起きることができません。
幼児にとってよりよい睡眠習慣や環境とは
早く寝るのではなく早く起きる習慣を
しかし、今まで早く寝る習慣がなかった子どもに、毎晩のように「早く寝なさい」と注意しながら寝かしつけるのは一苦労ですよね。
この場合、まず朝早く起きる習慣を身につけさせることがポイントですよ。できるだけ毎朝同じ時間に起こすようにし、日中にたっぷりと体を動かすようにすると、夜は疲れて自然と眠たくなることでしょう。
子どもの生活リズムを整えるためにも、まずは早起きの習慣を身につけられるようにしたいですね。