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妊娠中でも温泉に行ってよいの?注意事項と無理しない入浴方法

妊娠中でも温泉に行ってよいの?注意事項と無理しない入浴方法

出産後しばらくは忙しくなりそうなので、出産前に夫婦で温泉旅行を楽しんでおきたいというママは多いかもしれません。温泉なら妊婦でもゆったり楽しめそうだけれど、妊娠中に温泉に入っても大丈夫?と疑問を持つママのために、妊娠中の温泉について調べてみました。気をつけたいポイントなどもチェックしていきましょう。

そもそも、妊娠中の温泉は大丈夫なの?

妊娠中の温泉、初期と臨月は避けた方が安心

「妊婦は温泉に入ってはいけない」という話を聞いたことはありませんか?実は、1948年に公布された温泉法で、妊娠中の入浴は禁忌とされていたのです。

しかし最近になって、これは医学的な根拠のない話であることが明らかになり、環境省によって2014年に妊娠中の入浴は禁忌項目から外されました。

ただし、流産のリスクが高い妊娠初期は控えましょう。温泉入浴自体に問題はありませんが、旅行中の移動はママの体の負担となるからです。妊娠後期もお腹が大きくなり疲れやすく、臨月に入るといつ出産がはじまってしまうかわかりません。万が一のときに、すぐに病院へ行けるよう温泉旅行は避けましょう。

温泉は、安定期(妊娠5~7カ月)の間に行くのがおすすめです。

気をつけたい泉質について

妊娠中だからといって、入ってはいけない泉質というものはありません。

ですが、妊娠すると人によっては肌が乾燥しデリケートになることがあります。硫黄泉や海の近くに多い濃い食塩泉などは刺激の強い泉質なので、肌が敏感になっている場合は気をつけましょう。

また、微量の放射能が含まれているラジウム温泉は、放射線の被曝を心配する人もいます。しかし、ラジウム温泉の放射能の量は0.5マイクロシーベルト以内でごく少ないものです。これは、レントゲンの放射線量よりも少なく、ラジウムが出す放射線は浸透力が弱いので短時間の入浴なら問題ないとされています。

とはいえ少しでも心配なら、その不安な気持ちがストレスになってしまうので避けた方がよいでしょう。

温泉が母体や赤ちゃんに与える影響

基本的には、温泉の成分がお腹の赤ちゃんに影響を与える心配はありません。それでも、昔は妊婦の温泉入浴はタブーとされていた時期があったことは事実ですし、温泉には化学物質も含まれているから…と心配になるママもいるでしょう。

妊娠中に温泉に入る場合は、泉質自体よりも転倒やのぼせの心配の方が大きいです。実際、昔の温泉法で妊婦の温泉入浴が禁忌症とされていたのは、こうした心配が由来だったのでは?ともいわれています。法改正になって以降、各旅行会社が「マタニティ旅行」などの妊婦さん向けの旅行プランを提案しているように、妊婦さんが温泉に入浴することは一般的になっていますよ。

不安があるようなら、事前にかかりつけの医師に相談すると安心ですね。

妊娠中の温泉、気をつけるべきポイントは?

感染症などに気をつけよう

温泉施設は不特定多数の人が利用するので、衛生面や感染症が気になります。温泉入浴で感染が心配な菌を紹介します。

■レジオネラ菌…免疫力が弱まっていると感染しやすく、倦怠感、頭痛などから高熱や意識障害など重篤な症状に至ることもあります。レジオネラ菌が含まれている温泉の水を飲んでしまっても大丈夫ですが、シャワーなど霧状のお湯から経気道感染します。

■カンジダ菌…かゆみやおりものの異常が起きます。出産時にママが感染していると、産道を介して赤ちゃんにうつる可能性も。高温多湿の環境を好むので長湯は避け、入浴後の陰部のムレに注意しましょう。

■クラミジア菌…おりものの異常や不正出血を引き起こします。お湯を介してうつる可能性は低いですが、保菌者の使用した椅子やタオルの上に座ることで感染します。

■トリコモナス菌…膣の炎症などを引き起こす菌で、人の身体から離れても、水の中でしばらく生き続けるため温泉での感染例もあるそうです。

感染予防のため、ほかの人とのタオル共有はしない、風呂上りは下半身を流してから上がるなどを心がけましょう。

転倒やのぼせなどに注意しよう

温泉は床や足場の岩が滑りやすいため気をつけましょう。妊娠中、お腹が大きくなってくると、自分の足元が見えにくくなり、バランスを崩しやすいのでなおさら注意が必要です。あわてずにゆっくりと歩く、手すりを利用する、といったことを心がけるとよいですね。

また妊娠中は体内の血液量が増えて体の代謝が変化していることから、妊娠前よりものぼせやすくなっています。お湯につかるのは10分程度で切り上げ、長時間の入浴は避けたいものです。体が熱く感じるようでしたら、無理をせずにゆっくりと立ち上がりお風呂からあがって体を休ませてください。

熱すぎるお湯だけでなく、水風呂も血圧が上昇しやすく注意が必要です。血圧が急変すると心臓に大きな負担がかかってしまうため、のぼせたからといって急に冷たいシャワーを浴びないようにしましょう。

さらに、妊娠によって代謝が活発になり、汗をかきやすいため脱水症状が起きやすくなっています。お風呂上りには忘れずにしっかりと水分補給をして、湯冷めしないように温かい格好でくつろぐようにしましょう。

ママと赤ちゃんが無理しない入浴法

無理な計画は控えて、近場でのんびりしよう

せっかくの温泉旅行だからと張り切って、長距離移動が必要な宿を予約したり、温泉地で観光し続けたりという計画は、ママにもお腹の赤ちゃんにも負担が大きいです。あれこれ予定を詰め込まずに、宿でのんびり過ごすのも素敵な思い出になりますよ。

宿泊する宿はできる限り近場をおさえておくと、万が一の場合にすぐ病院へかかることができます。緊急事態に備えて、母子手帳と保険証は忘れずに持っていきたいですね。

目的地に向かう移動手段におすすめなのは、乗り換えが必要な電車などよりも、自分たちのペースで休憩をはさむことができる車です。時間に余裕のある計画を立てて、体に負担がかからないよう、ゆっくりと温泉や食事を楽しみましょう。

タオルやアメニティはなるべく持参しよう

タオルを貸し出してくれたり、備えつけのアメニティの用意があったりする宿泊施設は多いですが、できれば持参すると安心です。もちろん、衛生面に配慮している宿泊施設がほとんどですが、タオルなどの共有によって感染症にかかる可能性がゼロではないので、自分のものを使うことでリスク回避になります。

また、妊娠中は肌が敏感になりやすいので、備えつけのものを使用するのではなく、日ごろから使い慣れているシャンプーやボディーソープを持参すると、思わぬ肌トラブルを避けることができます。

タオルやアメニティを持参するとなると荷物にはなってしまいますが、妊娠中はなにが起こるかわかりません。不安を最小限に、できるかぎりの安心を選びたいですね。
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