新生児期に注意したい症状は?黄疸・嘔吐・痙れん・呼吸について紹介
新生児期に注意したい症状「嘔吐」
赤ちゃんが吐き戻してしまう原因は?
原因として、赤ちゃんの胃は小さく形も円柱に近いことから、母乳やミルクが逆流しやすい構造をしていることが挙げられます。また、まだ哺乳が上手くない赤ちゃんは、空気を一緒に飲んでしまい、げっぷと一緒に吐き戻してしまったり、げっぷが不十分で胃の中の空気と一緒に吐き戻してしまったりすることもあります。さらには、まだ満腹の感覚がわからない赤ちゃんが母乳やミルクを飲みすぎてしまい、その結果吐き戻してしまうこともあります。
いずれにしても、赤ちゃんにはよくあることなので、心配しすぎないようにしましょうね。
吐き戻しの対処方法とは?
赤ちゃんは胃の構造上どうしても吐き戻しをしやすくなっているので、胃と食道の接合部が上を向くように授乳中や授乳後は縦抱っこをしたり、授乳後に寝かせるときは、枕やタオルを敷いて頭の位置を高くしてあげるとよいでしょう。授乳後に限らず授乳中にもげっぷを出させてあげることも吐き戻しを減らすには効果的です。
最後に、飲み過ぎについては、「少し足りないかな?」という程度で切り上げ、その分回数を増やしてあげるという方法もあります。
吐き戻しが多い赤ちゃんの場合は、吐いたミルクが喉につまならいよう、顔を横に向けて寝かせてあげるとよいでしょう。
病院で受診する必要がある症状とは?
例えば、体重が減ってしまうほど何度も大量に嘔吐するような場合や、尿の色が濃く脱水症状が出ているような場合は、病院で受診する必要があります。ほかにも、噴水状に大量に嘔吐したり、嘔吐物に血が混じっていたり、お腹がパンパンに張っていたりするような場合は、診療時間外であっても救急で受診することをおすすめします。
判断に迷うときは、かかりつけの病院に電話で問い合わせをして判断を仰ぎます。夜間や休日の場合は、「#8000」に電話をすると全国の小児救急電話相談に繋がりますので、覚えておくとよいでしょう。
新生児期に注意したい症状「痙れん」
新生児痙れんとはどんなもの?
発熱をともなう痙れんで、熱が上がる際に発症する場合は熱性痙れん、高熱を出して意識障害をともなう痙れんの場合は髄膜炎や急性脳炎の可能性があります。髄膜炎や急性脳炎の場合は至急受診する必要があります。
はじめて痙れん発作を起こした場合は必ずすぐに受診しましょう。二度目以降の場合は、医師の指示に従い様子をみることも可能ですが、判断に迷う場合は必ず相談するようにしましょう。
新生児痙れんの症状とは?
新生児痙れんの症状として一番多いのが「微細発作」です。これは、まばたきを繰り返したり、口をパクパクさせる、自転車を漕ぐような動きやクロールのような動きなどが特徴です。一見すると痙れんとはわかりにくいかもしれませんが、いつもと違うと思ったら注意して様子を見るようにしましょう。
ほかにも、意識消失や手足をばたつかせる、あごがガクガクと震える、手足を突っ張らせるといった症状もありますが、微細発作と比較してわかりやすい症状といえます。
痙れん中にやるべきことと対処法とは?
まずは、医師の診察時に症状を伝えられるように、痙れん発作の持続時間を計ったり発作の様子をよく観察したりしましょう。冷静に見る自信がない場合は、スマホなどで動画に残しておくことも一つの方法です。そして、無理に揺すったり起こしたりはせずに、衣類をゆるめ、嘔吐した場合に喉につまらないように、横向きに寝かせてあげましょう。
痙れんが落ち着いたあとは、意識の回復と発熱の有無について確認します。初めての痙れんの場合は必ず受診してくださいね。
新生児期に注意したい症状「呼吸障害」
新生児呼吸障害の特徴や原因とは?
よくある呼吸障害の一例としては、1分間に60回以上呼吸をしている状態である「多呼吸」があります。これは、一回の呼吸で酸素を十分に送ることができずに呼吸が多くなっているために起きる症状です。
ほかにも、息を吸う際に肋骨の下の部分や胸の真ん中の部分が凹む呼吸、呼吸をする際に本来同時に動くはずの胸とお腹がシーソーのように交互に上下する呼吸があります。
早産で生まれた子どもの場合、呼吸器官の発達が未完成であるために呼吸障害に陥ることがあります。早産の場合に限らず、出産時に胎児の便(胎便)を吸い込み気管支に胎便がつまる、出産後産声を上げる際に肺が広がりすぎて破けてしまう、産道を通る際に母体の細菌に感染して肺炎を発症するなど、呼吸障害の原因はさまざまです。
自宅でできる新生児呼吸障害の判断方法は?
正常な呼吸とは、一分間に約30~60回程度の呼吸数で、腹式呼吸でおもに鼻からの呼吸になります。しかし、これはあくまでも目安であり、新生児は呼吸中枢の発達が未熟で個人差もあることを認識しておいてくださいね。
呼吸障害について確認する場合は、安静にしているときに呼吸の様子を観察し、胸腹部の動きによって呼吸数をカウントします。このときに、呼吸数と数えるのと同時に無呼吸の有無や無呼吸がある場合はその時間についても計測してみるようにしましょう。
そのほかに、観察するポイントとしては、呼吸をするときに胸とお腹が同時に上下しているかどうかや、呼吸音がゼエゼエとした音やうなるような音になっていないか、顔色は悪くないかについても観察をするようにしましょう。
以上のポイントを踏まえて呼吸の様子を確認し、やはり気になる点があるようであれば、一度受診し、医師に相談して詳しい検査をすると安心ですよ。
まとめ
また、これらの症状は一例ですので、普段と何か違うと思ったら、ママの勘を信じて受診することも大切です。夜間や休日の場合は、「♯8000」(小児救急電話相談)に電話して早めの対応ができるとよいですね。