【第3回】音から言葉へ!子どものオノマトペから会話を楽しもう
赤ちゃんは、お腹の中にいる時から人の声や環境音などの「音」を聞き、成長する中でいろんな言語を聞き、だんだん言葉を発するようになります。今回は、誰もが使っている擬音語や擬態語などの「オノマトペ」と子どもについて、椙山女学園大学の石橋先生にお話をお伺いしました。
普段から誰もが使っている「オノマトペ」
オノマトペってどんなもの?
「オノマトペ」はフランス語の「onomatopoeia(オノマトペア)」からきている「擬声語」を指す言葉で、「ザーザー」「ワンワン」「どんどん」などの音響を言語化した「擬音語」「キラキラ」「フラフラ」など、直接音とは関係がない状態を描写する「擬態語」の総称です。
古くは古事記の時代から使われており、日本語表現では欠かせない言葉になっていて、オノマトペを使わずに会話をしてみてと言われると難しいくらいです。
オノマトペはニュアンスが伝わりやすい
日本語のオノマトペ表現と英語表現を比べてみると、その特徴がわかりやすいです。実際に「笑う」という単語を英語と日本語で見てみましょう。
smile/にっこりと笑う
laugh/ワハハと声に出して笑う
giggle/クスクスと笑う
英語の場合、笑い方に合わせて「単語」が決まっています。日本語の場合、「笑う」の前に、状態や様子を表すオノマトペをつけることで表現できます。「にっこり」「ワハハ」「クスクス」など、行動や様子をそのまま言葉にしているので、どんな様子なのかわかりやすいですね。
行動・様子、動作・状態以外をそのまま言葉に置き換えたオノマトペは「感覚言語」と呼ばれています。
単語がわからなくても伝わりやすく、また年齢関係なく使用することができます。話し始めたばかりの子どもなど、知っている言葉が少なくても、大人に自分のことを伝えたり、大人が言うことやその世界を共有しやすいのです。
子どもが話すようになるまで
「音」の響きや雰囲気を感じる
赤ちゃんは6ヶ月頃から耳が聞こえていて、お腹の中でいろんな音を聞いています。この時期は「聞くこと」が中心です。赤ちゃんは言葉を話しだすまで、いろいろな言葉を「音」として聞き取り、どんどん記憶していきます。
人の声は言語としては認識していますが、脳が十分に発達していないため意味などはわかっていません。ただ、ママが聞いて心地いいと思う音や優しい声、嬉しいことなどの感覚は感じ取っていると言われています。
オノマトペや喃語での会話が始まる
1歳半〜3歳の頃は脳の発達が進み、声を意味のある言語として認識するようになります。
日常生活でよく使う言葉や短い言葉、必要な言葉などを、繰り返し聞き覚えていくことで定着していきます。自分と他者、モノをそれぞれ認識できるようになるので、見たもの、聞いたこと、教えてもらった言葉がリンクし、どんどん言葉を覚えていきます。
やがて言葉を発するための口の周りの準備が整ってくると、周りのマネをして話しはじめます。この頃になると「まんま」「まーまー」などの喃語とともに、発音しやすい「ブーブー」などのオノマトペを話すようになります。