出産を立会いで見られるか見られたくないか。立会い出産のメリットデメリット
いまや立会い出産は一般的になりつつあり、希望すればたいていの施設で可能です。新しい生命の誕生をパパとともに迎えたいと立会いを望む人もいれば、苦しむ姿を見せたくないから立会ってほしくないという人もいます。一度そのメリット・デメリットを考えてみませんか。
なぜ誰にも見られず1人で集中したいのか
1人で出産に挑むメリット
夫とはいえ他人がいると気をつかってしまうタイプのママは、陣痛の痛みのがしも、いきみのがしも1人のほうが集中できてよいという人がいます。「タイミングをはずした声がけはうっとうしいだけ」という厳しい声も…。頼りになるのは、オロオロするばかりでなにもできないパパよりも、経験豊富な助産師さん。これがママの本音かもしれません。
もう一つのメリットは、苦しむ姿を見られないですむこと。陣痛の苦しみもさることながら、いよいよ出産というときの赤ちゃんを押しだす段階はなりふりかまっていられません。
うめき声をあげたり、汗でまみれた必死の形相など見られたくない。そう思うママも多いでしょう。
1人で出産に挑むデメリット
大きなお腹のママを「がんばって!」と送りだし、次に会うときには赤ちゃんと2人になっているのです。もちろんママは顔色も悪く、ぐったりしてはいるものの、出産の現場にいあわせていない以上はその壮絶さは想像もつかないでしょう。
見たわけでもないのに「らくなお産でよかったね」などと悪気のないひとことを発してしまったりするパパも。これにはママもかちんときますよね。
もう一つのデメリットはサポートしてもらえないことです。汗を拭きたいとき、のどが渇いたとき、パパなら遠慮なく頼めても、助産師さんにお願いするのは気がひけるということもあるかもしれません。
1人で出産した場合の産後への影響
出産は女性の領域で、男性である自分にできることは到底ない。そういった考えが強いパパの場合、その後につづく育児も女性の仕事、ととらえがちになってしまうことがあります。子育ての主役はママで、パパはあくまでお手伝い要員。これではこの先ママが大変です。
こうしたケースでは、2人の子どもを2人で育てるのだという意識を早めにパパにももってもらう必要があります。
ママと同じことはできなくてあたりまえ。パパはパパなりに、主体性をもって育児にかかわることが大切だということを早くからうったえていきましょう。
なぜ見られていても気にならないのか
立会い出産に挑むメリット
その瞬間に立会いたいという気持ちは理解してあげたいですし、パパにもその権利があるといわれればそうですよね。実際に出産をするのはママでも、がんばるママをパパが支え励まし、わが子の誕生する瞬間をともに迎えるという一体感はなかなか味わえるものではありません。
もうひとつのメリットは、出産の大変さを理解してもらえるということ。長く苦しい陣痛も、聞くと見るとでは大違いです。
わが子を産むために命がけでがんばるママの姿をまのあたりにすることで、ママへの感謝やねぎらいも実感がこもってきます。
立会い出産出産に挑むデメリット
苦痛に顔をゆがめ、汗だくになっている姿をぜひ見てほしい!という女性はむしろ少数派ではないでしょうか。しかし実際に立会い出産を経験したパパ側の意見では出産の感動のほうが上回り、そうした姿は「気にならなかった」とも。
産院にもよりますが一般的にはパパの立会いは足側でなく、頭側からのところがほとんど。見てほしくないものはそう目に入らないでしょう。
ただし極端に血を見るのが苦手なパパは要注意。分娩室で卒倒する危険があります。
立会い出産の産後への影響
また立会い出産がきっかけで一気に父親の自覚をもったというパパもいます。妊娠した瞬間から母性がわき出る女性とくらべると、男性は父親としての自覚の芽生えが遅いもの。実際にわが子の誕生の瞬間を見届けることがきっかけとなり「この子を守らなければ」という父性に目覚めやすいというのです。
あまりうれしくない影響は、ママへの畏敬の念がわきすぎてしまうパターン。命を産みおとすという姿に神々しさを感じすぎてしまい、自分ごときが触れてよい存在ではないと考え、極端なケースでは一時的にセックスレスになることもあるとか。
見られても平気か嫌か意思を伝えるには
立会いを角を立てずに断る方法
まず避けたいのはとりつくしまなく拒否すること。これをしてしまうとパパはいきなり戦力外通告をされた気分になり疎外感を感じやすくなります。出産に実際に臨むのは確かにママです。でもパパにとってもわが子の誕生という重要なイベントであるということを理解してあげましょう。
パパなりの「こうしたい」という思いや考えを、まずはよく聞くこと。これがとても大切になります。
そのうえで今度はママ本人の「こうしたい」を伝えましょう。1人で集中したい、苦しむところを見られるのはどうしても嫌、などできるだけ率直に話してみましょう。