両親との同居に適した間取りとは?同居スタイルの選び方と生活の工夫
両親との同居は、生活スタイルの違いやプライバシーの面で「少し面倒くさそう」と思っているママも多いのではないでしょうか。しかし、同居はデメリットだけではなく、もちろんメリットもあります。そこで、これから両親と同居を考えている方に、適した間取りと同居スタイルの選び方についてご紹介したいと思います。
両親と同居するメリットとデメリット
住宅費や生活費を抑えることができる
例えば、一方が所有している土地に建物を建てる場合は土地代がかからず、住宅ローンや頭金も経済状況に応じて分担することなども可能です。
また、区分登録をすれば別々にローンを組むことができるので、一軒あたりのローンの負担を減らすことも可能ですし、住まいの構造にもよっては、固定資産税や相続税、贈与税の減額も期待できるのも嬉しいポイントですね。
生活面では、共有スペースにかかる光熱費や家にかかる維持費などが、2軒分よりも負担が減ることが期待できます。これからの子どもの教育費を考えれば、こういった費用を抑えられる点は大きなメリットといえるのではないでしょうか。
家事や子育てなどで協力が得られる
最近は女性が働く世帯も多くなっており、保育園の待機児童問題などもよく耳にしますよね。保育園に入ることができず、育児休業を延長しなくてはならないママもいるのではないでしょうか。
そんなとき両親と同居していると、子どもの面倒を親に見てもらったり、保育園や幼稚園の送り迎えを頼みやすかったりします。
また、両親から家事の協力が得られれば、フルタイムで働くママも安心して仕事に打ち込むことができますし、仕事が終わった後などに、たまった家事をこなさなくてはならない生活から解放されるでしょう。
このように子どもがいる世帯は特に、両親との同居を望むケースがあるようです。
価値観の違いやプライバシー面での不安も
また、お互いの境界線にどちらかが踏み込んでしまうことでプライバシーが守られないことの不満や、自分だけの空間を確保しにくい面も、二世帯同居において不安視されるようです。
しかし、このような価値観のずれなどは当然起こりうることです。こうしたトラブルに直面したときに、どのように折り合いをつけて着地点を見出していくかが、二世帯同居のポイントになるのではないでしょうか。
間取りを決めるカギは「共有スペース」
すべてを共有する「完全同居」タイプ
中でも、キッチンやお風呂、トイレなどは共同で使い、それぞれ個室や書斎だけを別にする「完全同居」タイプは、常に誰かがいて賑やかな大家族気分を味わえたり、家族の異変に気がつきやすかったりするメリットがあります。
その反面、プライベートが確保しづらいことへのストレスや、生活リズムの違いによる軋轢が生まれやすい環境ともいえるでしょう。また、親世帯が子世帯の生活に干渉してしまうことも考えられます。
ですから、こうした完全同居型は「高齢の両親の介護」をしている場合や「共働きだから子どもの面倒を見てもらいたい」世帯などに適しているといえるでしょう。
水回りなどを一つにした「部分共有」タイプ
水回りの一部のみを共有にしてそのほかの部屋は完全に分離する形で、1階に親世帯、2階に子世帯が住む形などがあります。水回りを共有することで建築コストが抑えられる上に、リビングを別にすればお互いのプライベートは守られる形になるので、よいところ取りができるわけですね。
また、母娘それぞれがインテリアにこだわりがある場合、分離することでお互いの好きなように決められるメリットもあります。
お互いが心地よい空間を作りつつ、それでいて身近に感じることができる「部分共有」は、同居のプレッシャーを少しだけ和らげてくれるでしょう。
交流の程度や将来的な暮らしも見据えて
一方が頻繁な交流を望み、できるだけ共有スペースを作りたいのに対し、もう一方はプライベート空間を重視している場合もあります。お互いの望みを考慮するならば、両者が少しずつ譲歩し合わなければならない場面もあるでしょう。
また親世帯は、今後の介護を視野に入れた間取りや動線の確保が必要になることが考えられます。今後そういった対応がとれるように配慮した間取りを考えておくとか、何かあったらすぐに駆けつけられるよう、緊急ボタンを設置するという案もあるようですよ。
このように、二世帯が一つ屋根の下に暮らすには、お互いへの思いやりを形にすることが大切です。
お互いが暮らしやすい工夫をしよう
建築やリフォームの前にしっかりと相談
例えば、それぞれが干渉しないスペースを決めておくとか、共有する中庭の掃除は曜日を決めて二世帯が揃って行うなどをルール化するのもよいでしょう。
また、「玄関のインターホンを分けるか」というのもしっかり決めたほうがよさそうです。共通にしておけば、昼間不在のときにお互いの宅配便の荷物などを受け取れるというメリットもありますが、どちらか一方が不在がちだと、片方にその対応の負担がかかってしまいトラブルの原因になりかねません。
細かい部分でも今後の暮らしに関わることが多いので、しっかり話し合いましょうね。