育児うつを理由に保育園を利用できる?メリットとやることリスト
育児うつになっているときは、無気力になったり判断力が鈍ったりして、体が動かず布団から起き上がれないこともあります。そのような状態が続けば育児ができず、保育園の利用を考えることもありますよね。育児うつで保育園が利用できる理由や保育園を利用するメリットとデメリット、保育園を利用する方法をご紹介します。
育児うつのママが保育園を利用できる理由
保護者の心身障害も入園条件を満たすから
親の介護が必要、産前産後、傷病または心身障害で、保護者の保育が難しい場合も保育園に預けられます。育児うつは病気の一つなので、育児が負担になり病状が悪化する場合、入園条件を満たしているといえるのです。
働いていないのに保育園に預けるのは気が引けて、幼稚園を考えるママもいるかもしれません。けれども、幼稚園は延長保育があるとはいえ、標準で1日4時間の保育です。
保育園は1日11時間開いており、子どもの食事や睡眠が確保されます。ママの出番も少ないので、治療に集中しやすいといえるでしょう。
うつは回復のために休養が非常に重要だから
しかし、小さい子が家にいれば、食事を作ったり、おむつを替えたり、ときには遊び相手をしたりするなど、一日中なにかしらお世話が必要になります。育児くらいやってできないことはないと考えるかもしれません。
しかし、元気なママでも毎日1日中、小さな子を相手にしていたら心身ともに疲れます。ましてや心が疲れている状態なら大変さは増し、休養は取れませんよね。
ママは無理をせず、育児の負担を極力減らす必要があります。保育園に子どもを預けるのは、うつの治療の一環なのです。
ママ自身と子どもを守ることにつながるから
育児うつで、心身が疲れて判断能力が落ちたり体調が悪くなったりすると、思ったとおりに家事や育児ができなくなります。すると、できない自分を責め、子どもがかわいいと思えなくなり、自殺を考えたり子どもを傷つけてしまったりする可能性が出てくるのです。
ママと子どもの命がかかっているといえます。保育園で子どもを預かれば、子どもは安定した環境で成長でき、ママは、正常な判断力を取り戻すために大切な休養を取ることができます。
実際、多くのママが無理せず休養を取り、うつから回復しています。
保育園を利用することのメリットデメリット
ママは子どもと離れて休むことができる
うつはまず、休養を取ることが肝心だといわれますが、うつになる人は真面目で完璧主義な傾向があるともいわれます。目の前に子どもがいれば、自分が苦しくても我慢してお世話をし続け、つらくてもきちんと家事をこなそうとするのです。これではいつまでたっても休養ができず、症状が悪化する可能性もありますよね。
ですから物理的に子どもと離れて休むことが必要です。そうすれば、子どもの世話に追われイライラしたり、世話ができないことへの罪悪感を感じたりする機会が減るのです。
保育園はママの理解者になってくれる
信頼できる人に自分の本音を吐き出せると気持ちが楽になり、前向きになれることが多いようです。パパや親でもよいですが、うつに理解がない場合、甘えと片付けられる可能性があります。
地域によっては育児相談を保育園で受け付けることがあるように、保育士さんはママの理解者にもなってくれます。自分の育て方が悪いのだろうか、イライラして叩きそうになってしまうなど、率直な気持ちを保育士さんに伝えると、気持ちが楽になったり目から鱗の回答が返ってきたりするかもしれませんね。
保育園に預けることへ罪悪感を感じる人も
中には、精神疾患で入園させたことを引け目に感じて、送り迎えでほかのママに会うのが怖いという人もいます。休んでいることへの罪悪感を感じてしまうのです。
けれども、今、ママがすることはうつの治療で、回復するために保育園に預けているのです。休むのがいたたまれなくなり、中途半端な回復で治療を止め、元の生活に戻ると再発することがあるといいます。
罪悪感を感じて症状を悪化させないように、主治医や保育士さんなどとよく話し合うことが必要かもしれませんね。
保育園を利用するためにやることリスト
心療内科や精神科を受診し診断書をもらおう
ママが「午前中、起き上がれなくて子どもの面倒が見られないので、保育園に子どもを預けたい」などと、困っていること、してほしいことを話すと、医師が診断書を書いてくれることがあります。医師の方からママの話を聞いて、保育園を提案してくれるかもしれません。
どのクリニックに行ったらよいのか、どこから手を付けたらよいのかわからない場合は、地域の保健センターや子育て支援センターなどで育児相談をすると、相談にのってくれますよ。