シングルマザーが考えたい親の介護。育児や仕事との両立に向けた対策
夫婦が揃っていても、育児と介護の両立は大変なものですね。それがシングルマザーとなると、仕事、育児、介護のすべてとなり負担も大きなものになります。介護のために仕事を辞めざるを得ない人もいるなか、シングルマザーはどのように立ち向かっていけばよいのか対策をご紹介します。
シングルマザーが親の介護をするのは大変!
育児と仕事、親の介護を一気に担うことに
親もいつかは歳をとるものだと分かっていても、育児と仕事で手いっぱいになり、介護までできないと考えてしまうことも多いでしょう。離婚や死別によってシングルマザーになると、実家に帰ったり近くに引っ越したりして、育児を手伝ってもらいながら仕事を続けている人が多いと思います。
そこで実際に両親が歳をとると、助けが必要になったら面倒を見てほしいと言われたり面倒を見ることが暗黙の了解になってしまったり、介護が悩みとなることもあるのではないでしょうか。
子育てに加え介護費用がかかり経済的負担も
しかし、家計を支えるシングルマザーはそうはいきません。仕事を辞められない状態で育児も介護ものしかかってきますから、本当に大変な状態になるでしょう。
子育てにはお金が掛かります。子どもの教育費をなんとか頑張って捻出していた人が、介護費用まで負担を強いられると「できない」と思ってしまっても無理はありません。
育児・介護のダブルケアを担う場合の費用負担は、1カ月当たり約82,000円となっています。これは無年金や国民年金では賄えない金額となりますね。
ひとりで抱え込むと精神的な負担も心配に
介護で大切なことは、ひとりで抱え込み悩まないことです。ひとりですべてをこなすのはとても大変なことですし、育児も介護もしているママが倒れてしまっては元も子もありません。
介護には、同居と別居があります。介護する人が同じ家に住んでいるとはかぎらず、通いのこともあるでしょう。四六時中、顔を突き合わせての介護は、息抜きができずに辛いことは容易に想像つきますが、別居の場合もまた違う負担が出てくるものです。自宅からの距離が遠いと、通う時間の負担も大きくなってきますよね。
親の介護をすることになったときの対処方法
介護が必要な状態なら介護保険を申請しよう
介護保険を申請するためには、親の介護の度合いを知らなければなりません。国が定める「要介護度」には、要支援~要介護5まで6段階あります。
介護保険サービスを利用するためには、要介護認定してもらう必要があり、医師からの診察と自宅などに調査員が訪れての認定作業が行われます。その後、条件が認定されれば要介護度が確定します。
その後ケアプラン作成を行い、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者へ依頼することでサービス利用が始まります。
在宅か施設か?介護の方針を決めよう
意識もはっきりして、ある程度のことを自分でしてくれているうちはまだよいでしょう。しかし、要介護度が進み、ひとりではなにもできない状態になると、在宅介護に限界が出てくるものですね。
一方、施設という希望があっても金銭的な事情で叶わない場合もあります。施設は、介護の段階により違いがあります。最後まで在宅なのか、介護状態が進んでから施設に移るのか、最初から最後まで見てくれる施設にするのかを家族や親族で話し合って決めましょう。
また、施設は待機人数が発生しているところもありますので、タイミングも大切ですよ。
必要ならば「介護休業」の申請をしよう
介護休暇は、要介護状態にある家族を介護するために有給休暇とは別に取得できる休暇(最大5日間で半日単位で消化可能)のことです。注意が必要なのは、無給か支給かは会社によって違いがあることでしょう。
一方、介護休業は2週間以上、常時介護が必要な家族が生じたときに利用することができる制度です。上限3回までの分割利用ができ、年間通算93日分を申請することができます。給与の代わりに雇用保険の介護給付金が支払われます。
介護で休むのは、周りの目やあとあとの扱いなどが気になりハードルが高いかもしれませんね。しかし、介護離職を考える前に、使える制度は活用してはいかがでしょうか。
親の介護に備えて今からできることは?
身近な介護相談の窓口を確認しておこう
・介護サービスの申請や相談
市区町村の福祉課や、地域包括支援センターへ電話や訪問相談ができる
保健師、ケアマネージャー、社会福祉士が相談にのってくれる
・介護休暇や介護休業の申請
勤務先の総務部などに申請する
・介護費用が高額になったとき
自治体により、一定額を超えるとあとから高額介護サービス費の支給をしてくれる場合がある
また低所得者には、負担軽減制度があることもある