乳児期の腹ばいは運動能力を伸ばす!適した時期と正しい練習のコツ
腹ばいは赤ちゃんの運動能力を伸ばすと聞いてはいるものの、乳児期の腹ばいに不安を抱いているママは多いようです。そこで、腹ばいの姿勢が赤ちゃんにどのようなメリットがあるのかについて解説します。あわせて、腹ばいに適した時期や注意点、さらには正しい練習のコツについてもご紹介します。
腹ばいは赤ちゃんによいことがいっぱい
たっちやあんよにつながる運動能力がつく
赤ちゃんは、うつぶせにすると顔を左右に向けて頭を持ち上げようとする動きをすることがあります。この腹ばいの姿勢は仰向けで寝ていたときとは違う筋肉を使うため、寝返りやハイハイのきっかけとなる大切な動きです。
腹ばいの姿勢になると背中を反らす姿勢をすることから、首から背中の筋肉や肩甲骨周辺の筋肉を鍛えます。体を支えるためにバランスを取ろうとするため、バランス感覚も磨かれていくようです。腹ばいの姿勢をとることで、たっちやあんよに必要な運動能力がついていきます。
呼吸器にまつわる内臓が強くなる
赤ちゃんは、腹ばいになると首を持ち上げて背中を反らそうとします。この姿勢は、胸を大きく開くことにもつながっていくのです。また、背中の側にある肺は腹ばいの姿勢では圧迫されないので、肺が広がりやすい姿勢でもあります。その結果、腹ばいの姿勢は肺が鍛えられて、呼吸器が発達するといわれているのですよ。
また、腹ばいの姿勢に慣れた赤ちゃんは、口を閉じて腹式呼吸をするようになる傾向もみられます。鼻から吸って口で吐くという呼吸法は口腔の発達を促すとともに、感染症の予防にもつながります。
腹ばいの姿勢がもたらすそのほかのよい効果
赤ちゃんが腹ばいになると首を持ち上げようとするため、首の筋力がついていきます。その結果、首のすわりが早まったという赤ちゃんは多いようですよ。
また、腹ばいには寝返りを促す効果も期待できます。腹ばいになった赤ちゃんは、おもちゃなど興味のあるものに手を伸ばそうとします。すると、仰向けのときもおもちゃなどを取るために腹ばいになろうとして、寝返りが成功したということはよくあるようです。
さらに、ゲップが出やすくなるのも腹ばいの効果といえるでしょう。腹ばいの姿勢はお腹に体重がかかるので、ミルクと一緒に飲んだ空気が出やすくなります。
赤ちゃんを腹ばいにするとき不安に思うこと
首がすわる前から腹ばいにしてもよいの?
しかし、赤ちゃんの腹ばいは、安全面に配慮さえすれば生後1~2カ月ごろから練習をスタートさせても大丈夫のようです。前述したとおり、腹ばいの姿勢を取ることで首のすわりを早める効果が期待できますよ。
赤ちゃんの運動機能は、頭から手足へと順番に発達していきます。個人差はありますが3~4カ月ごろになると首がすわり、続いて腰がしっかりしてきてハイハイやつかまり立ちができるようになっていく赤ちゃんが多いようです。首がすわることは、運動能力が発達する第一歩だといえます。
乳幼児突然死症候群との関係性
乳幼児突然死症候群とは、予兆がないまま睡眠中に赤ちゃんが死亡する病気です。厚生労働省の調査によると、平成29年には77名の赤ちゃんが亡くなっています。原因はまだ不明ですが、うつぶせ寝のときに乳幼児突然死症候群のリスクが高まることは確かなようです。
うつぶせ寝が赤ちゃんをうつぶせにしたまま寝かせるのに対して、腹ばい練習は赤ちゃんをうつぶせにしたまま放置することはありません。赤ちゃんの様子を観察し、目を離すことさえしなければ、安全だといえるでしょう。
安全に腹ばいをするためには
一つ目は、赤ちゃんから目を離さないことです。赤ちゃんのそばを離れず、様子をしっかり観察しましょう。決してひとりにしてはいけません。
二つ目は、赤ちゃんの機嫌や体調がよいときに行うことが大切です。最初は無理をせず、数秒から始めてくださいね。
三つ目は、マットレスなど柔らかなところでの腹ばいは避けましょう。赤ちゃんの顔の周りに枕やタオルなどがあっても、窒息の危険があります。
また、たとえ安全面を考えた上で腹ばいをしたときでも、赤ちゃんが嫌がったときはやめた方がよいでしょう。