会陰へのダメージを和らげる会陰マッサージ。その効果やポイント
出産時に会陰が裂けるという話を聞いて、出産が怖くなるママもいるかもしれません。会陰へのダメージは、産前に行う会陰マッサージで和らげることが可能です。そこで今回は、会陰マッサージで得られる効果や痛みがあるときの対処法、マッサージのポイントなどについてご紹介します。
会陰マッサージで得られる効果とは
出産時に会陰切開や裂傷する可能性がある
会陰の伸びが悪いと、赤ちゃんが生まれてくる際に支障が出る場合があります。そのようなときは、医師がハサミなどで会陰を切る会陰切開が必要になる場合や、裂けてしまう恐れがあります。
会陰切開や裂傷にナーバスになるママも多いですが、これらを避けるためには会陰の柔軟性をよくしておくことが大切です。とくに、妊娠中に会陰マッサージをすることは、これらのリスクを低くする効果が期待できるといわれています。
会陰の伸びがよくなればそれだけ母体を傷つける可能性は低くなり、産後の回復にも影響を与えます。
マッサージで出産時の傷のダメージを軽減
週に平均1.5回のマッサージをした場合と平均1.5~3.4回のマッサージとでは、縫合を必要とする裂傷に明らかな減少が見られましたが、平均3.5回以上行ってもさほど変わらなかったとの研究結果があります。妊娠中の体に負担をかけないよう、マッサージは週3回ほどで充分でしょう。
会陰が大きく避けてしまうと、心にもダメージを負うママもいます。会陰はデリケートな部分なので、心身ともにダメージを軽減するのは大切なことですよ。
会陰マッサージは産後の回復にも効果が
ママの体のダメージが少ないと、出産後の回復が早くなります。会陰部に強い痛みを感じずに済むので、歩いたり体を動かしたりすることもできます。ずっと寝ているより無理のない範囲で動いたほうが、血行がよくなり傷の治りも早くなりますよ。
また、会陰マッサージをしていると、お産をイメージしやすくなります。繰り返しお産をイメージしたおかげで落ち着いてお産ができたという声もありますよ。出産時に緊張で全身に力が入ることも防ぎ、体力を温存する効果も期待できます。
会陰マッサージで痛みがあるときの対処法
マッサージで痛みがあるときは無理をしない
痛みを感じたら無理に続ける必要はありません。少しずつ続けていくうちに、徐々に会陰がやわらかくなっていくのを感じるようになりますよ。
また、マッサージをするときに会陰を伸ばそうとして引っ張ってしまう場合もあります。慣れるまでは難しいですが、間違ったやり方も痛みにつながりますので注意しましょう。
マッサージで痛みを感じるときは中止し、無理のない範囲で週に2~3回ほど行うようにしましょう。
外側からのマッサージで会陰部をふかふかに
外側からのマッサージは次の手順で行います。
・コットンにマッサージオイルをたっぷり含ませる
・会陰部分をUの字を描くようになでる
・次はくるくると円を描くようになでる
鏡などでマッサージをする場所を確認することがポイントです。また、洋式トイレに浅く腰掛けたり、クッションなどに寄りかかるように横になったり、楽な姿勢でマッサージを行いましょう。
コットンがない場合は、指にオイルをつけて行うこともできますよ。外側から優しく撫でるようにマッサージをすることで、会陰部がふかふかにやわらかくなります。
ホットタオルで会陰周りをやわらかくする
・水またはお湯で濡らしたタオルをしっかり絞る
・電子レンジの500Wで約1分、600Wで約50秒温める
(電子レンジによって温まり方が違うので調節してください)
・温まったタオルを適当な大きさに畳み、椅子などの上に敷く
・会陰部があたるようにタオルの上に座る
電子レンジからタオルを出すときには火傷に気をつけましょう。また、適温に冷ましてから座るようにし、低温やけどにも十分に注意してくださいね。
デリケートな部分なので、専用のタオルを作るか、清潔なタオルを使うようにしましょう。