【第3回】音から言葉へ!子どものオノマトペから会話を楽しもう
会話の楽しさからたくさん話すように
子どもは、話したことに対して、家族が喜び、褒めてくれたことで、もっと話したいと感じ、さらに話すと繰り返しながら、どんどん話ができるようになっていきます。
語彙力も増えるので、どんどん会話も広がります。やがて自分の意見や言い分を話せるようになり、それが通じる喜びも感じます。実は、親が悩まされる「いやいや期」「見て見て期」「なんでなんで期」は、この「話すこと」「伝えること」を十分にやりたいと思っている証拠なのです。
自分が話すことに対して、親や大人が答えることでさらに言葉を増やし、言葉で自分を表現する力を育んでいきます。さらに周りの大人がしっかり向き合って話してくれる、ちゃんと受け止めてくれる安心感が、子どものコミュニケーション力を育みます。
オノマトペでスムーズになる子どもとの会話
子どもの話すことがわかる
オノマトペは年齢に関係なく使うことができるため、誰とでもコミュニケーションができます。特に幼い子どもの言うことがわからない時も、オノマトペが理解するきっかけになります。
例えば「ぶーぶー」というオノマトペについて、子どもはいろんなことを伝えていたという例があります。子どもが話した言葉とママがその時に受け取った解釈は下記の通りです。
・ぶーぶーしたい→(車の)おもちゃで遊びたい
・ぶーぶー行く→(買い物に)でかけたい
・ぶーぶー来た→パパが帰ってきた
普段一緒に過ごし、話しているママだからこそ、こうして子どもの意思を読み解くことができるのだと思います。子どもが話すオノマトペを、どう意味なのかなと考えることが親子のコミュニケーションに繋がっていきます。
子どもとたくさんお話しよう
子どもには正しい日本語を、と気にされるパパやママもいるかもしれませんが、日本で生活している限り、オノマトペに触れない生活はほぼありえません。どんな発見も会話のきっかけにすることができますよ!
公園を散歩する中なら、「落ち葉が"カサカサ"音がするね」「木が"ザワザワ"しているね」などの自然の様子が感じられます。
「水が"ざあざあ"出てくるね」「火が"パチパチ"するね」など遊びやお出かけの中で見つけてみるのも楽しいです。
いろんなところでオノマトペを見つけながら、いろんな話を楽しんでみてください。
大人が気をつけたいこと
大人が使う言葉を聞いて、子どももその言葉とニュアンスなどを覚えていきます。小さいうちはいろんな言葉でいろんな表現をすることがよく、大人の言葉の広さが子どもの言葉の広がりにつながります。
あまり会話が得意じゃない人も、例えば絵本を見たり、子どもとの会話で自分の思ったことを素直に話してみたり、いろんな人と会話をしてみましょう。大人もそうすることで言葉が増えていきます。
言葉に乗って、信頼や愛情、子どもへの思いも伝わりますし、親の言葉を通じて、その表現の豊かさも子どもに伝わります。だからこそ子どもとしっかり目を合わせて、いろんな会話を楽しむ機会を作ってみてください。
まとめ
「子どもは親が気もそぞろに話を聞いてるのはわかってしまいます。大人も子どもと向き合って会話することが大切なんです。」と石橋先生。
オノマトペを読みとくことで子どものことがわかり、大人の言いたいこともある程度伝えられると聞いて驚きでした。身の回りにたくさんある「オノマトペ」を通じて、子どものとの日々のコミュニケーションをもっと楽しんでみてください。
監修
椙山女学園大学教育学部子ども発達学科教授。子どもの発達心理、「ことば」であるオノマトペを通じた子どもの理解などの研究を行っています。
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