近年の幼児を取り巻く環境の変化。問題点と今後の家庭における対策
年々変化していく幼児を取り巻く環境。育児に夢中で環境の変化にまで関心がいっていない人もいるのではないでしょうか?近年の幼児を取り巻く環境を知ってみましょう。その中で何が問題になっているのか、家庭はどのような役割を果たしたらいいのか、理想的な家庭環境にするための対策は何があるのかをまとめてみました。
幼児を取り巻く環境の変化とその要因
幼児の育ちの環境の変化と社会的背景
それに加えて、働き方や家族の単位が変化し、核家族も増えています。「母がいつもお世話になっています」「お孫さん大きくなったわね」などという世代間を超えた交流の機会が減り、人間関係の希薄化にもつながっているといえるでしょう。
従来のような「成人すれば働いて結婚し、子どもを産み育てるのが家庭のあるべき形」という固定観念にとらわれない生き方を選ぶ人が増えていることも、少子化、人間関係の希薄化に拍車をかけているのかもしれません。
幼児を取り巻く環境は、こうした少子化や人間関係の希薄化などの影響を受けているのです。
環境の変化1 【地域社会の教育力の低下】
近年、子どもを巻き込む事件が起こっていることなどから、知らない大人とかかわらないよう親が子どもに伝える傾向があります。地域の大人も気軽に話しかけることをためらい、結果、地域の人とあいさつを交わしたり、いけないことをしていたら注意される、ということも少なくなりました。
今の子どもたちは、子ども同士にせよ、対大人にせよ、人とのかかわりが減っているのです。地域社会の教育力が低下しているといえるでしょう。
環境の変化2 【家庭の教育力の低下】
また、共働きの夫婦が増え、子どもに手をかける時間が減少している現状もあります。これは時間的な余裕がない状態といえますが、同時に精神的にも余裕がなくなってしまいますよね。
精神的にも時間的にも余裕がない状態になることで、本来家庭で教えるべき「基本的な生活習慣、人に対する信頼感、他人に対する思いやり、社会的マナー」など生活で必要なことを教えられなくなってしまうのです。
こうした様々な要因が絡み合い、家庭の教育力の低下につながっているのでしょう。
幼児期における教育の重要性と家庭の役割
幼児期における教育の重要性
幼児期は急速に発達をしながら、人間形成の基盤を作っているともいえます。だからこそ、この時期に生活や遊びという具体的で直接的な体験をすることが大切なのです。様々な経験を積み重ねて人は成長しますが、それも基盤がしっかりしていてこそ身につくものではないでしょうか。
この人としての基盤を作ることを「教育」というわけです。子どもは放っておいても育つかもしれませんが、幼児期がこれからの人生を大きく左右する時期と考えると、幼児期における教育が重要なことが分かります。
家庭環境と幼児の性格との関連性
子どもにとって一番身近で影響が大きい環境は、親の育て方になるでしょう。たとえば、親が子どもに対して結果だけを気にして成果を認めないと努力の大切さが分からない子になる可能性が高く、親が過保護になりすぎると子どもは自己中心的な性格になりやすいといわれます。
親は家庭で必要な教育をする存在であり、子どもの性格形成に影響を与える存在でもあるのです。親は自分の子どもを一人の人間として尊重することが、のびのびとした自律した子どもに育てる育て方ともいえるでしょう。
幼児教育における家庭の役割
親が安定した対応で愛情をもって子育てをすることで、信頼関係は形成されてきます。信頼関係が築けたら今度は「しつけ」が始まるのです。
「しつけ」は社会生活に適応できるように必要なことを教えていくことであり、褒めて伸ばすかかわりが大切になります。それが子どもの意欲を伸ばすことにもなるのです。
子どもに愛情をもってかかわれば、例え怒られても子どもは理解してくれます。家庭は人生において必要なことを学ぶ役割もありますが、子どもが安心していられるのも家庭の役割になるでしょう。