災害による断水時や停電時のトイレ事情。ママが覚えておきたい対処法
最近普及し始めたタンクレストイレは、日常生活の中では便利です。しかし、災害による断水時や停電時には使えなくて困ったというママの声をよく耳にします。そこで、最近のトイレの特徴や、災害時の断水や停電でトイレが使えないときの対処法などについて解説します。
最近のトイレの特徴ともしものときの対処法
電気を使うタンクレストイレの仕組み
タンクレストイレとは、便器をきれいにするときに使う水を溜めておくタンクがないトイレです。水道管に直接つながっていて、水道の水圧だけで便器の汚れを落とす仕組みになっています。
タンクレストイレは便器を洗浄するときに電気を使うため、停電になるとリモコン操作では使えなくなってしまいます。タンク式トイレのように「タンクに貯まった水をレバー操作だけで流す」ということができません。
従来のタンク式トイレがまだまだ主流なわけ
タンク式トイレのメリットは、タンクレストイレと比べて価格が安いことと、災害による断水時や停電時でも使うことができることです。汲み置きの水やお風呂の残り湯などをタンクに継ぎ足すだけで、普段どおりに使うことができます。
また、高台やマンションの高層階など高い場所に住んでいるご家庭では、水圧が低くてタンクレストイレを設置できないことがあることも、タンク式トイレが主流になっている要因かもしれません。
停電時にタンクレストイレの水を流す方法
また、あまり知られていませんが、停電時にバケツを使って水を流す一般的な方法をとることもできますよ。大きめのバケツに水を4~6L入れておき、便器の中に水を流していきます。
ポイントは、勢いをつけずに素早く水を注ぎ入れることです。ペットボトルを使って水を流しても、汚れが落ちることは少ないようですよ。
最近では、タンクレストイレでも小型のタンクが内蔵されていたり、緊急時対策がされていたりするものもあります。
災害時の断水や停電でトイレが使えないとき
仮設トイレ設置には時間がかかるという現状
被災者は仮設トイレを利用することになりますが、設置されるまでには時間がかかってしまうのが現状です。これまでの大規模災害時での仮設トイレの設置状況をみると、早くても3~7日程度で、地域によっては1カ月以上かかることもあります。
仮設トイレといっても、ママや小さな子どもにとっては決して使い勝手がよいわけではありません。ほとんどが建設現場などで使われているものが設置されます。
洋式が少なかったり、子どもには段差が高すぎたりします。狭くて暗いために、仮設トイレを使うのを嫌がる子どもが多いようです。
トイレがないことで起こる様々な問題
仮設トイレであっても、衛生状態や使い勝手は決してよくはありません。ましてや、トイレまでの距離が遠かったり大勢の人が並んでいたりすれば、なるべくトイレに行かないように我慢する人が多いようです。
トイレに行く回数を少なくするために食事や水分補給を控えると、脱水症になるリスクが高まります。また、膀胱炎や便秘になる人もいるでしょう。心筋梗塞や脳梗塞で命を落とす危険にさらされてしまうことだってあるのです。
水や食糧と同様に非常用トイレを備蓄しよう
しかし、実際に非常用のトイレを備蓄している家庭は2割を切っているといわれています。水や食料に注目しがちになり、非常時のトイレ対策までは気が回っていないのでしょう。
非常用のトイレには、凝固剤や脱臭剤が入った袋を便座にかけて使うタイプのものがあります。また、旅行先や車の中で使用できる携帯タイプのトイレも、災害時には役立ちます。トイレの度に新しいものに交換する場合、4人家族であれば200枚程度の備蓄をしておけば1週間程度は大丈夫でしょう。
災害に備え子育てママが普段からできること
子どもに和式トイレの使い方を覚えてもらう
災害時は、洋式トイレを使えるとは限りません。いざというときのために、子どもに和式トイレの使い方を覚えてもらいましょう。
和式トイレの使い方は、自宅に洋式トイレしかなくても知ってもらうことができます。部屋の床で、和式トイレがあるものとしてしゃがむ練習をしてください。
また、和式トイレの使い方を教える絵本を読み聞かせることで、絵を見ながら使い方を学ぶことができます。できれば、実際に和式トイレを使って練習しておくと確実です。