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こいのぼりの歌は何番まである?歌詞を覚えて子どもと一緒に歌おう

こいのぼりの歌は何番まである?歌詞を覚えて子どもと一緒に歌おう

子どもの日が近くなると歌いたくなるのがこいのぼりの歌ですよね。せっかく歌うなら歌詞の意味を理解して、子どもにも教えられるとよいと思いませんか。ここではよく歌われている「こいのぼり」の歌詞や意味、作者などについてご紹介します。また、別の種類のこいのぼりの歌についてもご紹介します。

有名な童謡「こいのぼり」について

「こいのぼり」の作者は?

「こいのぼり」の作者は近藤宮子さんです。元東京大学文学部教授の国文学者をしていた藤村作(父)と東京音楽学校第1期生で音楽教師をしていた季子(母)の娘で、昭和6年に国文学者の近藤忠義と結婚しました。

昭和6年に、幼稚園唱歌研究部の教材募集に関わっていた父から、幼稚園の子どもでも歌える歌を作ることを頼まれて「コヒノボリ」や「チューリップ」などを作りました。日本教育音楽協会に提出し採用され、昭和6年に発行された「エホンショウカハルノマキ」に「コヒノボリ」というタイトルで掲載されましたが、作詞・作曲者は不詳とされていました。

「エホンショウカ」は、日本教育音楽協会が協会員の作品を募集し、編集して作られた幼稚園向きの唱歌集です。春の巻、夏の巻、秋の巻、冬の巻の全4巻でできていて、それぞれの季節に合わせた唱歌が収録されています。

近藤宮子さんの作品は、日本教育音楽協会が無名著作物として管理していましたが、昭和56年に日本教育音楽協会の元会長に作者が変更されたことで、本当の作者だった近藤宮子さんが裁判をおこし、平成5年に著作者として認定されました。

「こいのぼり」の歌の意味

「こいのぼり」を歌うとき、歌の意味まで理解しながら歌っているでしょうか。歌詞を見ればなんとなくイメージが湧きますが、ここで「こいのぼり」の歌詞と歌の意味を解説します。

【歌詞】
やねよりたかい こいのぼり
おおきいまごいは おとうさん
ちいさいひごいは こどもたち
おもしろそうにおよいでる

【意味】
屋根より高いところに飾られているこいのぼり。
大きなこいのぼりはお父さん。
小さなこいのぼりは子どもたち。
みんな楽しそうに空を泳いでいる。

大きなこいのぼり(真鯉)をお父さん、小さなこいのぼり(緋鯉)を子どもたち(男の子)と見立てています。

実際の鯉のぼりの色や大きさを思い出すと、一番大きい鯉のぼりが黒色で、その次が赤色やピンク色、小さいのが水色や緑色をしていますよね。歌には「おとうさん」と「こどもたち」は登場しているのに、「おかあさん」が登場していないことを疑問に感じるかもしれません。

こいのぼりは端午の節句に、男の子の健康を祈願して飾られるものだったので、お母さんが登場していないのではないでしょうか。

「こいのぼり」の歌はどんな時代にできた?

江戸時代は黒い真鯉だけだった

江戸時代の日本は、武家に男の子が生まれると、家紋がついている幟(のぼり)を立てて祝っていました。その習慣が庶民にも広まって幟の代わりにこいのぼりを飾るようになったようです。

こいのぼりを飾る習慣ができた江戸時代は、男の子の健康を願うためのものだったので、黒い真鯉1匹だけを掲げて、黒い真鯉をお父さんではなく子どもに見立てていたようです。

明治時代から昭和時代中期になると黒い真鯉と赤い緋鯉を対で飾るようになり、真鯉はお父さん、緋鯉は子どもたちに見立てられるようになりました。真鯉と緋鯉は1匹ずつで飾られていましたが、歌の中では緋鯉1匹で子どもたちとしています。

