子どもの貧困は増えている?貧困の現状と受けられる支援やできること
貧困が子どもの学習意欲を低下させる?
OECD編「OECD保育白書 人生の始まりこそ力強く:乳幼児期の教育とケア(ECEC)の国際比較」では、出生から三歳になるまでの幼い子どもたちへのケアや教育が、とても重要だということを分析しています。
体や脳機能が一番発達する時期に、様々な遊びの機会が損なわれるのは、その後の成長に大きな影響を及ぼす可能性があります。それが、「どうせ俺なんて・私なんて」という気持ちに表れ、学習意欲を低下させるのではないでしょうか。
OECD編「OECD保育白書 人生の始まりこそ力強く:乳幼児期の教育とケア(ECEC)の国際比較」では、出生から三歳になるまでの幼い子どもたちへのケアや教育がとても重要だということを分析しています。
負の連鎖を断ち切るために親ができる心掛け
幼児期は、心身ともに成長する大事な時期です。その時期をどう過ごすかで、子どもは未来への希望や期待を持つことができるのです。
多くの親は、1人で子育てをしていると錯覚しがちです。しかし、あちこちにアンテナを張り巡らし有益な情報を得ることで、助けが得られ子どもとの生活がより豊かに変わる可能性が広がるのです。
教育の不十分な子どもは、よい職に就くことができず、収入が低いという負の連鎖を繰り返してしまう傾向があります。政府や民間団体の支援策をうまく活用し、子どもの健康や教育の充実を図ることが大事です。
日本で受けられる子どもの貧困支援
政府が取り組んでいる子どもの貧困対策
一方で、素晴らしい対策を行っているのが足立区です。貧困に苦しむだろう子どもを、早期に見つけるための対策の一つ、ASMAP(あだち スマイル ママ&エンジェル プロジェクト)は妊娠期から経済的不安のある家庭を早期に発見し、支援する仕組みです。
また、「つなぐシート」を活用し、様々な部署で情報を共有しています。例えば、ハローワークに相談に訪れた人が、子どものことで心配事がある場合、シートへの記入で支援できる部署に引き継ぐという形で活用しています。
ほかにも、ひとり親が就職しやすいように、専門的技能の修得により正規雇用につなげる支援を行っています。このような子どもの貧困に寄り添う支援が、一部の地域だけではなく国全体で行われるようになるといいですね。
子どもの貧困対策に取り組んでいる民間団体
主な活動としては、子ども食堂や無料の学習塾などを行っています。子ども食堂は、地域の子どもたちに無料か低額で食事を提供しています。2018年現在、全国に2286カ所開かれていることが民間団体の調査で分かっています。
学習支援を行っている団体を紹介します。NPO法人 Learning for Allは、大学生ボランティアたちによる無料の学習支援を行っています。この団体は、きちんとした研修を経て子どもの指導にあたっています。学習面のサポートだけではなく、子どもと向き合う力も必要だからです。
また、NPO法人山科醍醐こどもひろばは、子どもの体験活動の機会の提供、子どもの居場所の提供など幅広く活動しています。乳児期の子どもにとって、栄養をとり体をつくる「食」はとても大事ですが、社会性を身につけるための「体験」も大事なことです。
このように、様々な団体がいろいろな面から子どもの貧困対策をしているのです。
Learning for All 教育格差を終わらせる
Learning for Allは、子どもたちが未来へ進む力になりたい。子どもの貧困、教育格差などの社会問題に対して学生ボランティア教師が学習機会を提供することで解決します。
特定非営利活動法人 山科醍醐こどものひろば | "Sharing smile with your neighbor makes the world a better place"
今できる子どもを貧困から救うボランティア
子ども食堂のお手伝いをしてみよう
足りない食材やボランティアの募集など、それぞれの食堂ごとで何が必要なのか分かりやすく掲載されています。実際に食堂へ行き、食事を作るボランティアをしてみてはどうでしょうか。子どもたちの現状がよくわかるでしょう。
足りない食材や寄付金など、「これなら応援できそう」ということを選んで参加するのもよいですね。また、これだけがお手伝いではありません。子ども食堂はどこで開かれているのか知らない人もたくさんいます。情報を発信し、「場」を知らせることもお手伝いの一つではないでしょうか。
無料学習塾のお手伝いをしてみよう
実際に教えているのは、ボランティア団体や大学生、元教師などの人たちです。経済的な問題で塾に通えない子どもたちの勉強を、ほぼ無償で教えています。
無料の学習塾は、小学生から中学生が対象になっていることが多いです。勉強を教えるのが不安であれば、子育て支援をしている団体を探してみるのはどうでしょうか。
昔の遊びやトランプ、絵本の読み聞かせなど、普段ママたちが自身の子どもに接するように教えてあげればよいのです。また、絵本やクレヨン、折り紙などの寄付も支援の一つでしょう。
著者:浅井春夫・中西新太郎、田村智子、山添拓ほか