抱っこで寝る赤ちゃんを上手にお布団へ!起こさずに移動させるコツ
赤ちゃんは、抱っこでよく寝てしまいますよね。その寝顔を見ると可愛いですが、段々重たくなる赤ちゃんをずっと抱っこはママが大変です。そこで、赤ちゃんをお布団に寝かせた途端に目を覚ましてしまったなどという経験はありませんか?今回は、寝た赤ちゃんをお布団へ上手に移動するコツをご紹介します。
赤ちゃんは抱っこでねんねが大好き
抱っこでゆらゆらはリラックス効果がある
これは、大好きなママに抱っこされて安心、嬉しいというだけではなく「輸送反応」という本能でもあったのです。「輸送反応」とは、親に運ばれて移動する際、敵に見つからないようじっとおとなしくしているという、哺乳類の赤ちゃんに備わった本能です。人間の赤ちゃんにもあるため、抱っこで移動することで大人しくなるのですね。
リラックス効果については、理化学研究所が次のような実験結果を発表しました。
まず共同研究グループは、生後6カ月以内のヒトの赤ちゃんとその母親12組の協力を得て、母親に赤ちゃんを腕に抱いた状態で約30秒ごとに「座る・立って歩く」を繰り返してもらいました。この時の赤ちゃんの行動を映像で、生理的反応を心電図で記録しました。その結果、母親が歩いているときは座っている時に比べて、赤ちゃんの泣く量が約10分の1、と自発運動の量が約5分の1に低下し、心拍数は母親が歩き始めて約3秒程度で顕著に低下しました(図2)。これらの結果から、母親が赤ちゃんを抱きながら歩くと、赤ちゃんがリラックスすることを科学的に証明しました。
ママの匂いと温かさでさらに安心に
ママにぴったりと抱っこされた赤ちゃん、可愛らしく微笑ましいですね。生まれたばかりでまだ歩けない赤ちゃんにとって、ママの抱っこは温かく、安心を与えてくれるとても大切なものなのです。
ママに抱っこされている赤ちゃんには、ママ自身には分かりにくい匂いや体温が伝わります。赤ちゃんにとってママは自分を保護してくれる存在です。その匂いや温かさが安心を生み、ゆらゆらと揺れる心地よさが眠気を誘うのでしょう。
抱っこでねんねは1歳前後まで続くことも
赤ちゃんにも個人差があるので、いつから抱っこなしで寝られるとはいえませんが、大きくなるにつれて運動量も増え、行動範囲も広がっていきます。すると、体力の限界がきて、抱っこしなくてもパタンと眠ることも出てきます。
ですから、抱っこしなければ寝ない大変な時期は、きっとあと少しですよ。長くて1歳前後までかかる赤ちゃんもいますが、いずれにせよ永遠ではありません。苦しい時期ではありますが、可愛い赤ちゃんとの愛しい時間を大切に乗り切りましょうね。
重くなる赤ちゃんをずっと抱っこは大変!
赤ちゃんが寝ると重く感じる
起きて抱っこされているときは、赤ちゃんもママの体にくっつきながら、抱っこされやすいようにとか、落ちにくいようにと自分でバランスを取って支えているのです。ところが寝てしまうと赤ちゃんは体をママに任せきりになり、ズルズルと落ちてきます。ママはそれを支えながらの抱っこになるので、起きているときよりも重く感じるのです。
抱っこの体勢にも注意して赤ちゃんを支えなければならないので、ママには大きな負担がかかるというわけですね。
布団に置いたら起きてしまう背中スイッチ
抱き方を変えたり、歩き回ったり、子守唄を歌ったり、あれこれ手を尽くしてようやく赤ちゃんを寝かしつけたママ。いざお布団へ赤ちゃんを寝かせた瞬間、さっきまでぐっすり寝ていたはずなのに、なぜかパッチリと目を覚まし「ぎゃあ~」と泣き出した、などという話はよく聞きますよね。
抱っこで寝かしつけた赤ちゃんをお布団へ寝かせた瞬間に目覚めてしまう、このようなことを「背中スイッチ」と呼ぶのを聞いたことがありませんか。この背中スイッチが作動すると、そのままでは寝てくれず、また抱っこからやり直しなので、ママはクタクタになってしまいますよね。
寝ている間にママは家事もしたい
赤ちゃんがすんなり寝ついてくれれば、眠っている時間を家事やママ自身のために使えますよね。早く寝てほしい、時間が欲しい、と切望しているママは多いことでしょう。上手に寝かしつけができれば、赤ちゃんが寝ている間ママは家事をしたり、ゆっくり休んだりできますね。自由に使える貴重な時間となります。
起こさずに上手に布団へ移動させるコツは?
布団には頭からお尻の順番で着地させよう
ポイントは、頭からお尻の順番で着地させることです。頭を置いて支えていた手を抜き、背中、お尻、と置いてみましょう。赤ちゃんがぐずりそうならそっと手を抜きながらお尻をトントンすると落ち着きますよ。すぐに起きてしまう赤ちゃんは、お尻を置いたらしばらく手を添えていてあげると眠りにつきやすいようです。
タオルなどに包んだ状態で寝かせて移動
特に、温度差に気をつけることがポイントですよ。温かく包まれた抱っこの状態から、そのままお布団へ寝かせると敏感な赤ちゃんは、布団の冷たさで目を覚ましてしまうかもしれません。
タオルやおくるみで包んだ状態で抱っこして寝かしつけ、そのまま布団へおろしてみてください。包まれたままなので温度差が少なく、目が覚めることが少ないようです。ただ、赤ちゃんも寝ながら動くので、タオルなどが顔にかからないように注意しましょうね。
頭の位置を高くして抱っこに近い状態に
赤ちゃんの頭の位置を高くして寝かせると、抱っこされているときと体勢に変化が少ないため、効果的です。お布団の頭の方に、タオルを丸めたり、折り畳んだりして高くする方法や、授乳枕やCカーブ授乳クッションなどの上に寝かせる方法などがありますよ。
いずれの方法を使うにせよ、静かに、かつスピーディに寝かせることがポイントです。時間をかけていてはママが体勢を崩す可能性がありますよ。