昭和時代中期以降は青い緋鯉が加わり、真鯉はお父さん赤い緋鯉はお母さん、青い緋鯉は子どもたちに見立てられるようになりました。

また陰陽五行説では、黒は冬や水に分類されていて、ほとんどの生物が活動を停止する冬で、すべての生物が生きていくために必要な水を兼ね備えています。そのことが、どっしりと構えて座っているだけで、家族を守ってくれるお父さんのイメージにつながっています。

明治時代はお父さんが強い時代だった

江戸時代では、真鯉を男の子に見立てていましたが、明治時代になるとなぜ真鯉をお父さんに見立てるようになったのでしょうか。それは日本中世からはじまり、近世に武士階層で定着した「家父長的家」を、「家父長的家制度」と制度化したのが近代の明治時代なので、お父さんが強くなったと考えられます。

「家父長的家」は、家族の中で一番お父さんに権力があり、ほかの家族を支配しているという考え方です。子どもが男の子でも、お父さんが一番優位であることは変わりません。

日本での戦争が終わった昭和20年ごろまで「家父長的家制度」が続いていたため、近藤宮子さんが「こいのぼり」を作った昭和6年の時代背景が、歌詞に影響しているのではないでしょうか。

戦後の新民法では「家父長的家制度」が廃止され、徐々に人々の心から薄れていきました。核家族化が進行している現在では、「平等と自由」の考え方が強く、仕事でほとんど家にいないお父さんが家父長だという考えをしている家庭は少ないように感じられます。

現代でも、家事や育児はママまかせの家庭がありますが、パパも協力する時代になっています。

「こいのぼり」には2番と3番があった?

「こいのぼり」の2番

「やねよりたかいこいのぼり~」で知られた童謡「こいのぼり」は、子どものころに歌っていた記憶のあるママも多いのではないでしょうか。今でもこいのぼりを見ると口ずさみたくなりますよね。

この「こいのぼり」ですが、1番だけではないのを知っているでしょうか。ここで、1番の歌詞と多くの人が知らない2番の歌詞もご紹介します。

1、やねよりたかい こいのぼり
おおきいまごいは おとうさん
ちいさいひごいは こどもたち
おおしろそうにおよいでる

2、やねよりたかい こいのぼり
おおきいひごいは おかあさん
ちいさいまごいは こどもたち 
おもしろそうにおよいでる

昭和57年に発行された「しょうがくせいのおんがく1」に、2番の歌詞が掲載されています。

「こいのぼり」の2番別バージョン

先ほどご紹介した「こいのぼり」2番の歌詞では、1番で登場しなかった「おかあさん」が登場し、両親と子供たちが楽しく泳いでいるイメージができますが、「おかあさん」が登場しない、2番別バージョンの歌詞もあります。ここで、2番別バージョンの歌詞をご紹介します。

みどりのかぜに さそわれて
ひらひらはためく ふきながし
くるくるまわる かざぐるま
おもしろそうにおよいでる

こいのぼりは江戸時代からある習慣で、男の子が生まれたことを神様に感謝する気持ちと、男の子が病気にならずに、元気に成長し立派になってくれることを願って飾られるようになりました。吹流しや風車は、魔除けの意味でつけられていて、それを表現する歌詞がつけられたのではないでしょうか。

「こいのぼり」の3番

「こいのぼり」の3番の歌詞となると、ほとんどの人が知らないのではないでしょうか。昭和44年発行の教科書「新訂標準おんがく1」には、作詞家の小林純一さんが作られた「こいのぼり」3番の歌詞が掲載されていたようです。

ごがつのかぜに こいのぼり
めだまをちかちか  ひからせて
おびれをくるくる おどらせて
あかるいそらをおよいでる

幼稚園や保育園では、2番・3番を歌っているところもあるようですので、「子どもが私の知らないこいのぼりを歌っている」ということもあるかもしれません。ほかにも以下のような歌詞が存在しています。

やねよりたかい こいのぼり
おおきなおくちに かぜのんで
ごがつのそらに げんきよく
あおいおそらをおよいでる
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