でんぐり返しの意味や効果とは?正しい教え方やできないときの練習法
でんぐり返しができない子への練習法
まっすぐ転がれない場合
まずは、はじめにしゃがんだときの形を確認してみます。膝が離れていたり、お尻の位置が低く完全にしゃがんでしまったりしてはいないでしょうか。膝を深く曲げすぎないように意識すると、自然とお尻も上がりますよ。
次に、回る前に手をついている位置を見てみましょう。手の位置が足から遠いと、上手く回れない原因になります。手をつく位置は、つま先のすぐ前から、手のひら一つ分前くらいがちょうどよいです。
最後に、後頭部でなく頭のてっぺんを床につけていないかを確認しましょう。これは、しっかりおへそを見るように意識すると改善される可能性が高いです。もう一度、しっかりおへそを見るように説明しましょう。
回った後に起き上がれない場合
勢いよく回れていないと起き上がることができません。そんなときは坂を作ると勢いがつき、回って立ち上がる感覚が身につきますよ。
敷布団の下に枕や座布団を入れて小さな坂を作り、一番高くなった場所に手をついて、その坂を下りるようにでんぐり返しをするように伝えましょう。
坂を使って上手に回れるようになったら、坂の角度を少しずつ平らにしていき、最終的には坂をなくします。体を丸めたまま、回る勢いを最後までいかして起き上がりましょう。
でんぐり返しが上手になる遊び
タッチのときは、子どもが足のトンネルの中に頭を入れることで頭を丸める練習ができるので、ママが手を伸ばしすぎないように注意してくださいね。また、片手になったときに体を支える手が動かないように頑張りましょう。
この体勢を長く続けるのは危ないので、ジャンケンでしたら1〜2回くらいで一度立ち上がるようにします。短く何度もやると、手のつく位置を覚えられるのでより効果的ですよ。
でんぐり返しには運動神経を高める効果も
子どもの運動神経が発達する時期は?
これは運動神経に関係する神経系の発達が、6歳ごろまでに80%近く形成されるからです。このことから、幼少期の運動経験が、子どもの運動神経に大きく影響すると考えられています。
ちなみに運動神経に遺伝は関係ありません。骨格や筋肉など、遺伝で受け継ぐものもありますが、運動神経の良し悪しを決めるのは、基本的に幼少期の環境や経験です。心がけ次第で子どもの運動神経はよくできますから、ママやパパが運動神経に自信がなくても、安心してくださいね。
幼児期のうちに基本動作を身につけよう
基本動作は「移動系」「操作系」「平衡系」の大きく三つに分かれており、「移動系」は走る・飛ぶなど、「操作系」は投げる・叩くなどが分類されます。これらは、普段の遊びの中で自然と身につく可能性が高いでしょう。
しかし回る・起き上がるなど姿勢の変化が必要な「平衡系」の動作は、意識しないと身につけることが難しいものです。「でんぐり返し」はこの平衡系を身につけるのに適しています。
基本動作はバランスよく身につけることで、運動神経を高めることができます。でんぐり返しだけでなく、色々なスポーツにチャレンジして、できるだけ多くの基本動作を身につけられるよう心がけてくださいね。
でんぐり返しは逆上がりの練習にもなる
周りの子がどんどんできているのに、いつまで経っても自分だけできないと、子どもが、鉄棒や運動に苦手意識を持ってしまうかもしれませんね。
そうならないために効果的なのが、幼児期にでんぐり返しの練習をしておくことです。でんぐり返しは逆上がりと同じ「平衡系」ですから、基本動作が身につきやすいほか、回転する感覚に慣れることもできます。特に逆上がりには「後ろでんぐり返し」が効果的ですから、前向きをマスターしたら後ろ向きにもチャレンジしてみてくださいね。
まとめ
でんぐり返しは、手や頭のつき方に注意して回らないと、体をしっかり支えられず、怪我をしてしまうかもしれません。どんな転がり方をしても危険がないように、しっかり環境を整えてから練習しましょう。
でんぐり返しは回る前の形が重要ですから、しっかり基礎を身につけられるようママが手助けしましょう。
マット運動の基本といわれるでんぐり返し。マット運動に対して苦手意識を持たないためにも、楽しく練習して上手に回れるようになるとよいですね。