出産後、へその緒はどうする?国で異なるへその緒事情と保管方法
桐箱に大切に保管されたへその緒を、子どもの頃に見たことがある方は多いのではないでしょうか。初めての出産ですと、出産後のへその緒の処理や保管の仕方が気になりますよね。今回はへその緒についての豆知識や正しい保管の仕方をまとめてみました。海外のへその緒事情にもスポットをあててみましたよ。
ママと赤ちゃんを繋ぐ、へその緒の役割
へその緒は赤ちゃんにとってのライフライン
赤ちゃんはへその緒を通してママから酸素や栄養をもらい、へその緒を通して二酸化炭素や老廃物をママに送り返しています。つまりは、へその緒には大きく分けて三つの役割があり、赤ちゃんが呼吸をするための呼吸器の役割、栄養を摂取するための消化器の役割、そして老廃物を排出するための泌尿器の役割があるのです。
大人もそうですが、この三つのどれが欠けてもいけませんよね。へその緒は赤ちゃんにとって重要なライフラインなのです。
出産直後もへその緒は働いている!
産院にもよりますが、赤ちゃんに黄疸が出るのを防ぐため、へその緒の血管が閉じたのを確認した後切っているところが多いと思います。しかし、出産直後もへその緒に拍動が感じられることで、この拍動がなくなってから切ってもよいのではないか…という考えもあります。
実際にイギリスではへその緒を繋げていた方が赤ちゃんの健康状態がよいということで、3分はへその緒を繋げておくガイドラインがあるそうです。
臍帯血バンクで、ほかの誰かの命を繋げよう
骨髄移植は提供する側される側ともに全身麻酔と入院をともない負担が大きいため、ドナーが見つからず治療が間に合わないことも多いそうです。しかし、採血後にすぐ冷凍保存された臍帯血を使えば、ドナーを見つける確率が増え、骨髄移植と同じような治療を受けることができます。
自分が提供した臍帯血で誰かの命が助かるかもしれない…そう考えると嬉しいですね。
こんなに違う日本と海外のへその緒事情
誰が切る?国によって異なる医師の見解
日本の産婦人科医会では、へその緒を切る行為は医療行為とされているため、パパやママ、家族がへその緒を切ることを勧めていません。ママや赤ちゃんの健康を守るために、適切で迅速な処置を行わなければならないので、医師や助産師が切ることにしているという理由もあります。
けれども、産院によってはパパとママの思い出にしたいという気持ちを尊重し切らせてくれるところもあるようです。へその緒を切ってみたい方は、出産先の産院や助産師に相談してみてくださいね。
へその緒を切るのを3分待ってもらう理由
これは3分間の間に、へその緒に残っていた鉄分の豊富な血液が赤ちゃんに移動することで、鉄分欠乏症の予防ができ、赤ちゃんが健康になるということなんですね。また、アメリカの研究結果では男の子の運動機能がアップするというデータもあるようです。
日本では、黄疸の心配があるために出産直後の切断を推奨しています。もし「へその緒の切断を3分間待ちたい」という場合は、メリットとデメリットをよく考え、産婦人科の医師と相談してから決めるとよいでしょう。
へその緒を切らない出産、ロータスバース
この方法は、ハサミを使用しないため傷がついて感染症が起こるリスクが低くなることと、胎盤とへその緒に残った栄養と血液が赤ちゃんに送られることの二つのメリットがあります。
へその緒は通常、3日で乾燥します。東南アジアなどの湿気が多い場所では7~10日ほどかかるようですよ。その間、胎盤は血液を取り除き、塩とハーブをまぶして通気性のよい布(コットンやシルク)で包んで保管します。
日本ではあまり聞きなれませんが、欧州ではロータスバースを選択する人が少しずつ増えているそうです。