子どもが嘘をつく心理を知りたい!親がとるべき対処法とは
子どもに嘘をつかれると誰でもショックを受けます。それが自分の子どもならなおさらです。自分の子育てがいけなかったのかと、心配する人もいるでしょう。でも、心配しすぎないでください。子どもが嘘をつく理由と、どんな方法で受け止めてあげればよいのかをこれから探っていきましょう。きっとよい方法が見つかりますよ。
やめさせる必要のない嘘の種類を知ろう
空想の世界の話をしている
夜トイレにいくときに「暗い廊下にオバケがいるよ」と訴える子どもは嘘つきでしょうか。確かに実際にオバケは存在しないので、大人の目には見えません。でも、怖がるその子の心の中には、オバケがいるかもしれないのです。
子どもにとっては、空想の世界のこと、夢で見たこと、現実の世界で起きたことはどれも差がないのです。これを嘘といってしまうのは、子どもがかわいそうです。
成長するにつれて、空想や夢と現実の世界は違うことがわかるようになりますから、それまではそっとしておいてもよいでしょう。
なりたい自分の願望の話をする
ピアノをとても習いたがっている子どもが、まだ習っていないのに、お友だちには「もう、ピアノを習っているんだ。とっても楽しいよ」などと自慢するのは、よくあることです。
これは自分の願望が強くて、心が先走ってしまったと思われます。自分の心の中では、ピアノのレッスンが始まっていたのかもしれませんね。これは悪意のある嘘とは違います。だから、怒ったり問いつめたりしなくてもよいですよ。
このようなことは成長するにつれてなくなりますし、願望が強いのは悪いことではありません。やる気があって、その子の将来が楽しみになりますね。
背景に病気が隠れている可能性も
広汎性発達障害(アスペルガー症候群や自閉症が含まれます)の子どもは、嘘をつくことが多いそうです。障害のために、幼い頃から怒られたり、注意をされたりする機会が多いので、それから逃れたいという思いで嘘が増えてしまうのではないかといわれています。
おかしいと感じたら、健診のときなどに、医師や保健師に相談してみましょう。自治体に相談窓口がある場合もあります。しつけや育て方のせいではないかと、一人で抱え込むのはやめましょう。専門家に相談することで、よい対処法が見つかることもありますよ。
やめさせたほうがいい種類の嘘とは
叱られたくない保身のため
子どもの叱られたくない気持ちはよくわかります。しかし嘘を見逃していると、肝心なときに本当のことをいい合えない関係になってしまいます。
子どもがなにかを壊したとか、誰かにケガをさせてしまったとき、親は叱るかもしれませんが、フォローもします。本当のことをいってもらえなければ、フォローのしようもなくなってしまいます。
それに、子どもに本当のことをいってもらえないのは、家族として寂しいですよね。
だから、本当のことをいってくれた子どもを感情的に叱るのはやめましょう。今からでも、子どもに本当のことをいってもらえる関係を作ってください。
興味を自分に向けて認められたい
家族に注目される弟や妹ができたときに、子どもはそんな嘘をつくことが多いようです。自分への愛情が、弟や妹に奪われてしまったと思いこんだ子どもは、自信をなくしてしまいます。その結果、嘘をついてなんとか大人の興味を自分に向けようとするのです。
そんなとき、子どもの心の中は寂しさでいっぱいのはずです。周りの大人はその子どもの正直な気持ちを聞いて、受け止めてあげましょう。「あなたも大切な家族だから、嘘をつかなくても、ちゃんと見ているよ」と子どもに伝えられるとよいですね。
そのままの自分を受け止めてもらえれば、子どもは失っていた自信を取り戻して、嘘をつかなくなりますよ。
周囲の大人の真似をしている
子どものために、予防注射なんかちっとも痛くないよ、などということはありませんか?
でも、子どもの心には、大人のいうことが真実と違ったという思いだけが残ります。そのうち子どもは大人のいうことと真実が違うことに慣れて、嘘は日常のことになってしまうのです。
そうなると嘘がいけないということをわかってもらうのが、難しくなってしまいます。子どもと生活をしていると、つい嘘をついて、その場をやり過ごしたくなることもあります。でも、そこをグッと我慢して正面から子どもに向き合ってみましょう。
嘘をつく子どもへの親がすべき対処法
頭ごなしに叱らないで理由を聞き出そう
子ども自身、嘘をついている自覚がないことがほとんどですから、そこを頭ごなしに叱ってしまうと、周りの大人に対して心を閉ざしてしまう恐れがあります。
周りの大人は子どもの話をそのまま聞いてあげてください。たとえ嘘だと思っても、「そんなことあるわけない」などと反論せずに、まるごと受け止めてあげましょう。
じっくりと話を聞いているうちに、子どもの精神状態や、どうして子どもが嘘をつくのかがわかってきます。そうすると、嘘をつく子どもへの接し方もわかってくるでしょう。