チェコで出産したらへその緒を捨てられた!苦労の多い妊娠から乳児期
赤ちゃんが生まれるのを楽しみにしながらも、初めて迎える出産、しかも海外で…。私には高齢出産という不安もありました。嬉しいはずの義母の助けも、慣れないチェコ流育児に私の悩みの原因になることも。今でこそ良い思い出になりましたが、今回はそんな私のチェコでの妊娠から乳児期までの苦労話をお話します。
日本との違いに戸惑い…チェコでの妊娠期
腹帯がない!妊娠グッズが少ないことに気づく
最初にないと気がついたのは腹帯でした。チェコの妊婦は腹帯をしていません。でも私は出かけるときは腹帯でお腹と腰を守りたかったので、日本から送ってもらった腹帯を重宝していました。
妊婦服の種類も豊富でなく、日本のようにかわいらしいデザインの服はありませんでした。チェコでは妊婦も普通の服を着ていることが多く、あまりその必要性を感じていないのかもしれません。私は大き目の服や、日本から送ってもらった妊婦服を着て過ごしていました。
長男を出産した8年前と比べると、今は店に並ぶママと赤ちゃんのグッズが増えました。たとえば当時私が見つけられなかった前開きの新生児の服も、今は普通に見かけるようになりました。チェコも徐々にママのニーズにそった商品が売られるようになってきたなと感じています。
産婦人科と出産する病院が違う
最初私は、出産という大事態を知らない医師、知らない看護婦の中ですることが信じられませんでした。「医師とのコミュニケーションはうまく取れるのか」「私のカルテはきちんと引き継いでもらえるのか」など不安がよぎりました。
でもチェコではこれが普通、無事出産もできました。「あれはママになるための最初の試練だったのだな」と今は思っています。
チェコの産休育休制度
育休中でも仕事をすることができます。勤務時間や収入額の制限はありません。私の周りでは、2年間休んでから働き始めるママや、子どもが3歳になって園に入るのを待ってから働き始めるママが多いようにみえます。
チェコで迎えた出産はわからないことだらけ
産後初めて聞くチェコの育児用語
「おむつ替え」という言葉を知らなかった私は、看護婦さんの「ミルクをあげる前におむつ替えししてください」の意味が分からなかったですし、「赤ちゃんがもしかしたら黄疸かもしれない」と言われたときも、想像はついたものの確信が持てずにいました。
小さな命を守らなくてはいけない母親という立場になって、チェコ語の重要性を感じさせられました。今でも子どもが病気になったとき、どのように話せば医師にうまく症状を伝えることができるのか、毎回考えさせられます。
へその緒を捨てられてガッカリ…
暫くしてから「へその緒はいつ貰えるのだろう」と思いつき、ナースステーションに行くと「捨てたわよ」と普通に言われ、かなりのショックを受けました。
ほかにも貰えなかった物があります。妊娠中の記録が書かれた冊子です。チェコには日本のような母子手帳がなく、妊娠が分かると産婦人科の医師から薄い冊子が渡されます。冊子は診察のたびにママが持参し医師が体重などを書き留めてくれるのですが、この冊子も出産した病院で当然のように回収され私の手元には残りませんでした。
海外で出産を迎えるママは、日本では当然貰えるものが貰えないこともあるので、もし欲しい物があれば前もって看護婦さんに聞いてみることをおすすめします!
名前はカレンダーの中から選ばなければいけない
そしてチェコでは、このカレンダーに書かれている名前の中から子どもの名前を選びます。そのほかの名前をつけることもできますが、それにはなんと裁判所の許可が必要になります。
私たちは息子に日本語とチェコ語両方の意味をもつ名前をつけたかったので、カレンダーの名前ではなく少し変えた名前にしました。裁判所の許可が必要というだけでも驚きましたが、許可が出るまで3週間くらいかかり、しかも費用として5,000円ほど請求されたのには驚きました。
チェコの名前事情は日本と違っていて、息子に父親と同じ名前をつけたり、親しい友人の名前をつける親もいて、周りには同じ名前がいっぱいいます。同じ名前が多いとややこしいと私は思うのですが、チェコではこれが普通、みんな喜んで同じ名前を選んでいます。