産後の自転車解禁の目安は?控えるべき理由と乗るときの注意点
ちょっとしたお買い物の荷物を載せたり移動の手段にと、生活に欠かせない自転車ですが、産後はいつから乗ってよいの?なんて疑問に思いませんか?自転車解禁の目安として、産後の安静期間と自転車解禁の関連性、自転車に乗るときの注意点などをまとめました。
産後の自転車に乗っていい時期と安静期間
産後の安静期間はどの位?
ママの体が妊娠前の状態に戻るには約6~8週間かかるといわれています。産後約3~4週間で悪露や会陰切開の傷口が落ち着いてくるので、産後約1カ月間は重いものを持ったり家事などで体を酷使せずに全身を休ませ、できる限り睡眠をとってゆったりと過ごすことが推奨されています。
もちろん体の回復具合も個人差があるので、1カ月より早く楽になるママもいれば、2カ月後にやっと楽になってくるママもいます。
自転車はいつからいいの?
1カ月健診では赤ちゃんの健診とともにママの体の回復具合もチェックしてもらえます。健診時に子宮復古(子宮の戻り具合)の状態や悪露の状態、血圧測定や尿検査などをして、医師によって健康な状態とお墨付きをもらってからにしましょう。
1カ月健診を受ける前はママの体調が戻り切っていない時期なので、自転車をこぐことで貧血や動悸、めまいを引き起こしてしまう危険性があります。もしも走行中にそれらの症状が起きてしまったら、事故につながりかねません。
またその症状が引き金となって体調悪化につながることもあるので、安静が必要な期間には自己判断で自転車に乗らないようにしましょう。
帝王切開で出産した場合は?
痛みが消えてきたと思っても自転車をこぐ動作は腹筋を使います。自転車に乗ることで傷口が裂けるようなことはありませんが、痛みが出ることは充分にありえます。帝王切開の場合、普通分娩以上に注意が必要になります。
下腹部の筋肉を無理なく戻していくには、まず歩くことです。産後にはほんの数メートルの距離を歩く練習をしたと思います。同じように毎日の生活で無理なく安全に、体を慣らしていき、自転車には産後2~3カ月あけてから乗るようにしましょう。
産後の自転車を控えたほうがいい理由は?
会陰切開の傷口が完治していないから
一つめは、出産時の会陰切開の傷口が完治していない可能性があるからです。会陰切開の傷の大きさなどは個人差がありますが、切開していることに変わりはなく、患部には縫合糸が残っていたりむくんでいる場合もあります。
その状態で自転車に乗ると、患部が押されたり擦れることで違和感や痛みを感じる場合や、刺激によって炎症を起こしてしまう場合もあります。せっかく治りかけていた患部ですが、自転車に乗ってしまったことで治りが遅くなってしまうこともあるのです。
毎日の生活では痛みを感じていなくても自己判断は禁物です。
子宮が回復していないから
出産後、最初の1~2カ月間には、出産の血液の残りや胎膜などの残りが悪露として排出されますが、この時期の子宮は細菌感染によって産褥熱を引き起こしてしまう可能性もあり、安静が必要とされる時期です。
悪露が続いている時期に自転車に乗って、会陰切開の傷を刺激してしまうと危険というのも、細菌感染の危険性をはらんでいるためです。自転車に乗るのは早くても、悪露が治まり1カ月健診の結果を受けてからにしましょう。
子宮の回復中の期間には貧血やめまいを起こしやすいので、安全性を考えても自転車は避けておいたほうがよいでしょう。
骨盤が歪んだままだから
妊娠中に徐々に骨盤が広がっていくのは、リラキシンというホルモンが分泌されている影響なのですが、リラキシンは産後もしばらくの間は分泌されています。そのため骨盤が安定するまでには少なくとも3カ月は必要になります。
先輩ママの声では、助産師さんから「骨盤が不安定な産後3カ月は自転車に乗らないように」と助言してもらった、という声もあります。
骨盤が不安定な時期に自転車に乗ると、左右交互にペダルをこぐ動作によって骨盤が大きく左右に揺れてしまい、ゆるんでいる骨盤が歪んでしまう危険性があります。一度歪んでしまった骨盤を出産前の正しい位置に戻すのは難しくなります。