20代の子育て世帯の貯金事情!長期スパンでお金を貯めるためのコツ
出産・育児を機に、住宅や車の購入検討、今後の教育費など、何かとお金がかかる時期に入ります。収入がまだ多くない傾向にある20代の子育て世帯は、今後の家計や貯金について、不安を抱えることもあるのではないでしょうか。ここでは、20代子育て世帯に向けた貯蓄のコツについてご紹介します。
データで見る子育て世帯のお金のリアル
20代子育て世帯の平均貯蓄額と中央値
貯蓄額などは非常に繊細な話題なので、周りにどのくらい貯蓄があるかなんて、なかなか聞けないですよね。金融広報中央委員会が令和元年に行った調査によると、20代(二人以上世帯)の平均貯蓄額は220万円(金融資産保有世帯)でした。
この金額だけを見ると、多いと感じる人もいると思います。しかしこの金額は、「金融資産がある家庭」の「平均」額です。金融資産がない家庭も含めた貯蓄額の中央値は71万円となっています。
20代は貯蓄のない家庭も多く、少しずつでも毎月黒字で貯蓄ができればよいと考えましょう。
世帯平均年収と貯蓄に回す割合
この調査結果には全世帯が含まれていますが、正社員共働き家庭であればより多くの年収となることが予想されます。当然ながら、一方がパート勤務であったり専業主婦(主夫)であったりといった家庭の場合、正社員共働き家庭よりも少なくなります。
実際にどれだけを貯蓄に回しているのかについて、金融広報委員会の調査(令和元年)では、年間手取り収入の10~15%未満の割合が多く、金融資産保有世帯の24.3%という結果でした。
ただ、貯蓄しなかった世帯も約21%と多いようです。
貯蓄なし世帯も約3割いる
20代は収入が比較的少ないのも事実ですが、一方で子どもが小さいために出費もまだ多くないのも事実です。また、若いからこそ今後も出産や住宅購入、引っ越し、教育費など、大きな出費が続くことが予想されます。
現時点では貯蓄がなかったとしても、20代のうちに今後のライフプランを見直し、家計管理の習慣をつけて、毎月少しずつでの貯蓄をすることを習慣づけておきたいですね。
これからかかるお金と必要な額を知ろう
子どもの進学先によって変わる教育費
高校まですべて国公立の場合と私立に通う場合とで、かかる費用は大きく変わってきます。高校まで公立を選択すれば、学費は毎月の生活費から捻出できそうな範囲ですが、私立を選ぶ場合や習い事をたくさん経験させたい場合は早めに教育費を確保しておく必要があります。
また、どのような進学先を選んでも、大きな金額が必要になるのが大学時代です。毎年の学費に加えて入学金も必要になりますので、高校卒業までに300~500万円を貯蓄しておく必要があるといわれています。
まとまった金額が必要になるからこそ、早めに教育方針を決め、計画的に貯蓄をスタートさせたいですね。
住居費や車の維持費は長期的に大きな出費
住宅については、賃貸か持ち家かによって異なります。例えば、20代で購入する場合、ローンの返済期間を長く設定すると、毎月の負担額を抑えることができますが、利息分の返済額が多くなりますね。
また、購入の場合はローンの返済に加え、固定資産税や修繕費の積立などの維持費もかかりますので、それらの維持費についても考慮した上で、賃貸か持ち家かを検討することが大切です。
車については、子育て家庭ならあると便利だと思う場面も多いでしょう。ただ、購入費用に加えて駐車場、自動車税、車検費用など維持費も多くかかります。利用頻度が低い場合は、レンタカーやカーシェアリングの利用を検討してみてもよいでしょう。
子どもが巣立った後の老後費も大切
とはいえ、20代の子育て世帯にとっては、日々の生活や教育費を貯めることだけでも大変で、老後費用の積立までは難しいという家庭も多いですよね。子どもが大きくなってから、老後までの期間が長いことが20代の子育て家庭のメリットともいえますので、まずは教育費を貯めることを優先して構わないでしょう。
年を重ね、少しずつ年収が増えてきたタイミングで、コツコツと老後費用についてじっくりと考えるとよいですね。