なぜ子どもは大声を出す?奇声の理由と対応、発達障害との関連
子どもは感情が高ぶると大声を出すことがありますね。人前だと親の方が周囲への迷惑をを恐れ、やめなさい!と怒ってしまうケースも。大声や奇声がひんぱんだと「うちの子、何かおかしいのでは?」と不安になるママもいます。今回は子どもが大声を出す理由と対処法、発達障害との関連について説明します。
子どもが大声を出すのはなぜ?主な理由三つ
興奮してテンションが上がっている
うまくいかないことへの不安やストレス
たとえばお風呂場でお湯のかけっこになったとき、ママは「お湯がもったいない」などと後先のことを考えます。しかし子どもは楽しくてテンションが上がると、いろいろな事情はおかまいなしで夢中でお湯を飛ばしますよね。
外に出ればなおさらです。楽しそうなショッピングモールやふだん乗らないような電車に乗れば、ワクワクして興奮のあまり騒いでしまうのです。人の迷惑にならない場所ならばまだよいのですが、人がたくさんいるような場所だと、ママは子どもにいい聞かせたり場所を移動したりと、周囲への配慮が大変ですよね。
「キー!」という不機嫌な金切り声をあげられると、わが子ながら不快に感じることがありますが、それが子どもの気持ちなのです。ストレスがあるときは大声だけでなく、床にひっくり返って泣いたり、物を投げたり、ママを蹴ったりしてかんしゃくを起こすことがあります。
自我が発達してくる2歳くらいでは、思いどおりにならない、上手にできずに悔しいという気持ちが強まります。けれどもそれを言葉でいいあらわす表現力が育っておらず、大声をあげることで精一杯なのかもしれません。
かまってほしい、周囲の気をひきたい
下の子が生まれた、ママが仕事や家事で忙しいなど、子どもはかまわれていないと感じると、大声をあげて自分の存在を示すことがあります。大声はママに対してだけではありません。
頑張っているのにほめてもらえない 自分の気持ちをママに認めてもらえないという満たされない気持ちを抱えていると、子どもは叱られてもよいから周囲の注目を集めようとします。幼稚園などで大声をあげたり、いたずらをしたりして先生を困らせてしまう子は、もしかしたら認めてもらえないさびしさを感じているのかもしれませんね。
子どもが大声を出すときの対応のコツ
怒らずに子どもの気持ちに寄り添った対応を
不安やイライラなどで大声をあげているときは、気持ちを和らげるように抱きしめて「もっと遊びたかったよね」などと子どもの気持ちに共感してあげましょう。
話ができる年齢や状態なら「なにが嫌だった?」などと尋ねてみてもよいですね。その上で大声を出してはいけないことを子どもの目を見て、感情的にならずに説明します。
気持ちを落ち着かせられたら「がまんして静かにできたね。えらかったよ」とほめましょう。小さな子は、興味をひくようなもので気をそらせると声が止むことがありますよ。
外出のときには前もってルールを確認し合う
ルールを確認しても外で大声をあげ始めたら、すぐに「約束はどうだっかな?」と子どもが自分でルールを思い出せるように声かけをしましょう。我に返って約束を守ろうとしますよ。小さな子には「ありさんの声」「ぞうさんの声」などと日頃から声の大きさのゲームをしていると、外出先では「電車ではありさんね」と楽しんでルールを守れますよ。
注意しても約束が守れない場合、楽しいお出かけを中断することもときには必要かもしれません。ママがぶれずに約束は守ることを伝えることが大切なのです。
運動や遊びでストレスを発散させる
最近は遊ぶ場所が少ないこともあり、思いきり体を使って遊ぶ機会が減っています。しかし運動をすると、精神が安定し幸せを感じる「セロトニン」や「エンドルフィン」というホルモンが分泌されるのです。
ストレスに対処し気持ちをコントロールできない子どもにとって、体を使う遊びや運動は大切なストレス解消法です。パパやママが一緒に楽しく遊ぶと、子どもは体だけでなく心も満たされて、大声が落ち着くことが多いです。
雨の日のために児童館や屋内遊園地など、体を動かせる場所を作っておくとよいですよ。