【第2回】恐竜・化石ってどう見たらいい?親子で博物館を楽しむポイント
すでに絶滅し、生きている姿を見ることが難しい「恐竜」。大きな体、かっこいい姿で大好きな子も多いと思います。博物館などでは再現された姿や化石などを見ることができますが、小さな子どもには難しそう。今回は恐竜、化石の展示を楽しむためのポイントを、九州屈指の「恐竜の郷」として知られる熊本県御船町にある御船町恐竜博物館にお話を伺いました。
恐竜の郷・御船町ってどんなまち?
御船町恐竜博物館提供
「恐竜の郷」になったきっかけ
御船町と恐竜の関わりは、1979年にさかのぼります。御船町内にて、国内で初めてとされる肉食恐竜の化石が発見されました。平成2年には、町内にある天君ダム周辺から恐竜化石が多数発見されることとなり、本格的な発掘調査が始まりました。
そして、平成6年3月から「恐竜の郷づくり」という構想の元、恐竜化石の保護と活用を町として取り組んでいくことになり「御船町恐竜博物館」を中心に様々な恐竜スポットができることになりました。
どんな恐竜スポットがあるの?
御船町恐竜博物館提供
博物館前の通りはシンボルロード(恐竜ロード)になっており、5体のリアルな恐竜モニュメント、化石のモニュメント12基が設置されています。
御船町恐竜博物館提供
シンボルロード沿いにある「ふれあい広場」には、カルカロドントサウルスのモニュメントを設置。ふれあい広場の中には、恐竜をモチーフとした複合遊具があり、子どもたちに人気の遊び場となっています。
御船町観光交流センター提供
博物館の隣には観光交流センターがあり、ガイドによる解説付きの「化石発掘体験」も実施。町内にある後期白亜紀(9000万年前)の地層が露出する「化石ひろば」から持ち込んだ石をハンマーで割りながら化石を探します。子どもはもちろん、大人も楽しめるようになっています。
御船町恐竜博物館とは?
御船町恐竜博物館提供
「御船町恐竜博物館」は平成10年4月30日に開館。御船層群(後期白亜紀に形成された地層)から産出する多くの恐竜化石とともに、現在に続く生物の進化、地球の環境について知ることができます。
御船町恐竜博物館提供
化石のレプリカづくりや顕微鏡を使って小さな化石を観察したりできる学習プログラム、紙粘土のアンモナイトづくりなどの体験教室、野外活動など様々な体験や活動ができます。
化石のなりたち・不思議を知ろう
御船町恐竜博物館提供
化石ってどんなもの?
「恐竜」の姿形、どんな生き物でどんな暮らしをしていたのかを知るために大切なのが「化石」です。大昔に生きていた生き物が、地面の中に埋まって保存されたものを「化石」と呼んでおり、化石になるには長い時間がかかり、今発見されているものは、大体1万年以上昔のものです。
化石になる生き物は実は様々で、巨大な恐竜だけでなく、プランクトンなどの顕微鏡でしか見えない、とても小さなものに至るまで大小いろんなものがあります。
また生き物だけでなく、足跡や巣穴の痕などの活動の痕跡を示すものが化石になる場合もあります。これにより、文字に残っていない昔の生き物や恐竜がどんな生き物だったのか、どんな生態をして、どんな環境で生きていたのかを知る手がかりになります。
化石ってどうやって作られる?
御船町恐竜博物館提供
化石として残るにも、恐竜や生き物が「化石になるぞ!」といって、自分から穴を掘って、その中に入って、その上からしっかり土をかぶせるなんてことはありません。死んでしまった後、流れる水や風の働きによって、自然と泥や砂が積み重なったり、生きているときに洪水や砂嵐に襲われて、そのまま埋まってしまい、化石になってしまうこともあります。
固いものほど化石として残りやすく、ホネや歯はもちろん、貝など固いカラを持つ生き物が化石になっています。固くなくても、植物、うんち、羽毛の跡、ウロコの跡などが残ることもあります。