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【第1回】助産師さんに聞いた!母乳育児とママのおっぱいトラブル

【第1回】助産師さんに聞いた!母乳育児とママのおっぱいトラブル

昔からおっぱいをあげることはママにとっても、赤ちゃんにとっても大切だと言われてきました。今もそれは変わりませんが、それぞれの家庭の生活環境やママの状況に応じて、うまく母乳と付き合うことも大事になってきています。今回は「おっぱい」をテーマに様々な専門家にお話を伺ってきました。

母乳にはママも赤ちゃんもメリットがいっぱい

母乳は赤ちゃんにとってなぜ大切なの?

初めての授乳、初めての赤ちゃん育児など、赤ちゃんについての悩みや自身の身体について新米ママには、不安や悩みごとがつきものです。そこで今回は、病院の母乳外来を担当し、産後のママ達の相談などを行っている寺田さんに「おっぱい」について、いろいろと教えていただきました。

まずは、おっぱいは赤ちゃんにとってなぜ大切なのか?

厚生労働省発表の「平成27年度 乳幼児栄養調査結果」で、妊娠中のママたちの9割のママが「ぜひ母乳で育てたいと思った」「母乳が出れば母乳で育てたいと思った」と考えている母乳育児。

母乳育児についてのメリットを寺田さんに聞いてみると赤ちゃんとママに双方にメリットがあるようです。

『赤ちゃんへのメリット』
・いろいろな病気から赤ちゃんを守ってくれ、病気になっても治りが早かったり、乳幼児突然死症候群になる率が低いことが分かっています。
・母乳は栄養のバランスが良いので、肥満になりにくかったり、腸への負担が少ないため、赤ちゃんの消化器官が丈夫に育ちます。
・口をしっかり動かすことで、脳やあご、歯の発達を促したり、赤ちゃんの成長に大きな役割を果たす。

『ママへのメリット』
・母乳を出すためのホルモンは、産後の子宮を速やかに回復させる働きがあります。
・ママの気持ちをリラックスさせ、赤ちゃんをかわいいと思う気持ちを作り出してくれます。これは、育児に対する対する自信や満足感につながります。
・妊娠中に増えてしまった体重を自然に元に戻してくれます。
・母乳育児をした女性の身体は、乳がん、子宮がん、卵巣がんなどの病気にかかるリスクが低かったり、閉経後の骨粗しょう症や骨折が少ないというデータもあります。
・母乳はママの体の中で作られる天然の資源。生産者がはっきりしていて、安心で安全な食品です。

上記メリットのほか、母乳にしかない成分もあるようです。

母乳には、未熟な赤ちゃんの腸では、消化されにくい脂肪の消化を助ける働きをするリパーゼという酵素があります。また、中枢神経の発達に大切な乳糖やタウリン、アレルギーや病気から赤ちゃんを守るラクトフェリンやIgAという免疫物質など、赤ちゃんの成長にちょうどいい分量だけ含まれているようです。

妊娠中に知っておきたいおっぱいのこと

出産後におっぱいはどうなるの?

出産後、間もないママたちから「おっぱいがこんなに張って痛いなんて知らなかった」「母乳は自然に出て、赤ちゃんはすぐに飲んでくれると思っていた」という声をよく聞きます。

妊娠中に次のことを知っておくと役立つでしょう。
『入院中におっぱいが張って痛くなることがあります。』
原因
産後3~4日目頃、おっぱいが張って痛みと熱を伴うことがあります。母乳を作る成分である血液が乳房内に流れ込み、母乳としてうまく乳頭から出ないために、おっぱいが張ります。1週間以内には徐々におさまってくることが多いです。

対策
・乳房の上部や外側、わきの下を冷やすと楽になります。
・なるべく3時間以内で授乳か搾乳をしましょう。
・高カロリー食を控えるのも効果的です。
・肩甲骨を動かすように肩回しをしましょう。

出産をしてすぐにおっぱいが出るママはほとんどいません。一般的に出産当日から3~4日目くらいまでは、母乳の分泌は少量です。この期間は赤ちゃんの要求に応じて時間や回数を制限せず授乳をしていると、次第に分泌がよくなっていきます。

赤ちゃんは上手に乳頭に吸い付くことができる子もいれば、そうでない子もたくさんいます。ママの乳頭の大きさに対して赤ちゃんの口が小さく、じょうずに口に入らないこともあれば、泣いてばかりの子、眠ってばかりの子などいろいろな子がいます。

赤ちゃんも飲むのは初めての経験で、ママも赤ちゃんを抱っこすることすら慣れていないのに、上手に授乳するためにはお互いに練習が必要です。焦らず、赤ちゃんと少しずつ慣れていければいいかなという気持ちでいましょう。

母乳で育てるにはどうしたらいいの?

『入院中』
とにかくおっぱいをあげる時間を3時間以上あけないで、昼間も夜中も行い、ミルクは極力足さないようにしましょう。産院のスタッフに「母乳育児をしたい」という意思表示をするとよいでしょう。

『生後1~2カ月頃』
赤ちゃんはおっぱいを上手に飲めなかったり、ママの母乳の分泌も不安定なことが多い時期です。泣くたびに何回でもおっぱいを含ませます。赤ちゃんには飲む練習、ママには乳頭の刺激になって、母乳の分泌をよくする土台作りになります。

この時に重要なのは、おっぱいを深く(乳輪が隠れるくらい大きく口をあけて)くわえさせることです。

ただ注意しなければいけないことは、赤ちゃんの体重が増えすぎ、母乳を吐くことが多い時は、飲み過ぎて「おなかがいっぱいだよ」という訴えで泣く場合もあります。この場合は、泣いたらすぐに授乳するとさらに分泌過多になってしまうことがあるので、2時間以上あけて(ただし3時間以内で)母乳を飲ませるといいでしょう。

『生後3~4カ月頃』
赤ちゃんも飲むのが上手になり、母乳の分泌も良くなってきて、2時間半から3時間おきの授乳リズムができてくるようになります。

夜間の授乳を続けることでプロラクチンというホルモンが出て、母乳の分泌を持続させています。授乳中はこのプロラクチンの作用により、夜中に授乳をしていても、体調もよく活発に活動することができます。

『全期間を通して』
・食事と休養も大切です。和食中心であっさりとした食事を規則的にとり、こまぎれでもいいので、睡眠と休養をとるようにしましょう。

・おっぱいを飲ませる前に搾乳を軽く行いましょう。赤ちゃんが入院中などで飲ませられないときや、上手に直接飲ませられないときなども、3時間ごとに搾乳を行いましょう。

・母乳の分泌が少ない、乳房にしこりがある、赤ちゃんが母乳を飲んでくれないなど、授乳や乳房のことで心配なことやトラブルが考えられるときは、早めに母乳育児相談室などの専門家に相談しましょう。
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