でんぐり返しの意味や効果とは?正しい教え方やできないときの練習法
家庭で子どもに教えることができる運動の一つに「でんぐり返し」があります。まっすぐ転がることが難しいでんぐり返しですが、どのように教えると上手になるのでしょうか。今回は、でんぐり返しの基礎知識と、けがをせずにでんぐり返しが上手になる安全な練習方法を紹介します。
でんぐり返しについての基礎知識
そもそも、でんぐり返しって何?
転んでひっくり返るという意味の「転繰る(てんくる)」からきているという説や、桶屋が樽を転がすことを「でんぐり」といっていたという説など、「でんぐり返し」の言葉の由来は諸説あります。
ほかに、江戸時代に伝わってきた紙細工の「でんぐり」からきているという説もあります。ちなみに「でんぐり」は名前を聞いても分からないかもしれませんが、紙細工自体はとても有名なものですから、作品を見れば「これ知ってる」というママもきっと多いはずですよ。
でんぐり返しができるようになる時期
ではもっと早く練習を始めてよいのかというと、そうともいえません。体を支えたり回ったりする筋力が未発達だったり、危険を察知できなかったり、親の注意を守れなかったりと、スタートが早ければその分リスクも高くなってしまいます。
できる時期には個人差があるので、遅れているからと心配することはありません。でんぐり返しに興味を持ち、回転することを楽しめるように、上手にサポートしましょう。子どもに「でんぐり返しは楽しい遊び」と印象づけると徐々にできるようになりますよ。
でんぐり返しの発達における効果
また、頭でイメージしたでんぐり返しの動きができるように、何度も練習しながら完成させることで、体をコントロールする力をつける働きも期待できるそうです。
さらに回転運動により三半規管を刺激し、バランス能力を向上させる効果も期待できます。でんぐり返しを練習することによって、三半規管が鍛えられ、乗り物酔いの症状が軽減することもあるそうですよ。
ただし、三半規管を刺激するからといって、練習し過ぎるのはおすすめできません。でんぐり返しをし過ぎると、車酔いのように気分が悪くなってしまう子もいるようですから、我が子の様子に気を配ってくださいね。
正しいでんぐり返しの教え方と注意点
まずは安全な環境を整える
次に危ない角のある家具がないかチェックをしましょう。危険防止のクッションテープを貼るなどの安全対策が必要です。
そして階段の近くででんぐり返しをすると危険です。柵をつけるのが一番ですが、柵がない家では、でんぐり返しに限らず、階段周辺では遊ばないということを徹底すると、危険が減りますよ。
最後にでんぐり返しのスペースを作りましょう。おすすめなのは敷布団を敷くことです。座布団だとすぐにずれてしまいますし、分厚いマットレスは端から落ちて怪我をする可能性があるのでおすすめできません。
でんぐり返しの順番とポイント
地面にしっかり手をつく練習として、膝立ちから床に手をつく動作を繰り返します。次に足の指で床を蹴る力をつけるため、つま先立ちをしましょう。高い所に好きなものを置いて取る、のようにゲーム性を持たせると楽しく鍛えられますよ。
【身振りをしながら説明しよう】
1.両手はパーで、お尻を上げて、両ひざピタッ足もピタッ(と揃える)
2.両手は肩幅より広めにトンと床につけて、あごを引いておへそ見て、頭の後ろ(後頭部)をつけてクルン(と回る)
3.足の裏をつけて前を向いて、両手を前に伸ばして立ち上がる
【見せよう】
上の説明に合わせて、実際にママがやってみましょう。
【やってみよう】
実際に子どもにやってもらいます。難しい部分は手を貸しましょう。
でんぐり返しをするときの注意点
始める時期が早いほど、手や腕の力で首を支えることができなかったり、両手をついて回ることを忘れて顔を打ちつけてしまったりするので、手助けできるくらいの距離にいると安心ですよ。
子どもは思いもしない危険な場所ででんぐり返しを始めるかもしれません。「でんぐり返しは布団の上だけでやる」といった決まりを作ったり、高い場所や狭い場所、外ででんぐり返しをした場合に、どんな危険があるかを説明したりするなどして、安全に配慮しましょう。