母乳はいつまであげても大丈夫?赤ちゃんの栄養源として必要な年齢も
母乳の栄養や幼児に与えるメリットは?
母乳の栄養が減るということは都市伝説
新生児のころの「初乳」には細菌やウイルスから体を守る抗体やミネラル、ビタミンが多く、胎便を出すための下剤の役割もします。約1カ月後に出る成乳にも、赤ちゃんの成長や発達によいタンパク質や糖質、ミネラル、ビタミン、酵素などが含まれ、これらの成分はその後もほぼ一定の値で保たれると考えられています。
母乳の栄養がなくなるから長く授乳する意味はないというのは、正しいとはいえません。ただ成長とともに必要とする栄養が増えるので、だんだんと食物からの栄養も摂る必要がありますよね。
母乳期間が長ければ長いほど免疫力アップ
母乳を続ければお腹の中でもらった免疫が切れた後も赤ちゃんは抗体を受け取ることができます。赤ちゃんが熱を出したときに何度も授乳すれば抗体を受け取れるため回復がスムーズなケースもありますし、体調が悪くなにも口にできなくても母乳だけは飲める子も多いですよね。
ママが風邪を引いたときは母乳に風邪の抗体が含まれるため、それを飲んだ赤ちゃんは抗体を受け取れます。母乳期間が長いほど子どもはママからさまざまな抗体を多く受け取り、免疫力がアップしやすいのです。
幼児期まで与えても母乳は心身の成長剤!
母乳が好きな子は、おっぱいを飲むと安心するケースがあります。たとえば2歳前後のイヤイヤ期は子どもは自己主張が激しくなり、要求が通らないと泣き叫んだりすねたりすることがありますよね。
ママもつい感情的に叱る場合もあります。そんなときでもおっぱいを飲めば子どもの気持ちが落ち着き、ママに叱られても引きずるケースが少ないです。
授乳で親子がスキンシップをすれば愛情が深まりますよね。母乳育児を長く続けるのは甘やかしだという声がありますが、幼いころたくさんスキンシップをして甘えた子の方が心が健全に成長し自立が早いともいわれますよ。
母乳がやめられない子どもの気持ち
どっちかな?味が好きと吸いつきたい
二つの違いがあまり分からないかもしれませんが、前者は味の違いを敏感に察知するので乳腺炎になって母乳の味が変わったり、体調不良で母乳がでなかったりすると怒りだすこともあるそうです。そして、後者は母乳が出ていなくても意地でも吸い続けるので、卒乳まで時間がかかりそうですよね。
「我が子はどっちかな?」と思いながら観察してみると面白いかもしれませんね。
安心感と肯定感を構築している
卒乳はある意味、安心感と肯定感が十分得られ、子どもが「もう大丈夫!」と思ったときに訪れると考えることができます。でも、ママの育て方とは関係なく、子どもそれぞれに安心感と肯定感が充実するスピードが違うのかもしれません。
ずーっとおっぱいを吸っていたい子どもが必ずしも愛情不足を感じているということではなく、ほかの子よりもゆっくりとママとの信頼関係を育みたいのかもしれませんよね。子どもの方から「もうおっぱいはいらない」と言われることが、どんなに素晴らしいことか気がつきます。
ママの助けになりたいと思っているかも
そこで、つい子どもにはまだ授乳による愛情表現や安心感、肯定感の構築が必要だから継続するという考えに至ってしまいがちですが、ある心理セラピストは、子どもがママの孤独や不安を感じ取って授乳を継続し、助けようとしていることもあるのではないかと言っています。
ママがひとりで寂しくないように「そばにいるよ」という子どもからのメッセージだというのです。なかなか卒乳が進まないというママは、一度自分の中にネガティブな感情がくすぶっていないか考えてみてください。
ママが「もう大丈夫」と感じている自分に気づいたころ、自然に卒乳を迎えるかもしれないですね。
まとめ
反面、離乳食をほとんど食べずに子どもの成長が心配だったり、下の子を妊娠したり、仕事復帰をしたりするために早めに授乳をやめるママもいますよ。必ず2歳まで授乳を続ける必要はなく、授乳期間は子どもやママの事情やペースで決めてよいのです。
とはいえ母乳を長期間飲めばたくさんの免疫を受け取れます。親子のスキンシップもできる母乳育児をできる限り長く続けるとよいかもしれませんね。