ロンドン育児の「あたりまえ」とは?日本と異なる幼児を取り巻く環境
環境が変わると、初めてのことに戸惑うことはたくさんありますよね。今回は私が渡英中にロンドンの片隅で「日本とは違うなあ」と暮らし始めたころに感じたことをご紹介します。もちろんロンドン全域、イギリス全土で「これが常識」というわけではありません。あくまで私の体験した「あるある」ネタです。
公立幼稚園や小学校でのあたりまえ
先生のストライキで臨時休校
教員も例外ではありません。しかも、「ストライキを予定している」というのは前もってニュースで報じられますが、決行されるかどうかは直前までわからないのです。
ややこしいのは教員ごとに所属する組合によってストライキ行動をしたりしなかったりすることです。同じ学年でも隣のクラスは授業がなく、こちらは平常通りということもあります。
兄弟で通わせている家庭などでは、上の子は休みだけど下の子は通常登校。でも留守番はさせられないので親は仕事を休んだり予定をキャンセルしたり、と大混乱におちいっていました。
嘔吐や下痢のあとは48時間登校禁止
おそらくはノロウイルスなどの感染で起きているのでしょうが、そこはゆるいイギリス。どこの診療所でもウイルス検査などはしません。むしろ「感染拡大するから受診してくれるな」と言われる始末です。
娘の通う園・学校では発熱に関する登校ルールはありませんでしたが、この「嘔吐・下痢」に関しては厳しく、「症状が治まってから48時間は登校厳禁」でした。そのため別の体調不良で欠席の連絡をしても、「嘔吐や下痢の症状はないか?」としつこく聞かれるのがお決まりでした。
制服は近所のスーパーで購入
私たちが住んでいた地域では青、黄、緑、赤の4色が、学区ごとに制服の基本色として定められていて娘の学区は赤でした。隣り合う学区は別の色、と決まっていたので地元でその色を着ていると、どこの学校の子どもかすぐにわかります。
学区内のスーパーでは、夏になるとこの基本色で作られた女児用の制服ワンピースが1000円前後の価格で並びます。スーパーごとにデザインも違うので、今年はどこのワンピースにしようかと選ぶのも楽しみでした。
子どもは常に大人同伴のあたりまえ
子どもだけのお留守番はNG
少しの時間だから、と子どもをおいて買い物にでて万が一知り合いにでも出くわしたら大変です。「あれ?お子さんは?」と聞かれてうっかり「子どもだけで留守番しています」などと能天気に言おうものなら、警察に即通報されてしまいます。
短時間であっても連れて歩くか、できない場合はお友だちのおうちで過ごさせる、など子どもを「放置しない」ことを徹底する必要がありました。
登園・登校時の学校周りは大渋滞
娘の園・学校では始業ベルが鳴るまでは校庭に親子で待機し、時間になったら一列に並んで担任教員に保護者が文字通り子どもを「手渡し」していました。下校時はこの逆です。
我が家は徒歩圏内だったのでさほど問題はありませんでしたが、車で送迎している家庭も多く、登下校の時間帯は当然往来が集中します。学校があったのは住宅地の狭い路地だったため、入りたい車と出たい車、そこに地域住民の車も入り乱れ怒号がとびかうカオスでした。
めずらしくないナニーやシッターさん
イギリスではナニーやシッターといったさまざまな「子守りのプロ」に出会います。もっとも手軽に依頼できるのはシッターで、多くは時間給でスポット的に依頼するパターンです。留守番や学校や習いごとの送迎などをしてもらえます。
ナニーと呼ばれる人は住み込みや通いで家族同然に過ごし、しつけなど子どもを「養育」する要素が強くなります。また外国人留学生を自宅にホームステイさせる代わりに、子どもの相手をしてもらう「オーペア」も存在しています。
車や地下鉄・電車でのあたりまえ
駐車場にはベビーカー優先ゾーン
店によっては車いすドライバーと共用の場合もありましたが、多くはベビーカーまたは子連れファミリー優先となっていました。地面に大きくベビーカーの絵が描いてあるのがそのサインです。
広い駐車場を大型買い物カートとベビーカーを押しながら延々と歩く必要がないので子連れには有難いサービスです。でも便利なだけに、確信犯的に一般ドライバーが停めてしまってクレームになることもあったようです。