わがままは受け入れる方がよい?子どもの甘えと上手に付き合うコツ
子どものわがままを受け入れてばかりいたら我慢ができない子になる心配がありますが、甘えは十分に受け入れた方がよいとも聞きます。そもそもわがままと甘えはどう違うのでしょうか?ここではわがままと甘えの違いを知り、子どもにとって甘えが必要な理由や甘えを自立に繋げる接し方のコツなどをご紹介します。
子どもがわがままを言いがちな三つの場面
パパやママの気を引いて甘えたいとき
よくあるのは下の子が生まれて上の子がママの愛情を独占できなくなったときで、わがままを言って甘えれば「ママは私のことも見てくれている」と安心できます。入園やクラス替えなどの環境の変化でも子どもは不安になり、パパやママに甘えて安心を得ようとするのです。
友だちと喧嘩して傷ついたときも甘えて愛情を得ることで、自尊心を取り戻そうとする子もいます。わがままを言って叱られても、一時的に気を引けることで心を満たす子もいますよ。心を受け止めてもらえない子のわがままはエスカレートしがちです。
大人の都合に振り回されているとき
子どもの都合に合わせてばかりいると毎日の生活が成り立たなくなりますが、かといって大人の都合に合わせてばかりいると子どもにストレスがたまってきます。子どもがママと話したいと思っても「忙しいからあとでね」と言われてばかりでまともに取り合ってもらえなければ、ママの言うことは聞きたくなくなるでしょう。
わがままを言う子どもの気持ちをわかろうとせず突き放すことが続けば、子どもは聞き分けが悪くなるだけでなく、困らせることばかりするようになる可能性もありますよ。
疲れているときやお腹が空いているとき
さらに好奇心旺盛な子どもは、やってみたいことがたくさんあります。そのため「あとでね」と行動を制止されると、感情のコントロールが未熟なのに加えて疲れや空腹という体の不快で、感情を爆発させてわがままを言いやすいのです。
そのようなときの子どもに接するパパやママは、あちこちに地雷が埋まっている中を進むようなものかもしれません。特に疲れと空腹がピークを迎えやすい夕食前に、子どもはわがままを言って困らせる傾向がありますよ。
わがままと甘えを区別することが大切
子どもの成長に「甘え」が不可欠な理由とは
自立とは経済的なものだけではなく自分で考えて行動し責任を取れることも意味しますが、それには自己肯定感が必要となります。自己肯定感が低いと自分の考えに自信が持てず人に依存しやすいからです。
自己肯定感は自分に価値があると思えることで、十分に甘えて「愛されている」と実感すると高まります。たくさん甘えた子は失敗しても根本に安心感があるので「大丈夫、もう一度挑戦しよう」と意欲がわきやすいのです。
また、心を受け入れてもらえた経験が多ければ、ほかの人の気持ちも思いやれるようになりますよ。
物やお金に対する要求は「わがまま」
幼稚園児が何万円もするものを頻繁にねだるなど、年齢にふさわしくないものを要求することが無理難題といえます。ちょっとしたお菓子でも子どもに言われるがまま買い続けると要求はエスカレートし、やがてお菓子ではすまなくなるかもしれません。
物やお金に対する要求は誕生日や週に一度などと約束をしてそれを守り、子どもがわがままにならないように節度を保つことが大切です。愛情不足で心が不安定な子も無理難題をパパやママに押しつけやすいので、これからお話しする「甘え」を受け入れて愛情を伝えましょう。
触れ合いの要求や気を引くのは「甘え」
かまってほしいときには不安やさびしさを感じているので、できる限り甘えを受け入れると子どもは安心してくれます。十分に甘えて安心すれば情緒も安定するので、子どもは大事なところでパパやママを困らせることはせず素直に育ってくれるでしょう。
「わがまま」を許してばかりいると子どもは自立しにくいですが、「甘え」を受け入れるのは子どもの自立を促します。子どもと一緒に遊んだり抱っこしたりできるのは小さな時期だけです。余裕がなく大変なときもありますが、可愛らしい甘えをたくさん味わえるとよいですね。
子どもの甘えを自立に繋げる接し方とは
子どもからの甘えには優しく応えて
ただ、急いでいたり掃除が面倒だったりするなどのパパやママの都合で、子どもに要求されないうちから先回りしてばかりいるのは自立を妨げます。
忙しくて甘えを受け止められないときは、時々子どものリクエストを聞いて料理を作りましょう。ほかにも手を繋いで会話をしながら買い物に行くといった小さなことでも、愛情を伝えられます。日常生活の中で、無理なく子どもが甘えられる環境を作れるとよいですね。