産後ママにはトイレの悩みがある。時間経過での自然治癒や受診の目安
周りの人にはなかなか聞けない産後のトイレの悩み。産後のママの多くは同じ症状に悩んでいたので「自分だけ?」と心配しなくても大丈夫です。妊娠中から続くものや、出産によってもたらされるものなど産後のトイレの悩みは尽きません。「本当に治るの?」「病院に行く目安は?」など、気になる疑問についてお答えします。
産後ママにおこるトイレの悩みとは?
トイレで排尿するとしみる!会陰切開の悩み
産院によって会陰切開をやる場合とやらない場合がありますが、初産の場合では約7割のママが経験するようです。会陰切開の痛みは、切開するとき、縫合するときよりも、その後の排尿や座ったときなどのほうが気になります。
自分では見えないことや、「大事な部分を切られた」という怖さからも痛みを強く感じることが多いようです。産後しばらくはトイレの後に切開部分を清浄綿で拭くなどの処置が必要です。
トイレで排便が怖い!痔の痛み
痔の原因は妊娠時から続く便秘や血行不良、そして出産時のいきみによる肛門への負担が主なものです。痔の種類としては「切れ痔」と「いぼ痔」がほとんどで、痛みがひどいものからほとんど気にならないものまで症状は様々です。
切れ痔になると、排便のたびに鋭い痛みがあったり、出血したりしてトイレが怖くなりますが、そのことがさらに便秘を悪化させる原因にもなります。いぼ痔の場合、肛門の外側にできる「外痔核」は常に痛みがあるのに対し、肛門の内側にできる「内痔核」は悪化するまで症状がほとんどないのが特徴です。
トイレが間に合わない!尿漏れや頻尿の悩み
尿漏れの症状は気持ち的にも不安が大きくなるので、そのことが気になり頻尿が悪化してしまうこともあります。中にはしばらく尿漏れパッドが手放せなかったというママもいるようです。
膀胱付近の神経は産後徐々に回復していきますが、骨盤底筋の衰えによる排尿トラブルは正しいケアをして正常な動きを取り戻すことが大事です。
産後のトイレの悩みは時間がたてば治るの?
会陰切開の痛みは自然と治ることが多い
抜糸をする時期は、医師がきちんと回復していることを確認してから行うので医師の判断を待ちます。それまで痛みが強いと感じていた人も、抜糸後に楽になることが多いので抜糸の痛みは少し我慢しましょうね。
溶ける糸を使った場合は、術後1カ月程度でなくなることがほとんどです。万が一引っ張られるような痛みが強く、糸が溶けるまで待てないと感じるときは抜糸もできますので、早めに病院に相談しましょう。
痔は悪化させないことが大切
産後、母乳育児をしている人は体の水分が奪われがちですので、意識して水分を取らないと便がますます固く、排便しにくくなってしまいます。切れ痔では、硬い便をだすときに肛門に負担がかかるため傷が回復しないうちにまた切れてしまうことに。
腸内環境をよくし、便を柔らかく、スムーズに排便できるように食生活から見直すなど根本的な解決を目指すことが大事です。また、冷えや血行不良が痔の回復を遅らせますので、毎日の入浴や軽い運動なども心がけましょう。
頻尿や尿漏れは骨盤体操をしてみよう
尿漏れ改善のための骨盤体操の、最も簡単なものが、おしりの穴をキュッと締めるように意識することです。息を吸いながらゆっくりおしりの穴をお腹の中に引き上げ、吐きながらゆるめます。1回2分、1日5セットを3カ月以上続けます。
排尿の途中におしっこを止められるかどうかが、骨盤底筋が正常に働いているかを知る目安になります。ただし、排尿のたびにチェックすることは尿道に負荷がかかるので避けましょう。
病院を受診したほうがいいのはどんなとき?
痛みがつらいときは我慢しないで受診しよう
会陰切開の傷は、化膿すると痛みや腫れがひどくなり、トイレに行くことや座ることもままならなくなってきます。痛みが1カ月以上続く場合や発熱もともなっているときは速やかに病院に行きましょう。
産後の痛みは身体だけでなく、大きな心の負担にもなります。ママが笑顔でいられないと赤ちゃんも悲しい気持ちになるかもしれません。
痛みがつらいときは我慢しないで病院に行きましょう。