取れない頑固な水垢も諦めない!ママが知りたい水回り掃除のポイント
洗剤で磨いても水が乾くと浮き上がってくる水垢汚れは、なかなか落とすことができない困りものです。鏡についていると使いづらくなるだけではなく、水垢に病原菌がつくと病気になるリスクも高まります。どうすればキレイに落とすことができるのでしょうか。今回は、水垢の落とし方や水回り掃除のポイントを紹介します。
水垢を取るにはまず水垢の性質を知ろう
水垢は水のミネラル分が堆積したもの
家庭で使われている水は化学的に合成して作られているわけではなく、地下から湧き出してきた地下水や雪解け水、雨水などが元です。そのため、水のなかには土や岩石に含まれるミネラルが含まれています。
水に含まれているミネラルには、ナトリウム、シリカ、マグネシウム、カルシウムなどがあります。ミネラルを含んだ水が付着し、水分だけが蒸発してミネラルだけが残ってできるのが水垢です。
電気ポットなどの内側に白い結晶のような汚れがつくことがありますが、あの汚れも水垢と同じです。岩石などに含まれる成分なので固く、こびりついて堆積するとなかなか落とすことができません。
地域の水質によって水垢の成分も変わる
水はカルシウムとマグネシウムを含んでいる量によって「軟水」と「硬水」の二つに分けられています。日本では1Lあたりのミネラル分が100mg未満なら軟水、100mg以上なら硬水です。
また、水は土や岩石に含まれるミネラル分を取り込んでいるため、地域の地質によって含んでいるミネラルの種類や比率に違いがあります。ヨーロッパは土のミネラルが多いため、水もミネラル豊富な硬水が多いようです。
日本の水はほとんどが軟水ですが地域ごとに地質が異なるため水質も異なります。水質が変わると水垢の成分も変化するということです。
地域差があれど水垢成分の基本はアルカリ性
降ってきたばかりの雨水は酸性の性質を持っているのですが、地面に染み込んで地下水になるころには酸性度が弱まっています。これは、岩石に含まれるミネラルがアルカリ性の性質を持っているため、溶かす過程で酸が中和されるからです。
水に含まれるミネラル分は地域によって異なるため、水垢の成分も地域によって違いがあります。
しかし、基本的にはナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属やカルシウムやマグネシウムなどのアルカリ土類金属の化合物でできていますので、水垢汚れはアルカリ性の汚れになります。
手ごわい水垢を取るためのテクニック
磨くときにおすすめの洗剤やアイテム
研磨剤を含む歯磨き粉を雑巾などにつけ、円を描くようにこすり洗いすると水垢をキレイに落とすことができます。歯磨き粉の研磨剤は粒子が柔らかく、鏡などの表面を傷つけにくいのが特徴です。
また、丸めたアルミホイルを使って磨く方法もあります。アルミはガラスよりも柔らかいため鏡を傷つける心配がありませんが、防滴コーティングなどがされている場合はコーティングが傷つくかもしれません。
メラミンスポンジやダイヤモンドパッドは水垢落としに有効ですが、素材が硬く鏡に使うと表面を傷つけてしまいます。
アルカリ性の水垢には酸性パワーが効果的
酸性洗剤の代表であるトイレ用の洗剤は水垢落としにも使うことができます。洗剤を全面に塗ったあとラップなどでパックし、数分置いてから洗い流すと汚れをキレイに落とすことができます。
酸性洗剤のにおいが苦手、自宅に酸性洗剤がないというときは料理用のお酢を使ってもよいでしょう。スプレーで直接吹き付けてもよいですが、キッチンペーパーなどに染み込ませてパックにしてもよいですよ。
エコなお掃除アイテムとして人気のクエン酸も水垢落としに最適です。クエン酸は酸性洗剤やお酢のようなにおいがしないだけではなく、水に溶かす量を変えることで酸性度を調節できることが特徴です。
複数の汚れが混在するお風呂掃除のコツ
まず、重曹などのアルカリ性洗剤を使って表面についた石けんカスや皮脂汚れを落としましょう。ラップやキッチンペーパーなどを使ってパックを行い、しばらく置いてから洗い流せば表面についた汚れを落とすことができます。
次に、酸性洗剤を使って水垢を落とします。汚れがしつこい場合は一晩程度パックしてから洗うとよいでしょう。
もし漂白剤などの塩素系洗剤を使用する場合、酸性の洗剤が混ざると有毒ガスが発生してしまいます。続けて使用するときは水でしっかり洗い流してくださいね。
「取れない水垢」にしないための心得
一日の終わりに残った水滴を拭き取る
水垢汚れはミネラルを含んだ水から水分が蒸発してできるものなので、シンクなどを使ったあとは水を拭き取っておくとよいでしょう。台所用洗剤などを使って油汚れなども落としておくとよいですよ。
洗剤を垂らしたスポンジでシンク内や排水口周りをこすり洗いし、水で流したあと布巾で拭き取るとよいでしょう。使用するごとに毎回掃除ができるとよいですが、一日の終わりに1回行うだけでも水垢予防になります。
スポンジや布巾はシンク掃除用に用意してくださいね。食器用と併用すると食器に雑菌がつき、食中毒などの原因になることもあります。