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【第1回】子どもの意志・自立を育てる「シュタイナー教育」とは?

【第1回】子どもの意志・自立を育てる「シュタイナー教育」とは?

これから園を探したい、子どもの教育をどうするか考えたい時、どんな教育があって、どんなことをするのか気になる方が多いですよね。今回は、様々な教育方法の中から「シュタイナー教育」を取り入れ、実践している「うめの森ヴァルドルフ子ども園」を取材しました。

「シュタイナー」とはどんな教育?

シュタイナー教育の基本

「シュタイナー教育」はドイツのルドルフ・シュタイナーが提唱した教育法。人間の発達段階を7年ごとの周期でとらえ、それぞれの段階に成長の課題があると考えています。

自立した人間を目指すという思想がベースになっており、「自我」が生まれる21歳までの間に、からだ、心、思考のそれぞれをバランスよく育てることを目指しています。
シュタイナーの考え方によると、幼児期である1~7歳までの7年間は、これから一生を通じて使うからだを作る時期とされています。様々な感覚体験を、日々の活動の中で繰り返し行いながら、健やかなからだを育んでいきます。

実際にシュタイナー教育を実践している園では、シュタイナーの考え方や人間観に基づき、子どもがより育ちやすい環境を整え、子どもの意志や行動を支援するためのサポートが日々行われています。

どんな力を育てるのか?

子どもの意志を尊重することは大切ですが、自由がありすぎると選択肢も多くなります。そうなると子どもも選ぶことができなくなります。子どもの意志にまかせて、好きに選んでもらうことも手放しでは難しいのです。

そのためシュタイナー教育では、教育者である大人が、子どもが自分の意志で自由に選択し、行動してもらうための環境作りを行います。

園の活動という大きなおおいの中にある様々な選択肢から、好きなものを選び取っていく、選択する経験を積み重ねていく中で、大人になった時に必要となる「自分の意志で行動し、行動の責任を持てる力」が身につき、やがて自立した人間が育まれていきます。

シュタイナー園で身につく力とは?

生活リズム、人との関わりを学ぶ

愛知県に2004年に開園した「うめの森ヴァルドルフ子ども園」は緑の多い住宅街の中にある、おうちのような園です。木のぬくもりがあり落ち着いて過ごせる保育室には、年長さんから年少さんまで、みんなが同じ空間の中で生活しています。

基本的な1日の流れは下記のようになっています。
8:45 登園、自由遊び
10:30 おやつ
10:45 ライゲン、オイリュトミー
11:00 外遊び
12:00 素話、人形劇
12:30 お祈り・食事
13:15 季節や天候にあわせて休息や外遊びなど
14:00 降園
時間を決めずに過ごす家庭での自然な時間感覚を大切にしているので、園でも自然な生活リズムで過ごせるようにしており、活動の時間はだいたいの目安で、その日、その日ごとの子ども達の遊びへの集中・充実の度合いを見ながら延長したり早めたりしています。
時間を区切りたいときはどうしているのですか、という質問に答えてくれたのは後藤先生。「何時だから次はこれだよとは言わずに、片付けの合図になっている”扉を開けて”という一言を、子どもに伝えると気がついた子から自然と片付けが始まって、周りの子たちも片付け始めます。片付けの時間なんだなとちゃんと理解して、小さい子も自分の遊んだおもちゃや周りの片付けをしています。」

こうした姿を見ることができるのは、縦割り保育で周りの子の姿を見て、自分もやりたいという気持ちが生まれているから。

赤ちゃんや小さい子どもは、ママや大きい子たちの姿に憧れて、自分もやってみたい、マネしたいという気持ちを持って、様々なことを経験し、身につけたり、覚えていきます。そうした気持ちが園の中では、下の子やお友達のお世話、お手伝い、片付けなどに繋がり、だんだん自分でやりたいこと、今やることを自然に考えることができるようになっていきます。

きれいに整頓されたおもちゃ。子どもたちが日々、片付けています。

園での時間の感覚や人の流れを見て、感じて、知っていく中で、やがて自分の立ち位置を理解し、自分で考えて動けるようになっていきます。これは人間同士の距離やつきあいの感覚を認知すること、つまり人間関係やコミュニケーション能力にやがて繋がっていきます。

遊びを通じて育む創造力、集中力

園では、朝の室内遊びの時間を大切にしていて、それぞれの遊びや活動に没頭できるようにしています。

子ども一人一人がしっかり遊びに入っていけるように、室内のカーテンを締めることで、外の様子が気になるなど、外に意識がいかないように配慮しています。

また園で使われているおもちゃにも工夫があります。おもちゃのほとんどは、手作りしたものや自然の素材のものを使ったものでできており、遊び方が決まっていないものが多くあります。

たとえば、丸太の形状や太さ、大きさをそのまま生かした積み木、大きな貝殻のほか、ひもや布、石など素材そのものが一つのおもちゃになっています。

自然のものは、一つ一つが違ったかたちなので、どう使って遊ぼうか、どうしたら面白いのかという工夫ができ、遊びながら、創造力をどんどん育みます。

また、保育室に置かれている人形は、シンプルで表情がないものを使います。表情がないことで、自分の感情を反映しやすくなり、状況や感情をプラスして、より想像力を高めて遊ぶことができます。

積み木やぬいぐるみなど、いろいろなおもちゃを組み合わせることで、子どもは自由な世界観を広げて、創造的に遊ぶことができます。

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