母乳を上手にやめる方法は?タイミングやトラブル回避のポイント
出産後に母乳を与え始めるときはあまり深く考えなかったママも、いつまで与え続けるのかと聞かれるとよく分からないかもしれません。いつかはやめる日がくるとしても、無理やりやめることで子どもにストレスが掛かるのは避けたいと考えるでしょう。そこで、母乳をやめる時期やトラブル回避の方法などをご紹介します。
母乳をやめるタイミングの目安を知ろう
WHOは2歳までの母乳を推奨している
母乳による授乳のメリットは、赤ちゃんの栄養面だけのことではないのです。確かに、母乳は離乳食では足りない栄養を補えるよさがあります。しかし、赤ちゃんにとって母乳はママと密着できるスキンシップの時間を意味し、この時間が心の安定を図る材料となるのです。
また、授乳中は無月経と無排卵状態が長く続き、女性ホルモンの分泌が低下します。その結果、月経再開後のホルモン調整に作用し、将来の更年期障害が軽くなるともいわれています。
「断乳」と「卒乳」の違いを知る
ママが主役の断乳は、子どもの都合ではなくママの事情が影響します。乳腺炎になってしまいやむを得ず中止したり、仕事復帰の予定があったり、ママの体調が悪く薬を飲むようになったりなど理由は様々でしょう。ママの都合なので、やめさせ方が難しい場合も多いです。
一方、卒乳の主役は子どもなので、本人が母乳を望まなくなったときにやめます。そのため、断乳に比べてスムーズに母乳を終えることができるでしょう。ただし、いつまで授乳が続くのかは誰にも分かりません。
1歳から1歳半ごろ母乳をやめるママが多い
ただし、この1歳5カ月までの卒乳は純粋に赤ちゃんや子どもの意思で母乳をやめてしまうことだけでなく、計画的に卒乳に向かっていくものも含まれています。卒乳を経験したママのうち時期を決めて計画的に進めていったのは約半数、子どもの自主性に任せたのは約4割です。
卒乳時期をママが決めた理由として多いのは「離乳食が進み栄養が足りてきたから」「1歳を区切りと決めていたから」の二つになります。
母乳をやめたときに起こりやすいトラブル
乳腺炎になる可能性がある
授乳をやめた日から3日間は、胸の張りを感じるごとに軽く搾乳を行いましょう。搾乳を終えたら、冷やしたタオルや氷で乳房を冷やします。ここで大切なのは圧抜きに「軽く搾乳」です。あまり強くすると母乳の分泌が止まらないからです。
その後の1カ月はマッサージをしたり、残っている母乳を出し切ったりなどのケアを続けていきましょう。
子どもがストレスを感じてしまう
中には、ママの母乳が出なくなっても吸いながら寝ることで安心感を得るという子どももいるほどです。そのことから考えると、授乳が赤ちゃんや子どもの心に与える影響は大きいといえるでしょう。
そのため、この精神安定剤がなくなることで子どもが不安定になりストレスを感じてしまうことが考えられます。卒乳や断乳をする際には、子どものストレスをどう取り除くかが大きな鍵となるのです。大切なのは、授乳に変わるスキンシップを取り入れて愛情不足を感じないように対処することでしょう。
乳腺炎と乳がん初期症状を間違える可能性も
その後、どんなに努力しても片方の乳房だけ拒否するので、詳しい検査をすると乳がんだったのです。母乳を拒否し始めた時期と乳がんが発生した時期はぴったり一致していました。ただし、すべての赤ちゃんが知らせてくれるわけではありませんから、気になるときは病院へ行きましょう。
乳腺炎と乳がんの初期症状の共通点はしこりですが、違いもあります。乳腺炎の場合は、カチカチになる感覚や、乳がんより範囲が広い場合が多いです。一方、乳がんは中指と人差し指で挟むとゴリゴリした感触を受けます。
トラブルを回避し上手に母乳をやめる方法
授乳する回数を減らしていく
子どもは、今までもらえていた母乳を飲めなくなるストレスとスキンシップ不足で不安定になることがありますし、突然吸わなくなることでママは乳腺炎になることもあるでしょう。
まずは授乳回数を減らすことから始めます。減らすといっても急に一日1回などにするのではなく、5回だったのを4回、4回から3回など時間をかけて徐々に減らしていくのです。
日中の減らし方としては離乳食後に毎回は与えなかったり、フォローアップミルクに変えたりします。また、寝不足などで夜間に実行したいママは、最初は寝かしつけが大変になることを覚悟しましょう。