赤ちゃんと一緒に産後の運動を!始めてよい時期と産褥体操のやり方
産後は体に負担の少ない「産褥体操」を
産褥体操のメリットを考えよう
また、産褥体操によって血液の循環がよくなると、悪露が排泄しやすくなり、母乳の分泌が促されます。その結果、子宮の収縮がスムーズに行われるようになりますよ。子宮の収縮が悪いと元の大きさに戻らないだけでなく、悪露が長引くことや熱がでること、痛みをともなうことがあるので注意が必要です。
ほかにも、産褥体操の中には、骨盤底筋を鍛える運動があります。骨盤底筋を鍛えると尿漏れや便秘の予防が期待できます。骨盤底筋は、子宮や膀胱などの内臓が下がってこないように支える役割を行っているため、後々のトラブルを回避するためにもしっかり鍛えておきたいものですね。
産後は、ホルモンバランスの乱れから、産後うつになりやすいといわれています。産後うつの予防策として、無理のない産褥体操でリラックスをして心と体を癒すことができるとよいですね。
時期によって違う「産褥体操」の方法
・産褥体操1日目
寝たままの状態で行うことができる、腹式呼吸と足の軽い運動から始めましょう。
・産褥体操2日目
少し筋力を使った首の運動を行いましょう。
・産褥体操3日目
徐々に体に負担を掛ける、手足の運動や肛門を絞める運動を行いましょう。
・産褥体操4~5日目
さらに動きのある、首筋や上半身、骨盤の運動を行いましょう。
・産褥体操10日目
足を使って大きく動く運動を行いましょう。
・産褥体操3週間目
立った状態で体を動かす運動を始めましょう。
・産褥体操1カ月目
全身を動かしたり骨盤まわりを動かしたりする運動を行いましょう。
上記のような流れで、産褥体操は産後1カ月ごろまで続けると効果的です。その日の体調によって、体操を行うことが難しいときは無理をせず、体の回復を最優先にしてくださいね。
赤ちゃんと遊びながら産後の運動をしよう
【生後2~3カ月】ママに負担のない範囲で
エクササイズの方法①
1.軽く膝を曲げて座り、ママの太ももの上に赤ちゃんが寝ます。
2.上半身を前後に動かし、赤ちゃんに顔を近づけたり遠ざけたりします。
エクササイズの方法②
1.骨盤を立てて座り、両足を少し開いたらその間に赤ちゃんが寝ます。
2.股関節を意識し、上半身を前に倒して太ももの裏が張るところまで前屈します。
どちらのエクササイズも背筋を伸ばして、骨盤や股関節を意識することがポイントです。赤ちゃんの顔を見ながら、笑顔で話し掛けたり歌ったりすると楽しく行うことができますよ。
【生後4~7カ月】骨盤の運動をしよう
エクササイズの方法①
1.仰向けに寝て、ママの足のつけ根に赤ちゃんが座ります。
2.ゆっくり腰を上げてキープします。
エクササイズの方法②
1.長座で座り、ママの太ももの上に赤ちゃんが座ります。
2.座ったままお尻で前に進んだり、後ろに下がったりします。
このころの赤ちゃんは首がすわっているとはいえ、まだ体が不安定な状態です。ママがしっかり赤ちゃんの体を支えるようにしましょう。また、運動時に赤ちゃんが激しく揺れないよう注意してくださいね。
【生後8~11カ月】筋肉を意識した運動を
エクササイズの方法①
1.立った状態で赤ちゃんを抱っこします。
2.膝を曲げてスクワットを行います。
エクササイズの方法②
1.手足を伸ばして仰向けに寝ます。
2.赤ちゃんから離れたり近づいたりしながらゴロゴロ転がります。
このころの赤ちゃんは、様々なものに興味を持ち、動きが活発になります。ママとのエクササイズは遊びの幅が広がり、赤ちゃんも一緒に楽しむことができるでしょう。
まとめ
産褥体操には、体の回復の促進や尿漏れの予防、骨盤の調整などあらゆるメリットが考えられることから、産後のエクササイズを始める前に行っておくとよいですよ。
ママは、赤ちゃんと一緒に楽しくエクササイズをしながら、無理なく体力や筋力を回復できるように心掛けましょう。