赤ちゃんと声遊びでコミュニケーションを!月齢による声の変化と特徴
声を出すという技術は、赤ちゃんにとっては難しいことです。大人が外国語を学ぶときよりももっと難しいことなのかもしれません。しかしどんな赤ちゃんでも、成長するにつれて声が出せるようになります。そこには、大人がすっかり忘れてしまった高度なメカニズムがあるのです。月齢による声の変化と特徴についてまとめます。
月齢による赤ちゃんの声の変化と特徴
生後3カ月頃までの「クーイング」
クーイングが始まる時期には個人差があって「早いからよい」「遅いからよくない」というものではありません。赤ちゃんの成長の早さは、一人一人違いますので、環境や条件には関係なく、じっくり楽しみに待つくらいでOKです。
このクーイングは、生後3カ月頃まで続きますが、このような声を出すのは、赤ちゃんの喉の構造が原因です。赤ちゃんの喉は、鼻で呼吸をしながら母乳やミルクを飲む必要があるので、気管と食道が分離されています。ですから、声は鼻から抜けていって、クーイングのような発声になるのです。
生後10カ月頃まで変化する「喃語」
喃語は、生後4カ月よりも前に始まる赤ちゃんもいれば、生後6カ月過ぎに始まる赤ちゃんもいます。上の子がいる場合は、そのまねをして早く始まる傾向にあるようです。
また、赤ちゃんによって好きな喃語があるようで、同じ言葉を何度も繰り返し発することがあります。音の響きを楽しんでいるのかもしれません。気にしないで「上手だね」とほめてあげましょう。
喃語になれてくると、ママの顔を見ながら「マンマ」というなど、自分の意思で喃語を発するようになります。こうして生後10カ月ぐらいまで、喃語は徐々に変化していきます。
様々な声で楽しみながら学ぶ「声遊び期」
この時期には、成長にともない口の中の空間が広くなり、舌の動く範囲が広がります。さらに喉の部分も発達してくるので、口と喉を使って様々な声を発声できるようになるのです。
色々な声が出るようになると、赤ちゃんも楽しくなって、もっと違う声を出そうとします。声を出して遊んでいるうちにだんだん発声が上手になっていき、より言語の音に近づいていきます。これが「声遊び期」です。
声遊び期には、言葉としての抑揚やリズムなども一緒に覚えていきます。
練習の過程!奇声のような声をだす理由
発声のコントロールができない
赤ちゃんも自分でびっくりしているかもしれません。「こんな声を出すつもりではなかったのについ出てしまった」ということもあるのです。やっと自分の口から声が出せるようになったばかりですから、微妙な発声のコントロールが上手ではないのですね。
パパやママとしては心配かもしれませんが、声遊び期にこんな奇声を発するのは、別に悪いことではありません。むしろ普通のことです。それよりも、こんな声も出せるようになったことを、一緒に喜んであげるくらいでよいのです。
自分から出る音で遊んでいる
大人の常識では、奇声を発するのは、びっくりしたときや怖いときというイメージがあります。どちらかというと、会話というより悲鳴に近いですよね。でも赤ちゃんにそんなことは関係ありませんから、奇声を発しながら、楽しく遊んでいるのかもしれません。
ときには、場所や時間に関係なく、突然大きな声で奇声を発するかもしれません。周りが反応すると、赤ちゃんはさらに楽しくなってしまいますから、やめて欲しいときには、ほかのおもちゃで気を紛らせるなどするとよいと思います。
ご機嫌がよくても悪くても叫ぶことがある
まず、ご機嫌がよくて、興奮を抑えられずに奇声を発することがあります。お気に入りのおもちゃを見つけたとき、大好きなパパやママの姿が見えたとき、一緒に遊んでもらったときなどです。コンサート会場のファンの心理と同じですね。
また、不機嫌なときに奇声を発することもあります。遊んでいて自分の思いどおりにならなかったときや、パパやママを近くに呼びたいとき、なにか気に入らないことが起こったときなどです。
泣く以外の方法で自分の気持ちを伝えるようになったということですから、これも成長です。だんだん会話に近くなってきますね。
ママが赤ちゃんとの声遊びを楽しむポイント
喃語をそのままオウム返しで会話する
最初は、赤ちゃんが発した喃語に、オウム返しをしてみましょう。「あうー」といったら「あうー」と返すのです。このオウム返しは、お母さんと赤ちゃんとの絆を深めるだけでなく、発した声を自分の耳にフィードバックする発声練習としても有効です。
オウム返しをするときには、赤ちゃんと話していることをしっかり伝えるために、同じ高さで目と目を合わせ、何度でも繰り返し話してあげましょう。なんにも反応がなくて「伝わっていないのかな?」と思うこともあるかもしれませんが、パパやママの声は赤ちゃんの中にちゃんとインプットされていますので、心配はいりませんよ。