モンテッソーリ教育って何?その特徴と子どもに与えるメリット
育児雑誌などでよく目にするモンテッソーリ教育。世界中で指示され、日本でもモンテッソーリ教育を取り入れる保育園や幼稚園が増え身近なものになってきました。モンテッソーリ教育とは一体どのような教育なの?メリットや家で実践できるの?などの疑問にお答えします。
「モンテッソーリ」とはどんな教育法なの?
イタリアで生まれたモンテッソーリ
モンテッソーリは、子どもと触れ合うなかで、子どもには吸収力が大きくなる時期があることに気づきました。このような力が十分に発揮できる環境と、自由な活動ができる中で、子どもは自発的に活動しながら成長していきます。
1907年にイタリアに「子どもの家」という保育施設を作り、子どもが本来もっている能力を適切な援助で引き出していくモンテッソーリ教育法を生み出しました。
100年以上経った今でも時代や文化の違いを超えて世界中で支持され、現在世界140以上の国にモンテッソーリ施設が広がっているといわれています。そしてその中から世界をリードする人々が数多く育っています。
モンテッソーリ教育の考え方と特徴
そのため大人は子どもの自発的活動を妨げることはせず、サポート役に徹します。モンテッソーリ教育を実践する幼児教育施設は「子どもの家」と呼ばれ、以下のような環境が準備されていることが特徴です。
・子どもが好きなことを自由に選び実践すること。
・子どもが興味を持つ教具が用意されている。
・子どもの発達に応じた環境を用意し、自己形成をサポートする先生がいる。
・年齢縦断型のクラス編成をし、協調性や社会性を促す。
このような環境の中で、子どもは自発的に行動し、自ら成長する力がついていきます。
実際にどんなことをしているのか?
・日常生活の練習
洗濯やひも通しを使った裁縫など「お仕事」と呼ばれることをし自立心を育てます。
・感覚教育
知的活動の基盤となる感覚を発達させるために、視覚・聴覚・触覚を刺激する円柱差しや音感ベルなどの教具を使い感覚を刺激します。
・言語教育
絵と字が書かれた絵文字カードの使用や言葉遊びを通し、話す・読む・書くだけではなく、文法や文章構成も学びます。
・算数教育
金ビーズや数棒を使い感覚的に数量を捉えることから始めます。銀行遊び、切手遊びなども取り入れ、計算を覚えていきます。
・文化教育
世界・日本地図パズルや動植物カードを使い、生命の神秘への興味や芸術的な表現力などの能力を引き出します。
モンテッソーリ教育が育む子どもの力とは?
運動能力などの感覚を育てる
思うように身体を動かし、自分のことは自分でできるようになることを目的としています。大人の模倣をしたがる2〜3歳頃を運動の敏感期と呼び、自立心や独立心を養う時期として、環境を整え援助します。
また、モンテッソーリは「感覚教育は全ての教育の基礎である」と言っています。感覚教具を使うことにより、微妙な違いを体験し、吸収した感覚体験を整理し、知性を開花させていくことへ繋がっていきます。
感覚を育てていくと、子どもの頃から同じものが分かる、比較して順番にできる、類別できるようになっていきます。
子どもの自発性・主体性を育む
大人とはものの見方や感じかたが違う「子どもの発見」を信じ、成長していく中で、自分自身でそのときに必要なものを発見し、熱心にとりくむことで、体も、心も成長していきます。
「お仕事の時間」では、基本的に子ども達が自分で教具を選び、気が済むまで仕事をし、片付けることにより、自発性や主体性が育まれます。
そのため、教室は教具が選びやすく、教具を自分で出し、自分でしまえ、個々が集中して仕事ができる環境作りを大切にしています。
子どもの協調性・社会性を育む
教具は基本的に1つしかないので、ほかの子が使っているときは終わるまで待つ、使っている子はそれに気づいて譲るなど、お互いを思いやる気持ちや協調性が育まれます。
またモンテッソーリ教育の大きな特徴の一つは、違う年齢の子どもたちが一緒に過ごす縦割りクラスです。施設によって多少の差がありますが、3~5歳の子たちを同じクラスにしているところが多いようです。
大きな子は自然に小さい子の面倒をみて、小さな子は大きな子の真似をし、助けてもらいながら、お互いを認め合い、学び合いながら社会性が育くまれていきます。
モンテッソーリ教育を受けたい時はどうする?
モンテッソーリ教育の実践園を探す
本格的にモンテッソーリ教育を実践している「子どもの家」や教育施設、また通常の保育園や幼稚園で「お仕事の時間」や縦割りクラスの導入などを取り入れているところが増えていますので、自分たちに合う施設を見つけることができるでしょう。
日本モンテッソーリ教育綜合研究所のサイトには、日本全国にあるモンテッソーリ実践園リストが載っていますので、是非参考にしてください。
モンテッソーリ教育の取り入れ方や方針は、園によって違いますので近くの園に問い合わせてみましょう。見学会や説明会が開かれるときに足を運んで実際に見てみるのもよいですね。