幼児期の癖は子どもの心のサイン。気持ちを知って上手に対応しよう
幼児期の癖は、子どもの素直な気持ちを表しているといわれています。指しゃぶりや爪噛みなど、ママやパパから見ると気になる行為も、実は子どもの寂しいという気持ちのサインなのかもしれません。癖に隠されている気持ちを汲み取って、うまく関わっていくためのコツをご紹介します。
幼児期によくみられる癖とその特徴
指しゃぶりや物を口に入れる行為
指しゃぶりや物を口に入れる行為は年齢によって意味が違ってくるようです。乳幼児のころはものを確認する学習行為、1~2歳のころは眠いときや退屈しているときに多く見られます。3~5歳のころは、不安なときや緊張したときに安心を得たり、心を落ち着かせたりするためにします。
最近は無理に止めさせる必要はないという意見も多くありますが、歯や顎の発達に影響を与える可能性がありますので、6歳を過ぎても指しゃぶりをしているようなら医師への相談をおすすめします。
性器を触る、または自慰行為
幼児期の場合は、顔を紅潮させ呼吸が荒くなるようなことがあっても、大人のような性的行為を連想し、性的欲求を満たそうとしているものではありません。
男児、女児関係なく、性器の周りに温かさや圧迫感を感じると安心感が得られます。たまたま手が性器に触れ、心地よさを感じたことがきっかけになることがほとんどです。
不安を感じ、安心感を得るためや気持ちを落ち着かせるために行為をしている可能性があります。見つけたときは叱ったりせず、興味をほかにそらすよう誘導し、抱きしめるなど安心感を与えてあげましょう。
無意識に動いてしまう癖、チック症
チック症は大まかにいうと「癖のようなもの」で自分の意思に関係なく動きや声を発します。最近では子どもの10~20%にチック症の症状が見られるといわれ、珍しいものではありません。チック症には、一過性のものや慢性のもの、一定の動きや声を発するものなどさまざまなものがあります。
チック症は体と心の成長過程で起こるもので、多くの場合は一過性で1年未満で症状が消えていきます。それ以上長引く場合は慢性チック症と呼ばれます。
ストレスを感じやすい・人見知りの子がなりやすい傾向があり、家族の理解と協力で症状が治まることがあります。
気付いて!癖のウラにある子どもの気持ち
緊張やプレッシャーを感じている
・ぎゅっと目をつむるのを繰り返す
・目をパチパチするようなまばたきを頻繁にする
・首や肩をゆする
・鼻をフンフンと鳴らす
・喉が詰まったような咳ばらいをする
チック症の症状にも当てはまるまばたきは3歳ころから、鼻を鳴らす癖は5歳ころから始まり、女の子より男の子に多い傾向があります。
指摘をしてしまうと余計にプレッシャーを感じる可能性がありますので、そっと肩や手に触れたり、声をかけたりして気をそらしてあげましょう。
チックの症状は環境の変化が原因となることがあるので、最近変わったことがないか考えてあげてください。
不安やさみしさ、かまってほしい気持ち
・爪を噛む
・唇を噛む
・髪の毛を抜く
不安やさみしさが背景にある場合の指しゃぶりの癖は1歳ころから、唇を噛むようになるのは3歳ころ、爪噛みは5歳ころから始まるといわれています。
安心感を得るためにママのおっぱいを吸っていたように、爪噛みや唇を噛むことも口唇欲求行動の延長上にあるものだと考えられています。服の首や袖を噛んでしまうのも、それに当てはまります。
深爪するほど常習的に噛んだり、髪を抜いたりする自傷行為は、親の関心が欲しい、欲求不満や苛立ちを抱えているなどが原因となっています。
また、弟や妹ができる、引っ越しなどの環境の変化が影響している場合もあります。
リラックスしているときに起こることも
例えばボーっとテレビを見ていたり、布団に入り寝入る前に性器を触ることです。本人は無意識にそこに手がいくことが多いのですが、触ると気持ちがよいので続けてしまいます。
体も頭もリラックス状態にありますので、止めるタイミングもなかなかありません。見つけたときは「恥ずかしいから止めなさい」と怒ったりすると、悪いことと認識し隠れてやるようになってしまうかもしれません。
ママのいうことが分かる年であれば「大事な部分を汚い手で触ると痛くなることがあるんだよ」などと、きちんと説明してあげましょう。