キルギス共和国で産んで育てたママの告白。海外での出産奮闘記
中央アジアのキルギス共和国在住6年目ともなると、色々な経験をしてしまうものです。今回は発展途上国での妊娠~出産までで起きたことをまとめてみました。日本では考えられないようなシステムや風習に、最初は困惑しましたが慣れてくるものです。今だから話せる、キルギス出産奮闘記です。
キルギスで妊娠したら日本と何が違うの?
キルギスでの妊婦健診はどんなもの?
キルギス在住の外国人ママの中には、妊婦健診のために毎月ロンドンまで行っているという人もいたほどなので、ソ連式医療制度の信用度が低いことが分かります。私には2人分の妊婦健診の経験がありますが、どちらのときも体重と血圧を毎回測るだけでした。
おもしろいのは、毎回「体重計が壊れている」「血圧計が動かない」など、行く意味があるのかないのか分からない健診が多かったことです。健診での楽しみであるエコー検査も、全妊娠期間を通して3回あるかないか。毎月見てもらえる日本の妊婦さんがうらやましかったです。
キルギスママの体重管理
先生がなぜそのことに気がつかないのか謎でしたが、体重を増やすために「バターを食べろ」と言われたのは衝撃的でした。もっと驚きなのは、その言葉を信じたロシア人であるパパが「肉を食べろ!」「甘いものを食べろ!」と強要してきたことです。
キルギスではまだ「妊婦さんは2人分食べる」のが当たり前ですので、よほどのことがない限り体重コントロールはしないようです。
キルギス人は子だくさん
そのため、30歳を超えても未婚の女性には「なぜ結婚しないんだ?」、女の子を連れて歩くママには「次は男の子を産まなくちゃね」など、道行く人にまでキルギス人はアドバイスします。私も2人の姉妹を公園で遊ばせているとよく言われました。
日本だったら大問題に発展しそうですが、こちらでは当たり前です。そのかわり、子どもを連れているママは大切にされます。バスでは真っ先に席を譲ってもらえますし、長い行列も優遇されます。ネイルサロンで子連れのネイリストさんが働いていたり、お客さんが子連れだったりします。
キルギスでの出産準備と産後の注意点とは?
産院は自分で探して予約が必要
とはいえ、臨月になってから産院を探すというのもなかなか怖いものです。いつ生まれるか分からないお腹を抱えて、あっちへこっちへよさそうな病院を探します。産院を予約するためには、指定された時間に開催される説明会に参加しなければいけないのですが、そのとき知り合った妊婦さんが「予定日はもう過ぎているの」と言っていたのにはびっくりしました。
キルギスの妊婦さんの余裕はどこからくるのでしょう。
産後のママが食べてはいけないもの
日本の産院のお祝い膳などをみると、天国かと思いますね。その後も、甘いもの、生野菜、フルーツ、冷たいもの、赤いものは授乳中は禁止となります。赤いものとはトマトや苺など色が赤いもののことです。
どこまで守るかはママ次第ですが、核家族の少ないキルギスでは義母が目を光らせている場合も多く、食卓では我慢が強いられることも多いようです。
逆に肉や乳製品、ナッツなどを母乳のためにすすめられます。私は乳腺炎になるのが怖くて、こちらの方は断固拒否しました。(野菜やフルーツはたくさん食べてしまいました。)
キルギスにはない?乳児湿疹
「(ママが食べたものやアレルギーで湿疹が起きているだから)ママのせい!」と、面と向かって病院で言われます。私も乳児健診で湿疹ができているのを指摘され「甘いもの食べすぎ」「赤いもの食べたでしょう?」「みかんは湿疹の元!」と言われてしまいました。
ただ、おもしろいのはこれらを食べると本当に湿疹が出てくることがありました。母乳育児に限ってのことですが、もしかしたら本当かな?と思わされた事件です。
キルギスのびっくり赤ちゃん育児
トイレトレーニングは生まれてすぐから
みんなどうしているのかと不思議に思っていると、ロシア人の義母から「トイレトレーニングは1歳までに完了させなさい」と衝撃の指令を受けました。キルギス人と結婚した義弟の家では、おむつは一度も使ったことがないというのです。
気になるトイレトレーニング法はごくシンプル。15分おきにおまるに座らせる、寝起きや食後におまるに座らせるだけです。「だけ」といっても大変ですが、やっていくうちにおまるに座るまで我慢できるようになってきます。おかげさまで2人の娘も話すより先、1歳のうちにトイレトレーニングを完了しました。