マタニティ用の礼服は早めに準備を!礼服の選び方と参列時のマナー
妊娠中の結婚式への招待や突然の訃報。冠婚葬祭の場は、マナーが求められるからこそ「妊娠中は何を着ればよいのか」「手持ちの洋服で代替可能なのか」「妊婦が参列する際に気をつけることがあるのか」と悩みますよね。妊娠中の礼服や参列の際に気をつける点、おさえるべきマナーについてご紹介します。
「礼服」と「喪服」の違いについて
礼服とは冠婚葬祭で着る正式な服装のこと
「正礼服」は、慶事の場合に新郎新婦や両家の両親、仲人、主賓が着用し、弔事の場合は葬式を執り行う喪家の方が着るものです。「準礼服」は、慶事の場合にはパーティドレス、弔事の場合には黒無地のワンピースやアンサンブルなど、いずれも参列者が主に着用します。
「略礼服」は平服ともいわれる、結婚式の二次会や入園式や卒園式などの行事でも着用できるセレモニースーツ、ワンピースなどです。色を選べば、急なお通夜や自宅への弔問でも着用可とされています。
喪服とは礼服の種類の一つ
喪服にも「正」「準」「略」といった格式があります。故人に近い立場である喪主や喪家が着る「正喪服」は、黒紋付など和服が中心。「準喪服」は、黒のワンピースやアンサンブル、スーツなど、一般的に「喪服」「ブラックフォーマル」とよばれる洋服です。
「略喪服」は、故人の知人という立場であれば、急なお通夜や自宅への弔問など葬儀以外の場でもよしとされる服装です。グレーや紺など落ち着いた地味な色であれば、黒でなくても問題ないとされます。ただし近年では、葬儀・告別式の代わりにお通夜に参列する人の割合が増えているため、お通夜でも「準喪服」での参列が無難でしょう。
礼服の代わりに黒のワンピースでも大丈夫
妊婦の場合、マナーを押さえていれば、礼服でなくてもよいとされているので安心してくださいね。弔事の服装で、配慮が必要なのは「色」「露出」「光沢感」です。
服の色は、黒がベストですが、急なお通夜や自宅への弔問時であれば、紺、グレーなど落ち着いた地味な色味でもよしとされています。お悔やみの場なので、肘が隠れる長袖や、座ったときにも膝頭がのぞかない膝下丈のスカートを選び、肌の露出を控えましょう。
また、弔事では、キラキラと光沢がない服装であることもマナーとされています。素材や丈にさえ気をつければ、礼服でない黒のワンピースでも充分対応可能ですよ。
マタニティ用の礼服と安全な靴の選び方
妊娠時期に合わせて礼服を選ぼう
妊娠初期(3〜5カ月)は、まだお腹がさほど大きくないため、マタニティ用の服だとお腹が強調されすぎて、野暮ったく見える可能性があります。お腹周りがゆったりした通常の洋服がおすすめですよ。
妊娠中期(6〜7カ月)は、お腹やバスト周りなど、日々の体型変化が大きい時期なので、ゴム入りやウエストをリボンでしばるタイプなど、ある程度サイズ調整ができると安心です。
妊娠後期(8〜10カ月)には、かなりお腹が大きくなります。着心地も脱ぎ着も楽な、ゆったりとした柔らかい素材の服がよいでしょう。スカートの裾が大きなお腹につられて短くなることも考慮した上で、やや長めの丈を選ぶと安心ですね。
購入とレンタルのメリットとデメリット
フォーマルウェアの「レンタル」はいかがでしょうか。購入すると数万円するブランドや高品質の礼服が5,000~10,000円ほどでレンタル可能です。即日発送や葬儀場へ送ってくれるショップも多く、急な弔事にも対応しやすいでしょう。
同じくらいの予算で「購入」を選択するのなら「しまむら」のブラックフォーマルがおすすめ。通常サイズに加え、15〜23号と大きめのサイズもあり、妊娠中でもサイズが合わせやすいのが特長です。商品を実際に見た友人ママによると「しっかりした生地で安っぽさがなく、品質的にも充分と感じた」といっていましたよ。
足元は安定感のあるフラット靴を選ぼう
しかしながら、マナーはおさえておきましょう。弔事の際、足元は「黒の革(もしくは合皮)」「つま先が空いていないもの」「装飾やラメがついていないもの」がマナーです。
なお、黒のストッキングを合わせるのが一般的ですが、普通のストッキングでは腹部への締め付けが強いため、妊婦は「黒のマタニティタイツ」を代用してもよいでしょう。ただし、こちらも飾りや光沢のないシンプルな無地のものを選びましょう。
妊娠中に葬儀へ参列した友人ママは、黒のマタニティ用ズボンにソックスタイプの黒ストッキングを合わせたと話していましたよ。
お葬式へ参列する場合のマナーや注意点
葬儀へ参列する前に確認しておくこと
ですが「つわりが重い、においに敏感」「体調がおもわしくない」「臨月でいつ産まれてもおかしくない」など、周囲に心配や迷惑をかけてしまう可能性があるなら、お葬式への参列を控えるほうがベターです。体調に問題がなく参列する場合にも、周りの数名に妊娠中であることを伝えておきましょう。
また、体調が安定していても、地域やご遺族の意向で妊婦の参列は控えるべきだというケースもあります。特に地方では、昔からの慣習を重視する傾向があるので、心配な場合には事前にお伺いを立てるとよいでしょう。