赤ちゃんの喃語(なんご)とは?言葉の発達とコミュニケーション方法
我が子が「あぶあぶ」「ばぶー」などと赤ちゃんならではの可愛らしいおしゃべりをするのが待ち遠しいママも多いでしょう。赤ちゃんがしゃべる喃語とは具体的にはどういうものを指すのでしょうか?今回は赤ちゃんの成長とともに変化する喃語の発声や、なかなか喃語が出なかったり少なかったりする場合の対処法などをご紹介します。
喃語の役割やクーイングとの違いを知ろう
喃語は赤ちゃんが「言葉」を話す練習
生まれたばかりのころは泣くことはあっても意識的に声を出すのは難しかったことを思えば、喃語は赤ちゃんが成長している証といえます。
ママは可愛らしく喃語を話す赤ちゃんに「どうしたの?」「楽しいんだね」などと笑顔で応えるでしょう。すると赤ちゃんは「声を出すとママが喜んでくれる」「声を出すと自分の希望がかなえられる」と理解し始めます。
喃語に周りの人たちが反応すると、赤ちゃんは言葉を話したいという気持ちが強まるのですね。
喃語を話す時期はいつごろ?
喉の「喉頭」という部分にある声帯を振動させれば声は出ますが、多様な発声をするには舌を動かし声帯の振動を口や喉で共鳴させなければなりません。新生児は口内の空間に対して舌が大きいため自由に動かせず、首も短いので喉頭が上の方にあり多様な発声が難しいといわれています。
けれども、4カ月くらいになると口の中が大きくなり舌が動かしやすくなります。また、喉頭が下がることで喉も広がるので共鳴ができるようになり、だんだんと複雑な発声が可能になっていきますよ。
喃語とクーイングの違いについて
喃語とクーイングの違いは子音の有無だといわれます。生後間もない赤ちゃんは喉の動きだけで声を出しているので、子音を発音するのが難しいのです。
クーイングの時期でも「ママ」など子音を含んだ言葉をしゃべる場合もありますが、一般的にはそのときに開いていた口の形で喉からの音が変化したのだと考えられています。
喃語の時期には二つ以上の言葉がしゃべれるようになり、発声しやすい子音「マ行」「バ・パ行」が含まれる「ばぶばぶ」「んまんま」などの赤ちゃんらしい喃語がたくさん聞けるようになるでしょう。
喃語の種類とコミュニケーションのとり方
成長とともに変化する喃語
このころの赤ちゃんは声遊びをしながら発声を学んでいます。いきなり大声をあげたり不思議な発声をしたりして、ママを驚かせる子もいるかもしれませんね。
6~7カ月くらいでは「まんまん」などという繰り返しの喃語になり、8カ月ごろになるとさらに口や喉が発達して機関銃のように喃語をしゃべり続ける子もいます。そして10カ月を過ぎるころには喃語が減り身振り手振りで要求を伝えるようになりますが、それは「意味のある言葉」を話すための新しいステップといえるでしょう。
相づちやオウム返しでコミュニケーション
ママが目を合わせて微笑んだりスキンシップをして遊んだりする中で、赤ちゃんは人と触れ合うことが楽しいという気持ちが芽生えています。ママが喃語に反応するだけでも赤ちゃんは嬉しいと感じていますよ。
ママが喃語を聞いて感じたことを話しかけるのもよいでしょう。「お話が上手だね」「お尻がきれいになって気持ちいいね」などと、お世話をしたり一緒に遊んだりしているときに赤ちゃんの言葉や様子を観察しながら楽しいコミュニケーションができるとよいですね。
喃語を引き出すヒントを紹介
【赤ちゃんの目の前でゆっくりはっきりと話しかける】
視力の弱い乳児期でも分かりやすいように、赤ちゃんの目の前でゆっくりと口の動きが見えるように話しかけてみましょう。
【赤ちゃんを笑わせる】
笑うときの息や喉の使い方は、喃語を発声するときと同じ状態です。赤ちゃんが「キャッキャ」と声を出して笑う遊びをしてみましょう。
【色々な人と会う】
赤ちゃんには実際の人の言葉が刺激になります。児童館や祖父母の家などに行ってたくさんの言葉に触れる機会を作りましょう。
【表情を豊かに】
満面の笑顔や少しおどけた顔など、ママが表情豊かだと赤ちゃんの反応もよくなります。また、赤ちゃんはスキンシップも大好きです。
喃語が出ないときや少ないときは?
成長のスピードは個人差が大きいもの
大人でもおしゃべり好きな人と寡黙な人がいるように、赤ちゃんも話すのが好きな子と得意ではない子がいます。喃語が目安の時期に出なかったり少なかったりするだけで、問題があるとはいえないものです。
赤ちゃんの中には喃語は出ないのに、ママの話す内容をよく理解している子もいます。じっと周囲の様子を観察して、大丈夫だと思ったら喃語を話し始める慎重な子もいますよ。
目を合わせてコミュニケーションがとれるようなら、先ほどお話しした喃語を引き出す関わり方を試しながら様子をみてもよいかもしれませんね。