母乳はいつまであげても大丈夫?赤ちゃんの栄養源として必要な年齢も
昔は1歳くらいまでにおっぱいをやめる「断乳」が一般的でしたが、今は赤ちゃんがおっぱいから離れるのを待つ場合も多くなりました。多様化する考え方の中で母乳はいつまでがよいのかと悩むママもいます。今回は世界と日本の授乳期間の違いや先輩ママが母乳をやめたきっかけ、母乳の栄養などについてご紹介します。
母乳をあげる期間は世界でも様々
日本の授乳期間の平均は1歳前後
2014年に出版されたベネッセコーポレーションの「育児新百科」に記載されている授乳を終えた時期の調査では、1歳になる前に断乳した子は24%ほどで、そして1歳0カ月~1歳2カ月が39%、1歳3カ月~1歳5カ月が14%、1歳6カ月~1歳11カ月が16%でした。
2歳0カ月~3歳11カ月は7%と、2歳以降に授乳を終えた子は1割に満たず、1歳代が約7割を占めました。この調査結果からは、日本では断乳や卒乳の時期は1歳前後が多いことが分かりますね。
海外では就学前まで授乳しているケースも
アメリカでは1歳以降の授乳は子どもが欲しがるならば続けるママもいますが、早くにやめるケースもあります。フランスでは日本と同様、長く授乳しているとやめるように言われる場合があり、1歳前後で授乳を終えることが多いそうです。
世界保健機構とユニセフによれば、授乳を終える時期の世界の平均は4.2歳だといわれます。日本と同じくらい短い国もあれば、もっと長い期間が一般的な国もありますが、世界的に見ると日本は授乳期間が短いのかもしれませんね。
世界保健機関では2歳までを推奨
離乳食は子どもの栄養源をおっぱいから食事に移行し離乳を促すものであるのに対し、WHOでは赤ちゃんや子どもの食事を「補完食」と呼んでいます。母乳と補完食のどちらも子どもの栄養を支える大切な食事と位置づけていて、離乳を促すものではないのです。
また、2~6歳くらいまでは免疫が発達途中です。しかし赤ちゃんだけでなく幼児期の子どもも母乳を飲むことで免疫力が補われるという考え方からも、2歳までの授乳を推奨しているのです。
ただ、強制しているわけではありません。授乳を終える時期は、赤ちゃんとママのペースやタイミングで決められますよ。
先輩ママが母乳をやめたきっかけは?
食事から栄養を摂るようにしたかった
あるママは、1歳を過ぎた子どもがほとんど離乳食を食べずおっぱいばかり飲んでいたので、思い切って断乳をしました。最初の1日はひたすらおっぱいを欲しがりお茶しか飲まなかったものの、次の朝からはたくさん離乳食を食べ始めたそうですよ。
その子はおっぱいで満腹になっていたため食事が食べられなかったのです。そしておっぱいに執着していても、少しずつ飽きてきたころだったのではないかとママは言っています。
下の子の妊娠をきっかけに断乳を決意
しかし妊娠中も授乳し続けても問題なく出産するママもいて、授乳により必ず流産するわけではありません。けれども授乳するとお腹が張ったり出血したりするママは、授乳を中止して早めに産婦人科を受診することをおすすめします。
切迫流産などの可能性もあります。そうでなくても、お腹の赤ちゃんのために授乳に関して医師の指示を仰いだ方がよいですよね。
実際、下の子の妊娠を機に断乳するママは多くいます。妊娠して母乳の味が変わることもあり、自然に子どもが飲まなくなるケースもありますよ。
仕事の復帰で母乳をやめるママも
日中仕事をしているのに夜に何度も起きて授乳すると、体力面で負担が大き過ぎる場合もあります。保育園で母乳を許可されても搾乳する時間がないかもしれませんよね。
子どもによっては断乳で精神的に不安定になる子もいます。そのため、仕事復帰の前から数カ月かけて段階的に断乳をするママもいますよ。
あるママは仕事復帰後、朝晩授乳して昼間は保育園ではミルクという生活を続けるうちに自然に卒乳したそうです。1歳くらいで復帰する場合は、極力離乳食を進めて母乳を飲む回数を減らしたという声もありますよ。