
赤ちゃん用湯冷ましって何?特徴や作り方、湯冷ましの代用について
赤ちゃんに飲ませることができる「湯冷まし」は、世代によって認識が違うようです。赤ちゃんに湯冷ましを飲ませるべきかどうか、考え方の違いを知って上手に利用してください。湯冷ましの作り方や、湯冷ましの代わりになる手軽な代用品も、あわせてご紹介します。
湯冷ましの特徴や飲ませ始める月齢について

赤ちゃんに飲ませる「湯冷まし」とは
一度沸騰させているため口当たりが柔らかく、赤ちゃんでも飲みやすいのが特徴です。また水は沸騰させることで体内への吸収率が高くなるとされ、水分補給にもってこいなのです。
赤ちゃんに安心して飲ませることができる湯冷ましですが、一方で防腐効果のある薬剤が抜けているため雑菌が繁殖しやすい状態になっています。長期保存は危険です。
長くても1日で使い切ってしまうか、1日過ぎてしまった湯冷ましは捨てて、翌日は新しく作りなおすようにしてください。
湯冷ましが必要とされていた理由について
1970年代は粉ミルクが本格的に普及し始めたころ。また母乳を与える人が少しずつ減少しはじめたころでした。
当時の粉ミルクは現代ほど母乳に近いものではなく、タンパク質やミネラルが濃い、偏った栄養のものだったそうです。濃い栄養成分は赤ちゃんの腎臓や消化機能に負担を与えるため、薄める必要がありました。
薄めるために産院などで指導されていたのが「湯冷まし」です。つまり「湯冷まし」は、母乳育児や現代の粉ミルク育児では必要がないのです。
生後2カ月以降に飲ませることが一つの目安
とくに生まれたばかりのころは胃が小さいため、哺乳前に水分を摂らせると本当に飲んでほしい哺乳量が足りなくなる恐れがあります。新生児のうちは飲ませないようにしましょう。
このように湯冷ましは無理に飲ませなくてもよいのですが、一方で離乳食前に湯冷ましを飲みなれていると離乳食への移行が楽になる場合もあります。味がないので、離乳食を始めても味覚に影響しません。
離乳食を始める前から水分を飲ませ慣れておきたい場合は、生後2カ月以降のスタートが目安です。欲しがったときに少しだけ飲ませてあげましょう。
赤ちゃん用湯冷ましの作り方やポイント

湯冷ましの作り方をチェックしよう
塩素はタンパク質を破壊する作用があります。免疫力の弱い赤ちゃんが摂取するとアレルギーやアトピー性皮膚炎を引き起こす恐れがあるのでしっかり抜きましょう。
電気ポットの湯なら再沸騰を繰り返すため塩素がとんでいます。便利でおすすめです。
沸騰した湯は40℃くらいの人肌まで冷まし、保温容器などで保存します。保温容器も使用前にはしっかり消毒してくださいね。
電気ポットを活用する場合は完全に冷まして冷蔵保存し、使うときにポットの湯と割る、という方法もできます。衛生面を考えて、湯冷ましは常温で半日、冷蔵保存で1日を目安に使いきりましょう。
湯冷ましを飲ませる量やタイミングとは
赤ちゃんに与えてもよい湯冷ましの上限は、1回に「月齢×10ml」までが目安とされます。まだ内蔵の未熟な赤ちゃんに水分を飲ませすぎると、胃液が薄まって消化を妨げてしまったり腎臓に負担をかけたりすることがあるため、必ず少量を心がけてください。
湯冷ましを飲ませるタイミングは、のどが渇いていそうなときです。乾燥しているときや風呂上がり、汗をかいたときなどに飲ませてみましょう。
また授乳に影響を与えないタイミングも大切です。授乳前に水を飲ませると哺乳量に影響するので控えるようにしましょう。
嫌がるようなら無理に飲ませなくてOK
湯冷ましには味がなく、それがメリットでもあります。しかし考えてみれば、甘い母乳やミルクを飲みなれている赤ちゃんが味のない湯冷ましを嫌がることは、なんとなく理解できますね。
湯冷ましでの水分補給を嫌がる場合は、母乳やミルクをあげてください。十分に水分補給をすることができます。
ママが赤ちゃんに水分補給が必要だと判断して、また赤ちゃんの口元に湯冷ましを近づけて欲しがったときに、湯冷ましを飲ませてあげてください。月齢が進むと飲むようになることもよくありますよ。
忙しいママに!赤ちゃん用湯冷ましの代用案

ミネラルウォーターで代用してみよう
硬水は、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルの含有量が高い水です。ミネラル含有量が高い水は赤ちゃんの未熟な臓器にダメージを与える可能性があるので、飲ませないようにしましょう。
赤ちゃんには硬度100以下の軟水を選ぶとよいです。日本の水は軟水が多いですが、反対にヨーロッパの水は硬水が多いため注意してください。
ミネラルウォーターには塩素などの薬剤は含まれませんし、雑菌も入っていません。常温にすればそのまま飲むことができますよ。