子どもの冬の風邪でよくある症状は?ホームケアの方法と受診の目安
冬は子どもが風邪をひきやすい季節ですね。子どもの風邪は、ホームケアで様子を見た方がよいケースやすぐにでも病院を受診した方がよいケースなど、症状の程度によって対処法が異なります。この記事では、子どもの冬の風邪にママが適切に対応できるよう、風邪症状へのケア方法や受診の目安をご紹介していきます。
冬の乾燥と寒さによる風邪でよくある症状
体が病気を治そうとする正常な反応「発熱」
たしかに発熱している場合は、なにかしらの病原体が体内に入り込んでしまっている状態です。しかし、それは体がその病原体を倒し病気を治そうと正常に機能している証拠といえます。発熱は体の正常な防御反応の一つなのですね。
体内の病原体を倒す働きのある白血球という細胞を活性化させるため、体が体温を上げるというのが発熱のメカニズムです。そのため、無理に解熱剤を使うと、せっかくがんばっている白血球の働きを邪魔することになってしまいます。
異物排除のための防御反応「咳や鼻水」
咳は、空気の通り道である気道に侵入してきたウイルスやほこりなどの異物を排除しようと反射的に起こる人間の自然な反応です。乾いた咳や痰が絡んだような咳など、咳の様子やそれが続く期間は、背後に潜んでいる病気を見つける重要な手がかりとなります。
一方の鼻水は、呼吸と一緒に気道に入ったウイルスや細菌を体外へと洗い流し体内への侵入を防ぐ役割があります。そして鼻から吸った乾いた空気は、鼻水によって湿度を与えられ肺に送り込まれます。
鼻腔に詰まった鼻水はウイルスや細菌で汚染されているので、こまめに体外へ出すことが大切です。
お腹の風邪「下痢、おう吐」
小さい子どもほど、下痢やおう吐で脱水症状が起こりやすいので注意が必要です。下痢やおう吐に発熱などがともなう場合もありますが、お腹にしか症状が現れないケースも多いです。
赤ちゃんはが突然おう吐した場合、「授乳後にげっぷが出ていなかった」とか「うつぶせでお腹が刺激され吐いてしまった」ということもありますし、年齢が上がっても咳き込んだ拍子におう吐してしまうこともあるので、必ずしも感染症が原因ではない場合もあります。
お腹の風邪かなと思ったら、ほかの症状が出ていないかをチェックしましょう。
家でおこなう風邪症状への基本的な対応
発熱には体温調節と水分補給で対応
子どもの手足が冷たい場合は、まだ熱が上がりきっていないので毛布などで体を温めてあげましょう。逆に手足まで温まっているなら、少し薄着にして保冷剤などで体を冷やしてあげます。汗をかいているときは、体を拭いて着替えさせましょう。
熱が続くと体の水分が失われやすくなり、脱水症状が起こる可能性があります。「経口補水液」や「子ども用のイオン飲料」などでこまめな水分補給が大切です。
呼吸が楽になる部屋の環境と子どもの姿勢
部屋に洗濯物を干すのも、室内の加湿に効果的です。子どもが嫌がらないようであればマスクをさせると、より喉を保湿することができます。ハウスダスト予防には、部屋を清潔に保つことも大切ですよ。
寝るときは基本的に子どもが楽に眠れる姿勢でかまいませんが、気道が開きやすく、呼吸が楽になるように、背中にクッションなどを置いて上半身を少し高くし、さらにアゴが上がるように調整するとより寝やすくなりますよ。
吐いたらおちつくまで待って水分を少量から
例えば、次のような症状は脱水症状のサインといえます。
・尿の量が少ない、色が濃い
・元気がなく、ぐったりとして顔色が悪い
・唇が渇いて皮膚にハリがなくなっている
おう吐後には水分補給をさせることが大切ですが、おう吐直後は吐き気が強いため水分を飲ませてもすぐにまた吐いてしまいます。
おう吐してから2~3時間待っておちついてきたら、水分を少量ずつこまめに与えるようにしてください。体が失った水分や電解質を効率よく吸収できる「経口補水液」や「子ども用のイオン飲料」がおすすめです。
子どもの冬の風邪、受診の目安を知ろう
夜中の発熱は様子次第で翌日受診でも大丈夫
基本的に熱があっても機嫌がよくぐっすり眠れていたり、いつもと変わらず水分を補給できたりするようなら、通常の診療時間を待っての受診で問題ないです。水分補給させつつ、子どもの様子をしっかり見るようにしましょう。
ただし、生後3カ月未満の赤ちゃんが急に38℃以上の熱を出した場合、また、月齢を問わず41℃以上の高熱が出た場合には、重症の感染症かもしれないので至急病院へ行きましょう。
水分が摂れずぐったりとしていたり、呼びかけにも反応がなく意識障害が見られたりする場合も急を要するのですぐに病院を受診してください。