子どもがおもちゃを奪い合うのはなぜ?理由や対策、ケア法を知ろう
子どもが公園など、ほかの子どもがいる場所で遊ぶようになると、おもちゃを奪い合うことが出てきてママは悩むことがあります。おもちゃを奪い合う子どもの心理や、保育園の対応方法と年齢別のママの接し方、そしてほかの子にケガをさせたり、わが子がケガをさせられたりした場合、どのようにしたらよいかを考えていきます。
目次
- どうしておもちゃの取り合いをするの?
- 自我が芽生えて成長していく時期だから
- 心の成長につながる執着心が生まれる時期
- 人の持っているものはよく見えてしまうもの
- おもちゃの奪い合いが起きてしまう原因は?
- ケンカするほど仲がよい場合もあると考える
- 友だちに興味を持ちはじめるから起きてしまう
- 自分のおもちゃより相手のものがよく見える
- おもちゃを奪い合うときの親の対応は?
- 成長によって異なる親の対応法を知ろう
- ママとの愛情関係がトラブル防止になる
- 焦らずに徐々に善し悪しの分別を伝えよう
- 「年齢別」奪い合いをしたときの対応方法
- 0歳~1歳半の子どもは「温かく見守ろう」
- 1歳半~3歳の子どもには「約束をしよう」
- 3~4歳の子どもには「一緒に考えよう」
- 子どもの奪い合いの際の対応法「保育士編」
- 子どもに任せて見守り、様子を見る
- 解決が難しければ、助け舟を出す
- 子どもの回答から解決法を後押し
- 年齢別に知ろう!奪い合う要因とは
- 2歳児はものに対する「取った、取られた」
- 3歳児は我が強くなり「いじわるされた」
- 4、5歳児は人間関係からの「仲間外れ」
- 子どもが加害者になってしまった場合は?
- 誠意を持って対応することを心がけよう
- ケガをさせてしまった理由を明確にしよう
- 自分の子どもの心のケアも大切に
- 子どもが被害者になってしまった場合は?
- 冷静に対応することを心がけよう
- ケガをしてしまった理由を明確にしよう
- ケンカの理由をきちんと確認しよう
- 声かけと止めるべきタイミングを知ろう
- 激しい掴み合いやケガしそうなタイミング
- 子どもが助けを求めてきたタイミング
- 複数人対1人になっているタイミング
- 奪い合いをおさめる上手なフレーズとは?
- 「10数えたら貸して」と待つことを教える
- 「交換しよう」とものの交換を教える
- 「次、貸して」と貸し借りについて教える
- まとめ
どうしておもちゃの取り合いをするの?
自我が芽生えて成長していく時期だから
そこで、自我を通そうとして相手の子からおもちゃを奪おうとするのです。相手の子も、譲ったり交換したりすることはまだできず、取り合いになります。
大きくなれば「奪ったら相手の子が泣く」「自分が奪われたら悲しいからやめる」とわかり、自制することもできます。しかし小さい子はまだそれがわかりません。
おもちゃを取ったら相手がどういう反応をするか、その後自分がどんな気持ちになるかなどという経験を、今積んでいるのです。おもちゃを奪ってみることで勉強しているといえるかもしれませんね。
心の成長につながる執着心が生まれる時期
自分のものを取られたくないという執着心が生まれると、奪い合いなど厄介なことが起こりますが、所有意識は成長に必要です。自分のものを大切にする心が生まれると、次に共有意識が育まれます。
友だちと私のものだから大切にしようという気持ちが芽生えるのです。そしてそれが心の成長や社会性に結びついていきます。
2~3歳くらいまでは、自分と他人のものの区別がつかずおもちゃの奪い合いがよく起こりますが、それを通して心を成長させているのですね。
人の持っているものはよく見えてしまうもの
4歳くらいからは比較ができるようになるものの、自分の好みなどを客観的に見られません。よいと思えばすべて欲しがるのです。
1~2歳くらいの子は、友だちが楽しそうにスコップで砂場を掘っていると、そのスコップを欲しがります。同じようなスコップではだめな場合があります。
友だちが楽しく遊ぶスコップを使えば自分も楽しく遊べると思うのです。有名スポーツ選手の使っているシューズを履くと、自分も上達できる気がするのと似ていますね。
おもちゃの奪い合いが起きてしまう原因は?
ケンカするほど仲がよい場合もあると考える
まだほかの子と交流が少ない子の場合は、仲よしの子はいないことがあります。けれど、保育所などで子どもがおもちゃを奪い合ってケンカするのは、それだけ仲がよいのかもしれません。
言っても大丈夫と思うからこそ、「このおもちゃは僕のだよ!」「違うよ!みんなのものだよ!」と思いきり気持ちをぶつけ合っていると考えられます。
大人でも付き合いが浅い人には遠慮しますが、家族など関係性ができている人には容赦がないことがありますよね。子どもも仲よしの子と安心してぶつかり合って、間柄を深めていくのです。
友だちに興味を持ちはじめるから起きてしまう
けれども、ほかの子やものに関心を持たず、黙々とひとりで遊んでいるときは、奪われることはあっても奪うことはないですよね。また奪われることも人との関わりの第一歩といえます。
ケンカは、子どもが友だちに興味を持ちはじめているから起こるのです。奪う子は、友だちと上手につき合うために自制心を学習する最初の段階といえます。
奪われる子の中には、取り返そうと立ち向かう子もいれば、ケンカを避け、奪った子がおもちゃから目を離したすきにそっと取り返す子もいます。そうして自分の意思を通す方法を学んでいるといえるかもしれません。
自分のおもちゃより相手のものがよく見える
大人であれば他人のものがよく見えたら、同じものを買ったり作ったりします。しかし小さな子は、あの子のおもちゃが欲しいからママに買ってもらおう、あのおもちゃと似たようなものを探そうなどと、代替え案は考えません。よいなと思えば手が伸びてしまうのです。
きょうだいがいると下の子は、上の子のおもちゃがよいものに見えて、奪おうとすることがあります。幼児期だけでなく、小学生になっても大ゲンカすることも多いです。
おもちゃを奪い合うときの親の対応は?
成長によって異なる親の対応法を知ろう
おもちゃで遊べなくて泣いたときは、ほかのおもちゃを見せたり遊びに誘ったりして気持ちをそらします。この頃までは、比較的気持ちをそらせやすいです。
3歳くらいまでは、順番に遊ぶなどの約束が必要です。けれどすぐに守れる子は少ないです。根気よく言って聞かせ、おもちゃを奪われた子の気持ちや自分の気持ちを振り返り、どうすればよかったかをママと一緒に考えましょう。
ほかの子の持ちものを欲しがるときは、自分と他人のものの区別をしっかり教えることが必要です。