【第1回】子どもの意志・自立を育てる「シュタイナー教育」とは?
身体を使った表現、芸術を楽しむ
シュタイナー教育でなじみ深いのが「ライゲン」「オイリュトミー」「水彩のぬらし絵」です。
「ライゲン」はドイツ語で「輪になって踊る」という意味を持つ、人間の原始的な手仕事や手作業の動きを取り入れた、体を動かす活動です。季節の物語、歌や詩に合わせて歩く、跳ぶ、みんなで輪になって広がったり、集まったりという動きを楽しみます。
「オイリュトミー」は、言葉の母音、子音、音に対する決まった身体表現を行う芸術で、シュタイナーが考案したものです。園では子どもの身体を育むのに適した子音、母音などを取り入れ、オイリュトミー芸術を学んだオイリュトミストが歌、詩、物語などを語りながら動き、子どもはそれを模倣する体験になります。
「水彩のぬらし絵」は、十分に湿らせた画用紙の上に、三原色の絵の具で絵を描く活動です。通常の絵を描くこととは少し違っていて、具体的に「コレ」を描くというよりは、濡れた紙面の上で、色と色が混ざり合って変化していく様子を体験します。作品を完成させるのではなく、色が混ざるプロセスそのものの体験を大切にしている活動です。
園や施設、イベントで体験する
シュタイナー教育について、興味がある、話を聞いてみたいと思った際は、近くにあるシュタイナー教育を実施している園・施設を探してみましょう。見学会や入園説明会のほか、オープンデイなどのイベントも開催しています。
また、うめの森ヴァルドルフ子ども園も所属する「日本シュタイナー幼児教育協会」などのシュタイナーの団体が主催するイベントなどに参加してみるのもよいと思います。実際に見ることで、その教育の一端に触れることもできます。
「日本シュタイナー幼児教育協会」では、『理論』と『実践』というふたつの柱のもと、親と保育者がお互いに学び合い、支え合うことを目指します。
まとめ
取材を終えて、シュタイナー教育の独自の考え方、おもちゃなどもありましたが、何より「子どもが楽しく、遊びに集中・没頭できる環境」が、周囲の大人によって整えられているということが印象的でした。特殊な教具やカリキュラムだけでなく、どのような環境で過ごすのかによっても、子どもに身につくものは多様なのだと感じました。
どんな教育法なのかインターネットなどで調べることもできますが、実際に話を聞いてわかることもあります。園選びの際には、ぜひ実際に話を聞いたり、見学したりして、体感してみてください。
監修
愛知県名古屋市にあるルドルフ・シュタイナーの人間観に基づいた、幼児のための教育(保育、幼稚園)をします。
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