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へその緒は海外では保管しない?日本とは違う産後の処理や扱い方

へその緒は海外では保管しない?日本とは違う産後の処理や扱い方

出産後、病院を退院するときに「へその緒」を記念品として受け取ったというママも多いのではないでしょうか。日本では古くから「母と子の絆を象徴するもの」としてへその緒を保管する習慣があります。一方、海外ではへその緒を保管する習慣は存在しないようです。今回は日本と海外の「へその緒文化」を紹介します。

海外とは違う日本のへその緒文化

保管は日本特有の慣習

日本ではへその緒を保管する習慣があり、子どものころ自分のへその緒を見せてもらったことがあるパパ・ママもいるのではないでしょうか。

へその緒を保管する習慣がいつから始まったのかは不明ですが、松尾芭蕉が「古里や へその緒に泣く 年の暮れ」という句を残しています。これは、母親を亡くした芭蕉が保管されたへその緒を見つけて詠んだ句です。

また、江戸時代の育児書である「婦人養草(ふじんやしないぐさ)」にはへその緒を保管する方法が記述されています。へその緒を保管する習慣が江戸時代にはすでに存在していたということですね。

一方、欧米にはへその緒を保管する習慣がありません。東南アジアではへその緒を保管する国がありますが、世界的には珍しい習慣といえそうです。

保管していたへその緒の最後はどうする?

へその緒を保管しているママは多いものの、最後はどうすればよいか悩んでしまいますね。保管していたへその緒をどうするかは地域などによって違いがあるようです。

「死んだときに自分自身のへその緒を棺に入れてもらう」という地域は多く、結婚して家を出るときにへその緒をもらったというママもいます。へその緒を持っていると、死後の世界で迷うことなく母親に会うことができるといわれているそうです。

また、「母親が死んだときに子どものへその緒を棺に入れる」という地域もあります。

死後裁きを受けるとき、へその緒を持っていると「素晴らしい行いをした」「生きているうちに大きな苦しみを受けた」として罪が軽くなり、極楽に行けると考えられているようです。

昔は薬とされていたへその緒

へその緒は棺に入れることがあるほか、航海や漁のお守りとして持たせる、子どもが母親のもとに帰るよう保管しておくなど「お守り」として使われることが多いようです。

また、昔は「赤ちゃんが大病にかかったら、へその緒を薬として飲ませる」という言い伝えがありました。中国で1世紀ごろに書かれた薬草古典「証類本草(しょうるいほんぞう)」にも生薬として記載されているそうです。

へその緒を薬として使うことは現代の日本ではありませんが、へその緒のなかにある「臍帯血(さいたいけつ)」が白血病治療などに活用されています。

保管されているへその緒は乾燥しているため臍帯血のような機能はありませんが、「へその緒が薬になる」というのは、あながち間違いではないのかもしれません。

色々な選択肢があるへその緒の切り方

欧米で人気のあるロータスバース

日本では赤ちゃんが生まれたときにへその緒を切るのが一般的ですが、欧米ではへその緒を切らずに胎盤と赤ちゃんが繋がったままにする「ロータスバース」が人気を集めています。

ロータスバースのメリットは、へその緒を切るハサミから細菌などに感染するリスクが低くなることに加え、胎盤やへその緒に残った血液や栄養を赤ちゃんに送ることができるということです。

赤ちゃんについたままの胎盤は専用の袋や布で包んで置いておきますが、3~10日すると乾燥して取れてしまいます。

「へその緒を切るのを3分間遅らせると、鉄分不足による貧血を起こすリスクを避けられる」という研究結果もあり、アメリカではへその緒はゆっくり切ることが推奨されているそうです。

バースプランでへその緒の処置を考える

バースプランではパパの立ち会いや分娩時の姿勢などのほか、へその緒の処置をどうするかを考えることも可能です。

立ち会い出産可能な病院ではパパがへその緒を切ることができることもあります。へその緒を切ることで出産の現場に参加するとパパになった実感が湧くのではないでしょうか。

また、事前に伝えておけば赤ちゃんから切り取ったへその緒や胎盤を見せてもらえることもあります。およそ10カ月間、赤ちゃんと自分を繋いでいたへその緒を見て感動したママもいるようです。

さらに、へその緒を切らないロータスバースを受けつけている病院もあります。ただし、日本でロータスバースができる病院は少ないので、希望する場合は事前に調べておいた方がよいでしょう。

医師以外がへその緒を切る場合

近年、パパがへその緒を切るバースプランが人気を集めていますが、日本産婦人科医会は「違法となりかねず、推奨しない」という見解を出しています。

しかし、諸外国では家族がへその緒を切るのは一般的です。このことから、現在は「医師の責任で、家族の十分な理解を得て行われるべき」となっています。

「初めてへその緒を切ったとき、手が震え頭が真っ白になった」という助産師さんもいますので、専門的な知識や経験がないパパにとっては大きなプレッシャーになりそうです。

また、医師が立ち会っていないときにへその緒を切ると感染や出血の恐れがあって危険です。万が一、自宅やタクシー内などで赤ちゃんが生まれたときは、へその緒を切らずに病院に向かいましょう。

驚き!海外での保管以外の扱われ方

保管依頼をしないと捨てられてしまうことも

へその緒を保管する習慣がない欧米諸国では、へその緒を保管してくれるよう依頼していないと捨てられてしまうこともあります。

アメリカで出産したママのなかには、新生児集中治療室に入院している娘のへその緒がなくなっていることに気づき、「へその緒はどこですか?」と聞いたところ、看護師から「取れたから捨てた」と言われた方もいますよ。

また、へその緒が欲しいと伝えたとしても、赤ちゃんから取れたへその緒ではなく胎盤から切り取ったへその緒を渡されることもあります。へその緒が乾燥していない状態の場合、自分で乾燥させなくてはなりません。

なかには「30cmはある冷凍状態のへその緒」を渡されたママもいるようです。長すぎて困ってしまいますね。
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