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子どもの貧困は増えている?貧困の現状と受けられる支援やできること

子どもの貧困は増えている?貧困の現状と受けられる支援やできること

豊かなこの日本で、貧困で苦しんでいる家庭が存在していることは事実です。なかなか目に見えない貧困の現状を知ることが、子どもの貧困をなくす第一歩だと思います。知ることによって、受けることができる支援や私たちにできることが自ずと見えてくるのではないでしょうか。貧困の現状をくわしく見ていきましょう。

貧困の定義や日本の子どもの貧困率、現状

絶対的貧困とはどんな状態をいうの?

「絶対的貧困」とは、人として最低限の生活をすることができない状態をいいます。生きるために必要な住居や食べ物、生活必需品を最低限購入するための収入がないということです。

日本では、憲法第25条第1項に「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定められているため、「絶対的貧困」に当たる人は少ないですが存在するのです。

最低限の生活が送れないということは、お金がないために食べ物を買うことができず、勉強は後回しになり、病院にいくこともできないということなのです。

相対的貧困とはどんな状態をいうの?

「相対的貧困」とは、全世帯それぞれの収入の中間値の半分以下の収入をいいます。例えば、全世帯の収入の中間値が340,000円の場合は、170,000円以下が「相対的貧困」となります。日本の貧困の多くは、これに当てはまります。

最低限の生活を送ることはできますが、外食や習いごと、おもちゃや絵本の購入など、ほかの人たちが当たり前にできることが難しい状態です。

収入格差が広がることによって、教育格差も同時に起こっていると考えられます。「相対的貧困」とは、まさに子どもの貧困といってよいでしょう。

世界的に見ても子どもの貧困率が高い日本

2016年ユニセフが発表した子どもたちの幸福度の格差に関する順位で、日本は先進41カ国中34位(格差の小さい方から)でした。他国に比べて、貧困率が高いだけではなく、子ども間の格差も広がっています。

日本は、子どもの6人に1人が貧困に苦しんでいます。子どもの貧困は、子どもが悪いわけではなく家庭の貧困からきているのです。

1996年の労働者派遣法の改正によって派遣労働者が増え、定職に就かない人の増加が家庭の貧困を招いた原因の一つであると考えられます。

苦しい生活を強いられている母子家庭の現状

母子家庭の収入は、一般世帯の収入に比べてとても低いです。その原因は、男女間の賃金格差や正規従業員としての社会復帰の難しさが挙げられます。

子どもが小さいうちは、病気などで頻繁に仕事をお休みしなくてはなりません。また、保育園の預かり時間が決まっているため、親などのサポートが得られなければ残業も難しくなります。結果、肩身が狭くなり、その職場にいることができなくなることもあるようです。

また、母子家庭の母親たちの半分近くが正職に就けず、パートやアルバイトなどをしているのが現状のようです。

なぜ今子どもの貧困が増えているの?

きちんとした職に就けない親が増えている

1990年バブルが崩壊し、景気が悪くなりました。企業は、人件費削減のため採用を控え、就職先の見つからない人たちが非正規雇用労働者として働くことが増えました。

日本では、非正規雇用労働者の割合が1998年の20.9%から2016年には37.5%まで上昇しています。実に2.7人に1人は非正規雇用労働者です。これだけ増えているので、きちんとした職に就けないまま親となっている人も多いでしょう。

この背景には、労働者派遣法の見直しがあります。見直しにより、対象の業種が増え、企業は派遣労働者を雇用しやすくなったのです。

忙しいときは雇い、暇な時期は雇わないというように柔軟な対応をすることができ、賃金も正規雇用労働者に比べて安く、人件費を抑えることができます。企業にとって派遣労働者は、都合よく使うことができる人材なのです。

一方、母子家庭の母親は、子どものサポートが得られなければ残業などができないため、正規雇用を敬遠されることがあります。そのため、パートやアルバイト、派遣労働者として働くしかないのです。

親の離婚率が上がっている

現在、日本の夫婦の約3組に1組が離婚をしています。1970年の離婚率(離婚件数/婚姻件数)は婚姻件数全体の約10%でしたが、30年経った2000年には約32%に達しています。離婚率の増加は、時代の変化によりもたらされていると思います。

「離婚は悪いもの」という従来の考え方が変わり、我慢してまで結婚生活は続けないという人が増えています。女性の経済的自立、授かり婚、結婚式や披露宴などをしない「ナシ婚夫婦」も離婚のハードルを下げている要因といえるでしょう。

女性の社会進出にともない共働き世帯が増え、家庭での男性の役割も増えています。うまく分担して家事や子育てをしている夫婦なら問題ありませんが、うまくいかない場合、女性の経済的自立は離婚率を上げる要因の1つになります。

また、授かり婚は喜ばしいことですが、将来を考えこの人と生涯ともにしたいと思う前に子どもができた場合、こんなはずじゃなかったと後悔し離婚へと繋がる場合もあるでしょう。

このように、時代の流れとともに結婚に対する意識が変わり、離婚率を上げているのではないでしょうか。

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親の年収と子どもの学歴は比例する?

親の収入が多ければ、それだけ子どもにかけてあげられるお金も増えます。学習塾など多数の習いごとをしている子もいれば、まったく何もしていない子もいます。

勉強に関する習いごとの多い子どもは、少ない子に比べて学校の成績も上位である場合が多いです。収入格差は教育格差に直結するのです。

幼少期からお金をかけ教育している親は、よりよい教育を求めて幼稚園を選び入園させることができます。この時点で学歴の差は少しずつ広がっているのです。

義務教育が終われば高校、大学へと、当たり前のように進学することができます。しかし、義務教育後の進学を親の収入によっては断念せざるを得ない子もいるのです。

このように親の年収によって、子どもの学歴は比例していくのです。
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