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新型コロナウイルスで一変した生活!キルギス共和国ママの帰国まで

新型コロナウイルスで一変した生活!キルギス共和国ママの帰国まで

世界が新型コロナウイルスの脅威にさらされるようになって、どれくらいの時間が経ったでしょうか。コロナウイルスが猛威を振るう前と今では生活が激変してしまった人もいることでしょう。私もそんな一人です。今回は、ちょっと真面目に、キルギスからの脱出、帰国後の生活をお知らせします。

キルギスのCOVIT-19への対応と現状

あっという間の非常事態宣言

2020年オリンピックの年、キルギス共和国に8年住んでいる我が家にも大きなプランがありました。それが3年ぶりの一時帰国です。理由は6歳になる長女を1学期だけ日本の小学校に通わせたいと考えたためです。

予定では3月28日、家族みんなで向かう予定でした。しかし、2020年に入ってから世界は新型コロナウイルスの話題で埋め尽くされ、2月に入ってクルーズ船の「ダイヤモンドプリンセス」に乗組員としてキルギス人1人が乗船していることが報道されると状況は一変。

2月28日にはキルギスへの日本人の入国拒否がはじまりました。この時点での国内感染者は0で、しばらくこの状況が続きます。そして、3月18日に国内発感染者3人が発見されると、次々と国際線のキャンセルが相次ぎ、翌週の3月28日には大統領により非常事態宣言が発令されました。

キルギスがCOVIT-19に脅える理由

つい最近まで感染者がゼロであったにも関わらず、3月に入ってからのキルギスの厳戒態勢は異様なほどでした。国際線がどんどんキャンセルされる中、帰国予定の3月28日を待っていては日本に帰れなくなる恐れが出てきました。

私自身はそこまでキルギスが脅える理由が分かりませんでしたし、周りの在留邦人も同じ考えの人が多くいました。しかし、現地のキルギス、ロシア人たちは一様に口をそろえて「今すぐ日本に帰れ!」と言うのです。

事態は刻一刻と悪化して、ついに明日の飛行機も飛ぶか飛ばないか分からないほどになりましたが、運よく翌朝である3月21日の飛行機に乗り日本に帰ることに。そのフライト中にキルギスでは外出制限や商店の営業停止などが進められました。

なぜここまでするのか。それはキルギスの田舎には人工呼吸器がないからだそうです。そして日本と違い経済が脆弱な国、政治が独裁的であるが故、ウイルスよりも経済の崩壊や厳しい抑圧によって起こる暴動などの方が恐怖なのだそうです。

IMF初の緊急融資も使い道に疑問

一番最初に3人の感染者がみつかってから、4月3日現在感染者は130名に、初の死者1名との発表がありました。爆発的な感染とは言い切れないものの、重症患者を助けるための医療が乏しいキルギスは戦々恐々としているはずです。

そんな中、IMF(国際通貨基金)がキルギスに新型コロナウイルス対策として130億円の緊急融資を決めました。IMFがコロナウイルスへの対応として融資を行うのはキルギスが初だそうです。

そんな喜ばしいニュースを前にしても、キルギスの人々はそれが助けになるとはあまり思っていないようです。賄賂と横領が横行するキルギスでは、緊急融資の使い道にも疑問が持たれてしまいます。国家の存続もかかっているので、今回ばかりは適切に使われることを祈ります。

ウイルスがもたらした家族の危機

片道チケットと無職のパパ

フライトキャンセルが相次ぐ混乱の中、知人のつてで翌朝のチケットを購入することができました。しかし、チケットは片道のみしか売ってもらえず、現金で支払いを求められるも銀行にキャッシュがない!(残高はあるのに銀行に現金がない)というトラブルも発生しました。

そして、残念ながら仕事のあるパパ(職業はキルギス共和国立バレエ団のバレエダンサー)はキルギスに戻ってこれない恐れがあるため行くのを断念しました。ですが、この判断が間違っていました。バレエ団は3月に入ってから早々と閉鎖になり、新体操も非常事態宣言が出されてから禁止になりました。

もちろん、収入は一切なしです。公務員であるバレエダンサーでも給料は支払われません。その日暮らしの人が多いキルギスでは多くの人がひと月暮らすお金もなく自宅待機を強いられています。
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